三井住友銀行さん。いい加減にしておかないと  3 | 思うように資金調達ができない方へ

三井住友銀行さん。いい加減にしておかないと  3

5月3日

 

                

 

それこそ住友銀行が大躍進した頃は、

まだ日本は戦後復興から成長していた過程の時期だったので、

国策の一翼を担い、

個人や中小企業から集めたお金を、安全な大企業に貸せば良いという、

非常にシンプルなビジネスモデルで良い時代ではなかったかと思います。

 

ですから、住友銀行に限らずどの銀行の行員も、

預金を獲得すること。良い大企業の顧客を探すこと。プラス、

大蔵省の情報をいち早く察知すること。

この3つを徹底してできれば、

銀行も大きく躍進する時代であったと思います。

 

と言うことは、この3つの業務を、銀行の思惑通りにやり遂げる行員=優秀な行員で、

そのご褒美として銀行内で出世もでき、銀行の顧客である大企業へ役員として転出でき、

あるいは銀行の子会社の社長にもなれた訳です。

 

ですから、行員はこの生涯銀行丸抱えの中で、

そのメリットを享受しようとすれば、

銀行が掲げる上記3つの業務のいずれかのエキスパートになり、

少なくとも自分が入行した年次の同僚の中で一番になるために、

自分が課せられた数字を達成し、更に圧倒的な実績を残そうと、

行員それぞれの立場で最善を尽くすことに執着したのだと思います。

 

言い換えれば、そのことが多少現在で言うコンプライアンス上の問題があったり、

銀行として社会性に問題があっても、そんなことはどうでも良いことで、

国も世論も銀行がやることは正しいことという風潮にも助けられ、

ほぼ無頓着でも問題の起きなかった時代であったと思われます。

 

要は国の指導で、顧客、国民が特定の銀行とタッグを組み、

いわばお仲間的なサークルを作って、

新規の中小企業の客が銀行にコネもなく飛び込んで融資を求めても、

慇懃無礼に門前払いしていれば良かった訳です。

 

ですからどの銀行も各地に支店と言う出城を設け、

この拠点を中心にお金を集めて地域の中堅企業に貸して、

残りは本部経由で大企業に貸すようなビジネスモデルが出来上がったわけです。

 

でも現在とこの時代とは既に時代背景が全く違っています。

大企業や中堅企業自体、直接金融など様々な方法で資金調達するようになり、

本来銀行が融資をしたい先のマーケットは縮小しました。

また一方では、この部分は銀行自体も資金調達が多様化していますので問題はないかもしれませんが、

超低金利のこの時代、定期預金など銀行にする顧客は以前のより少なくなったことも事実です。

 

それと何よりも、北海道拓殖銀行が倒産したように、

銀行も国策の一部として護送船団方式で守られていた時代は終わって、

今は一般企業の同じく、経営が上手く行かなくなれば倒産する時代になりました。

 

さらに過去の優良顧客のマーケットは狭まったので、新たな顧客を作っていく必要が出てきたので、

数年前から、この部分を実はどの銀行も言っていて、

リテイル部門すなわち個人顧客や中小零細企業をターゲットにするという戦略へのシフトなのです。

 

また住友銀行及び三井住友銀行の話に戻りますが、

こうなったらこうなったらで、リテイル部門で圧倒的な地位を占め儲かるように、

トップから現場まで一丸となって、リテイル部門で儲かるようにするわけです。

これはこれで顧客のメリットを第一に考えて行動してくれるのなら、

社会的にも問題がないのですが、

ところが三井住友銀行の主要なDNAである住友銀行のDNAが黙っていず、

各部署には、信じられないようなノルマの数字の絶対達成が求められ、

その手段をチェックされるよりも、結果のみを強くチェックされるので、

この数字を達成するためには無理な営業や、

それこそ多少のコンプライアンスに抵触することや、

風評の懸念があっても、

ノルマ達成のためなら無視をするということに繋がっていくのだと思います。

 

今度三井住友銀行の頭取が衆院財務金融委員会に参考人招致されるようですが、

金融派生商品の販売やプロミスとの問題について、何と応えるのか楽しみです。

ただこの頭取も住友銀行出身で、この強烈な銀行で勝ち抜いてきた人物なので、

とても期待できるような話をするとは思えません。

 

多分この頭取や他の役員も、さくら銀行出身の役員でさえ、

住友銀行のDNAの呪文に逆らっていては、彼ら自体もその存在が危うくなる危機感を多分持っていて、

彼等は彼等で、銀行とグループの最大目標である、

他行を圧倒する収益力確保とそのビジネスモデル構築にまい進しているのだと思います。

 

他行を圧倒する収益力確保とそのビジネスモデル構築はどの企業でも目標であると思いますが、

通常は社会性とか、倫理観とか、風評とか、社員の健康も考慮して、

長期永続性のある経営方針を持つのが通常ですが、 

住友銀行の数字達成目標を何が何でも達成するというDNAが生きているうちは、

多分頭取や会長でも、このDNAには逆らったようなことはできず、

なりふり構わぬ、スマートでない、敵を作ってしまうような営業活動をしてしまうのではないかと思います。

まさに全力疾走でマラソンをするような経営体質になっているという印象を受けます。

 

もうこの辺りで、時代に合った経営を真剣に考えないと、

三井住友銀行の都合ばかり良い事を、社会が容認するような時代ではなくなっているので、

本当に経営危機に繋がるような懸念を持ってしまいます。

 

非常に辛らつなことを言うのかもしれませんが、

昔のように銀行のことだから、多少何をしても仕方がないというような温室の中で、

1人の非常に体力と個性の強い餓鬼大将が偏ったことをしても、みんなが怖くて容認するような時代と、

大きく違っている現在の時代を甘く見たら、大変なことになるぞと私は言いたいと思います。

 

この銀行は非常に素晴らしい、企画力やスピードや、

優秀な行員を持っていることは事実なので、

少しスピードを緩めて、社会性や社会貢献や顧客主義でもう一度ビジネスモデルを再構築すれば、

本当の意味での最強の銀行グループになる可能性は高いと今でも思っていますので、

まあこんなところで私が気張ってみても仕方ないかもしれませんが、

誰か住友銀行のDNAの良いところを生かす、

評価は様々でしょうが、小泉首相的な、旧勢力をぶっ潰すような経営者の出現を期待したいと思います。

 


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