赤字を出したら、必ず資本増強を!そして会社の規模にふさわしい資本金を! | 思うように資金調達ができない方へ

赤字を出したら、必ず資本増強を!そして会社の規模にふさわしい資本金を!

1月31日

1月15日に書いた「資本増強」の記事と少し重なるのですが、

今日は少し見方を変えて話をしたいと思います。

 

多くの会社のお手伝いをしてきた経験で言うと、

多くの経営者が少し軽視しているのではないかと思うのが「資本金」の問題です。

 

最近は資本金の額の制限がなくなりましたが、

少し前までは、株式会社の最低資本金が1000万円。

有限会社が300万円と言う時代が長く続きました。

ですから、今でも多くの株式会社の資本金が1000万円で、

多くの有限会社の資本金が300万円になっていることが多いですね。

 

前回のバブルが崩壊した頃までは、

よく言われたように、確かに銀行も超担保主義で、

十分な担保さえあれば、よほど借り手の属性が悪くなければ、融資をすることが多かったので、

担保になる不動産の評価が問題であって、

会社の資本金の額が、融資の可否に大きく関係することは、

それほどなかったと思います。

 

ところが担保さえあれば融資をしていたことが仇となって、

バブル崩壊による不動産価格の大幅下落により、

銀行は巨額の不良債権を持つことになった話は、ご承知の通りです。

 

この担保主義への反省から、銀行は体力が回復してくると、

今度は担保よりも、決算内容(財務内容)を重視して、

中小企業に対しても、無担保融資を行うようになりました。

よく言われるスコアリング方式による審査のことです。

 

そして、このような状況になった途端、

中小企業にとって、銀行融資を引き出すことにあたり、

担保の有無よりも、決算の数字が重要になってきて、

その中でも重要な数字の一つが自己資本比率になりました。

 

自己資本比率とは、資本の部/総資本の数字のことで、

この数字が大きければ大きいほど会社の経営は安定していることになり、

融資も受けやすくなります。

最低でも15%、できれば20%以上あることが望ましいと言われています。

 

  

この数字の大きくするには、当然ながら二つの方法があって、

一つは資本の部を大きくすることで、もう一つの方法は総資本を小さくすることです。

 

ここでまずは次のことを確認して下さい。

 

総資本=資産(流動資産+固定資産+繰延資産)の部=負債の部+資本の部

 

説明の順番が逆になりますが、まずは総資本を小さくすることから説明すると、

総資本を小さくすること=資産を圧縮すること です。

ですから、余計な資産を見直して、売却したり、流動化することで、

総資本を圧縮することが重要になります。


   

もう一つの方法は当然ながら、資本の部を大きくすることで、

ここで資本の部の内容を説明すると、次のようになります。
 

「資本の部」は会社の出資者が払い込んだ資本金・資本準備金と、

利益の留保額や未処分利益から構成されている。

 

と言うことは、資本の部を大きくする方法は、

資本金を大きくするか、いっぱい儲けるかの二つになります。

 

だからいっぱい儲けて内部留保の額が大きければ、

資本金は大きくしなくても良い理屈になりますが、

会社を経営はいつも儲かるとは限らず、

期によっては赤字を余儀なくされることもあります。

 

赤字になれば、当然資本の部の数字は小さくなって、

自己資本比率が下がり、融資を受けにくくなります。

そして、赤字の数字が資本の部を上回る状況のことを債務超過と言い、

債務超過になると融資を受けることが事実上できなくなります。

 

ですから、決算で赤字に転落することが分かった段階で、

本当は赤字の額と同等の資本金を大きくすることがとても大切になります。

 

ところが、先ほども書いたように、

この部分が経営者の方々の意識として、もう一つ薄く、

残念ながら会計顧問である税理士の先生の認識も高いとは言えず、

巨額の赤字を出しているのにも関わらず、資本増強(増資)をせず、

大きく自己資本比率の数字が低下した決算をしている会社が多いのには、

正直なところ驚いてしまいます。

そして、このような状況になると融資が受けにくくなって、

弊社のような会社に相談に見えることが多いのです。

 

また当然ながら、会社の規模が大きくなればなるほど、

資産が大きくなるわけですから、

自己資本比率が低くならないように、

資本金は大きくしておく必要もあるのに、

このことに対しても赤字の対応同様、意識が高いとは言えません。

その際たるケースがパチンコ業界で、

一部の大手は別にして、パチンコ業界ではたいした売上ではありませんが、

数百億円の売上がありながら、資本金が300万円の有限会社のまま。

このような会社が実に多く、

おまけに税金対策をして利益も圧縮しているので、

自己資本比率の極めて低い会社が多く、

これじゃ銀行から融資を受けにくいのも当然で、

この部分に関する経営者のレベルの低さが目に付きます。

 

現在パチンコ業界へのファイナンスが、

事実上ストップされているのはこれだけの理由ではありませんが、

ぜひ認識していただきたいのは、

赤字を出したら資本増強を!

会社の規模が大きくなっても資本増強を!

つまり増資をしていって欲しいということです。

 

なんどもこのブログでも書いているように、

現在、銀行は、非常に中小企業に対する融資に慎重な姿勢を取り始めていて、

まさに良い会社には融資しますが、

悪い会社には、びた一文しないと言う状況になっています。

 

その良い会社の大切な尺度の一つが、自己資本比率で、

言い換えれば、資本金が大きい会社=良い会社=融資したい会社 

になっているように思えます。

 

当然ながら、このような状況になると、経営者の資本政策への認識の深さと、

お金を自らの人脈から集める能力の高さが、

会社を発展させることができるかどうかの、重要なポイントになってきたと思います。
 

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