個人向けの売掛金は買取れません
7月16日
昨日工事代金早期資金化サービスの案件の相談がありました。
九州の建設会社で年商約10億円、ファクタリングの実行希望額は5000万円です。
スケジュール的には7月25日が実行希望日なので問題はありません。
でも、いくつか実行にあたっては問題があります。
1.他のファクタリング会社で3000万円の2社間ファクタリングを利用中で、
その精算日は7月29日で譲渡登記もついている状況。
ということは、7月25日に実行する場合、
現在ついている譲渡登記の内容によっては売掛先がダブってしまって保全が難しくなる。
2.年商が約10億円ということは、平均月商は8333万円。
利用額の上限を平均月商の30%と考えると、この基準においては2500万円が上限で、
5000万円ともなれば、今後の資金繰りへの審査が非常に厳しくなる。
しかしながら、ここまでの問題はまだ検討の余地ありなのですが、大問題は次の問題です。
3.売掛金の内容を拝見すると、個人向けの売掛金が結構多く、
ご希望の実行額5000万円を実行する場合、
買取手数料の10%をプラスした5500万円以上の、
法人向けの売掛金が存在していなければ、物理的にご希望額の実行は不可。
今ご利用中の同業他社は、個人向けの売掛金も買取っているようなのですが、私どもも提携業者も個人向けの売掛金の買取は行っていません。
だから、まだ顧客からの回答が来ていませんが、もし、個人向けの売掛金も含めて5000万円のファクタリングの実行を計画されているのであれば、それはできないのです。
今回も私どものご利用を希望された理由は、現在ご利用中のファクタリング会社よりも買取手数料が半分以下のコストだからなのですが、その分、譲渡登記もできず保全がもしかの時に難しい個人向けの売掛金は買取れないのです。
現在、8月の末までに入金予定の法人向けの売掛金の明細をご提示いただくよう、その回答待ちの状況になっています。
売掛金担保融資とファクタリング【売掛金ファイナンスコラム】vol.1
画期的な売掛金担保融資(1)【売掛金ファイナンスコラム】vol.2
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