【日米地位協定 入門】 天木直人・前泊博盛の対談 | 思うように資金調達ができない方へ

【日米地位協定 入門】 天木直人・前泊博盛の対談

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3月10日
今日は話題になっている「本当は憲法より重要な日米地位協定 入門」と言う本を書いた前泊博盛沖縄国際大学大学院教授と天木直人氏の対談の動画をご覧いただきたいと思います。
地位協定と言うと、米軍基地の運用や関連する、要は沖縄に特化された問題と思いがちです。
しかしながら、サンフランシスコ講和条約ではできない、日本を未来永劫にわたって占領支配するために日米安保条約を締結させられて様に、日米安保の運用をさらにアメリカの好き勝手にできるように存在するのが行政協定、現在の日米地位協定です。
日米地位協定は協定ですから、安保条約のように条約でないところがミソで、国会の決議も不要ですので、地位協定裏マニュアルがあるように、秘密裡にアメリカは日本に様々な無理難題を強要できるようになっています。
この場が、例の密約製造マシーンと言われる日米合同委員会で、この委員会には日本の外務省は防衛相など、各省庁の官僚が出席し、アメリカの決定事項の追認機関となっています。

どのような組織になっているのか、ぜひ、日米合同委員会組織図 http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/sfa/pdfs/soshikizu.pdf
をご確認いただければと思います。

この対談で言われているのは、日本の米軍基地や米軍の問題は、政府が決定することよりも、国会で決議することよりも、その上位に日米地位協定のもとに日米合同委員会が存在していて、このことから日本には主権がなく、独立国ではなくアメリカの属国であると指摘しています。
例えば、オスプレイも2008年の日米合同委員会で2012年に配備すると通達され、実際その通りになっていると指摘しています。 
1時間20分ほどの長い動画ですが、内容が興味深く一気に見てしまいました。
この動画を観れば、TPP問題、普天間問題、オスプレイの問題で、どうして日本の首相が国を売るようなアメリカからの要望を聞いてしまうのかが分かります。
だから、日米地位協定を理解すると、リベラル派の理想論では、日本は未来永劫、対米自立できないことも理解できます。
東日本大震災の福島原発事故が起きた後、ドイツ政府は直ちに8基の安全性が低い原発を停止し、2022年の脱原発を決めました。
でも、事故が起きた当事国の日本政府が、脱原発を決めることができないのことも、日米地位協定の存在とその内容、また現実を知れば、おのずとその理由が分かります。
天木氏は植草氏と違って遥に現実的で共感を覚えますが、この動画の中では、安倍の日米首脳会談における、アメリカへの従属姿勢を批判しています。
天木氏も言うように、安倍は愛国保守ですし、自民党も元の考え方は自主外交です。
このような地位協定で見る日米関係がなければ、安倍は、TPP反対、オスプレイ配備反対、普天間基地の辺野古沖への移転も反対の姿勢を取ると思います。
実際、安倍はまだTPP交渉に参加するとは言っていません。
TPPについては、明らかに現在のマスコミの報道は偏向しています。
でも、今後、安倍がTPPやオスプレイ、さらには普天間問題においてどのような姿勢を取って、どのような結果を出すかは不明です。
それは、地位協定に見る日米関係が厳然として存在しているからです。
私たち国民は、このような事実が日米関係に存在することに、まず気付かねばならないと思います。
以前も書きましたが、日米関係の事実を理解することが、遠回りに感じますが、対米自立、自主外交への第一歩と思います。
ただただ理想論を叫んでも、現実的には、解決することはできません。
野党時代の民主党の日米地位協定の改定案は画期的な内容だったそうです。
その民主党が政権を取った結果はご存知の通りです。
まずは日米地位協定がどのようなものか、この協定がある限り、日本はアメリカの属国でしかない事実を、多くの国民が理解することが大事だと考えます。
ぜひ動画をご覧いただきたいと思います。

また、「本当は憲法より大切な日米地位協定入門」の、アマゾンのサイトに掲載された読者の書評を最後に転載します。
とても、参考になるので、ぜひご一読ください。

   

本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (「戦後再発見」双書2)/創元社

¥1,575Amazon.co.jp


私は、本書を読むまでは、恥ずかしながら、「日米地位協定」が、沖縄基地に特化された問題であるとの印象を持っていた。

読後は、「日米地位協定」の問題は、アメリカへの従属関係を脱しきれない、日本全体が抱える、重要問題であったのだと、認識が一変した。

アメリカが、「憲法」と「条約」と「協定」を巧みに使い分けながら、日本そのものを巧妙に「利用」してきた、その歴史的経緯と全体像が、実に分かりやすく描かれている。

特に、印象的だった記述がある。

「国際政治に関して、かなりの事情通を自認する方でも、アメリカの『圧力』はもっと間接的なものだと思っていませんでしたか? ちがいます。最高検察庁の陳述も、最高裁判所の判決も、非常にダイレクトな形でアメリカの国務省から指示されていたのです」(250ページ)との箇所である。

その具体例として米軍立川基地の問題をきっかけに、在日米軍を違憲とした「伊達判決」が、最高裁で覆った「砂川裁判」の経緯が取り上げられている。

詳述は避けるが、これは、「目からウロコ」もので、今まで隔靴掻痒の感があった、“アメリカの影響力”が、実にリアルで露骨なものであることが、一目瞭然となった。

70年にわたる、従属関係に、暗然たる気分にもなったが、この状態を変えるための「希望」も、この書の中に見つけることができた。

印象的なのは、フィリピンが米軍基地を撤退させた経緯である。

マングラプス外相(当時71歳)が、当時45歳のアーミテージ国務次官補の恫喝に対して冷静な反論で応じ、アメリカの要求を退けるに至ったという。

フィリピンとわが国の、置かれている状況は、かなり違うだろう。

だが、独裁者マルコスと戦い、14年間の亡命生活を経験した老練な政治家の、腹のすわった交渉力が道を開き得たとの事実に、一条の光明を見る思いがした。

もちろん、わが国においても、幾多の気骨のある人間はいた。

「あとがき」でもそのことに触れられている。

「本書でもたくさんふれましたが、戦後70年間近くの間に日米安保条約、日米地位協定のために命を落とし、命を奪われ、人間としての尊厳を失わされてきた日本人のあまりの多さに胸が痛みます」(395ページ)と。

「日米地位協定」の改定をはじめ、日米関係の改善が、非常に難しいことも良く分かった。

だが、多くの人が、正しく「知る」ことが、道を開く力になる。

政治家や、官僚など実務に携わっている方々はもちろん、日米の将来を担いゆく力ある学生や心ある両国民に、幅広く本書を読んでほしいと念願する。

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