当座預金について | 思うように資金調達ができない方へ

当座預金について

3月15日

今日は当座預金について考えてみたいと思います。

確かに、小切手や手形を発行できる企業とそうでない企業を比較して、小切手や手形を発行できる(当座預金を持つ)企業の方が信頼性が高いのではないかということも一理はあると思います。
しかしながら私も同じですが、銀行の話を聞いていると、同じ水準の企業で比較した場合、どうも当座預金を持つ企業の方をリスクが高い企業と見る見方が一般的なようです。

そのリスクとは、もちろん、倒産リスクです。

倒産とは何かと申しますと、一般的には債務者の決定的な経済的破綻のことを指すことだと思いますが、いろいろな種類があります。
あるリサーチ会社のホームページで調べると次のようになっていました。

・銀行取引停止処分 
・商法による会社整理
・民事再生法
・会社更生法
・破産
・特別清算 など

それぞれの概念などをお話しするのが本意ではありませんので、ご興味のある方にはお調べいただくとして、一番起こる可能性が高いのが銀行取引停止処分による倒産であり、会社が黒字であっても、売掛金などの回収が遅れたり、盗難事故に巻き込まれても、倒産につながるのが銀行取引停止処分です。

小切手や手形の不渡りを6ヶ月以内に2回引き起こすと銀行取引停止になり、あらゆる金融機関と2年間当座取引や融資を受けることができなくなります。

当座取引や融資の必要もなく、不特定の仕入先から現金仕入れで、不特定のお客様に販売しているような会社にとっては、別にどうってことはないということかもしれませんが、資金調達をするという点に絞ると、非常に会社にとって憂慮されることです。

私も多くの会社のお手伝いをしてきましたが、残念ながら倒産をされた会社もあります。しかし、そのほとんどが当座預金のトラブルが原因です。

もちろん、法的整理などを決心するきっかけになったと言う側面もあるのでしょうが、もしこれらの会社が当座預金を持っていなかったら、倒産を回避できた可能性もゼロとは言えないと思います。

確かに会社のビジネスモデルの特徴や業界の商習慣などによって、絶対に当座預金を持たねばならないケースはあると思います。このような場合は別として、ビジネス上不要なのに当座預金を持つことだけはお止めになった方が良いと確信しています。

経済的な問題だけではなく、小切手や手形が役員間のトラブルから乱発されたケースや小切手や手形の盗難紛失など、当座預金にまつわる会社のトラブルは本当に数多く発生しています。

このようなリスクを避ける方法は、当座預金を持たなければ防げるリスクなので、当座預金を持ってはいるが使用していないケースや、将来にわたって使用する可能性がないと思われる場合は、当座預金の口座を即時解約されることをお薦めいたします。

財務内容が良いのに融資が見送られたケースで、手形乱発の風評や手形を騙し取れらた情報が金融機関にも流れていた事が原因と思われることがけっこうありますので、ぜひお気をつけ頂くようお願いしたいと思います。

最近は当座預金をお持ちでない中堅企業も数多く見られます。

時々銀行の午後2時から3時近くになると、携帯電話で「まだ入金がないが、どうしたんだ」「送金すると言ったのにしてないじゃないか」と血相を変えて怒鳴っている人を見た方もいらっしゃると思いますが、この方々も好き好んでこのようなことをされているのではなく、もし当座取引をしていなかったら、このような方の大半の方が、金曜の夜を迎えるとリラックスして、月曜になると緊張、特に午後3時前になると心配なんていう苦しい精神状況から脱出していただけると思うのですが・・・・。

私にもこのような経験があるだけに、とても人ごととは思えません。