不動産ファイナンス 新情報② | 思うように資金調達ができない方へ

不動産ファイナンス 新情報②


5月4日

今日は不動産ファイナンス 新情報 ① の続きで、「某ノンバンクの不動産業者向け融資 掛目が85%+α」についてご案内します。

弊社団の不動産ファイナンス担当理事の出身ノンバンクの不動産業者向け融資の話です。

不動産業者向け融資とは、どのような融資かと言うと、イメージとして、長期投資案件に対する融資ではなく、短期転売のように短期で勝負が決まる案件の物件取得のための融資です。

短期とは最長1年ぐらいだと理解してください。

短期だから、融資の掛目も、不動産業者向け以外の、いわゆる融資期間が長い場合が多い、リテイル部門の融資と比較すると、価格下落リスクが低いため掛目も85%ぐらいが上限で、リテイル部門の70%程度と比較するとけっこう高く設定されています。

ただ、財務内容や資金調達力の高い不動産会社は金利が低い銀行からの調達を利用するため、ノンバンクからの調達が中心の不動産会社の場合、自己資金が必要な15%の部分の資金力もないことが多いため、このような融資設定では利用客の数は限定されてしまいます。

 

そこで、このノンバンクでは15%の自己資金部分も、決算書の内容で出す検討が可能とのことです。

僭越ながら、私はこのような自己資金部分を審査して100%ローンを目指すことは違うと思っています。

なぜかと言うと、おそらくこのような融資は、現在のように不動産市場の調整局面の懸念が高い時に行うと、ノンバンクが不良債権を抱えると言うことだけではなく、顧客の不動産会社も、体力に見合わない投資をして、この結果破綻すると言うことを繰り返しているのが不動産業界の一面でもあるからです。

実際、最近は例えば首都圏の個人住宅においても、都内ではどうかすると5000万円超えの価格設定になっていて、住宅へのニーズはあっても、4000万円を超えると、健全な自宅購入にはならないことから、買いたくても買えない状況があり、売り物件の在庫も増えているような状況になっています。

つまり、投資をして顧客に売却するサイクルがスムーズに回転する不動産の投資適格物件が少なくなっているのです。

確かに不動産会社も、だからと言って指をくわえてみている訳に行かないことはよく理解できます。

でも、投資適格物件とは言えない、まあ何とかなるぐらいの物件に対して、資金が付くから投資しようと言うのは、余力がない不動産会社にとって、タイミングが悪いと、このような投資活動をしていると、一発即死のような事態を迎える懸念が高くなります。

私もこのような仕事を長くしてきたから、隆々としていた不動産会社が投資対象の物件への基準を緩めて、市場に的確物件がないのに、勢いなのか、期間損益のためなのか色々でしょうが、投資の失敗で急速に衰弱して破綻した会社を本当に数多く見てきました。

中には上場までした会社、上場準備に入っていた会社、家賃が高そうな都内を見下ろせるような高層オフィスまで構えたのに、実質的な破たんまで何年もかからなかったケースもありました。

かく言う私も時代は昔ですが、90年代のバブル期に、まさに投資不適格物件に過剰投資して数百億円ので破綻した経験をしていますから、なんとなく他人ごとに思えません。

 

でも、そもそも論は別にして、多くのノンバンクで言えるのは、リテイル部門の案件が少ないことから、どうしても営業が比較的難しくない不動産会社(宅建業者)向けの融資に力点を置くのは理解できます。

だから、このノンバンクのように、15%の自己資金部分も決算書の内容によっては融資可能と言うことであれば、手持ち資金は少ないけれど、何が何でも投資されたい物件があるのであれば、このノンバンクのご利用については、現在はチャンスと言えばチャンスです。

ただ、このような状況はそう長くは続かないと思いますので、ニーズがあればご相談いただければと思います。

ご相談は bhycom@gmail.com まで 

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