中華な | 愛しき言葉(ウツクシキコトノハ)

愛しき言葉(ウツクシキコトノハ)

私の心に響いてきた言葉

私の心から紡ぎ出される言葉

愛しき言葉(ウツクシキコトノハ)


僕僕先生

仁木 英之


舞台は中国唐代。
元エリート県令である父親の財に寄りかかり、
ぐうたら息子の王弁は安逸を貪っていた。
ある日地元の黄土山へ出かけた王弁は、ひとりの美少女と出会う。
自らを僕僕と名乗るその少女、実は何千何万年も生き続ける仙人で…
不老不死にも飽きた辛辣な美少女仙人と、
まだ生きる意味を知らない弱気な道楽青年が、天地陰陽を旅する。


河惣益巳のマンガ、『火輪』と、
森福都の小説、『琥珀枕』を同時に読んでいるような感じだった。

表紙のイラストのイメージが強いのか、
それともはなしのイメージ通りのイラストなのか、
かわいらしい登場人物たちが、目の前でころころ転がった。

中華な雰囲気は『火輪』のイメージが強い。

そうだ、川原泉の『中国の壺』もイメージだ。

あぁ、うん、ほんとだ。
川原泉のマンガになりそうだな。

他の人の感想を見ていたら、
「ライトノベルの範疇だ」みたいなことが書かれてた。
ライトノベルを読まないからその範疇がよく分からないけれども、
桜庭一樹だってそうだよね?
山本文緒だって、デビューはそこだったはず。

その区分けって、とっても微妙。

川原泉の漫画になりそうな時点で、これは一種の哲学。
文学に値するわ。

少なくとも、mikkiはそう思う。

とにかく、気持ちがほんわりする。
春にぴったりの1冊だった。

この、桜咲き乱れたぽかぽか陽気に。