シリア難民が世界的な問題となっていますが、日本は難民の受け入れは否定的な意見が多数を占めている状況ですね。
ということで、日本で難民というのは、縁遠い存在ではありますが、JR京浜東北線で都心から約30分、埼玉県蕨(わらび)市をご存知でしょうか。
東京のベッドタウンであるこの地域は「ワラビスタン」とも呼ばれているのです。
その理由は、蕨市には在日クルド人のおよそ半数の約1000人が暮らしているからです。
「クルド人の土地」を意味する「クルディスタン」と「蕨」をもじって「ワラビスタン」。
彼らの多くが日本で「難民」の認定を求めているが、ほとんどが認められないという状況のようです。
クルド人というのは、もともとトルコ、イラン、イラク、シリアなどの中東の山岳地帯に居住していたが、第一次世界大戦の戦勝国により、居住地域が国境で分断され、その結果、散り散りになったクルド人たちは、「国を持たない世界最大の民族」と呼ばれるようになったのです。
そして、各国の政治状況により、人種差別にあったり、経済的に不安定な立場に置かれたりしているため、他国に逃れている。
そういった人々の一部が、日本のこの蕨市に住んでいるということですね。
あるクルド人は、14年前から日本で難民申請をしているが認められず、健康保険などの社会保証もなく、就労も禁じられている状況で、法的には働くことができないが、、家賃や日々の生活費を稼がなければならないため、クルド人コミュニティのLINEグループで紹介される建設・土木関係の仕事をこなして、生活をしているということです。
私は、半年前までこの蕨市に住んでいましたので、こういったクルド人をよく見かけました。
駅前の喫煙スペースや、コンビニの前、パチンコ屋の前で4~5人で話をしている感じです。
私が子供とよく行っていた公園にもいることがあり、クルド人達の前でよく、私も自分の子供とサッカーをしたりしていましたね。
蕨には3~4年住んでいましたが、私が知る限り、彼らは特に危険な存在ではなかったと思います。
日本は年間10人程度しか、難民を受け入れない国ということで、それである程度安全が担保されている事実はあると思います。
が、彼らのようなクルド人にも子供がいて、そういった姿も見ました。
その子供たちの今後の教育や福祉、さらに将来を考えると、難民として受け入れればいいのではないかとも思います。
反面、フランスで先般テロが発生しましたが、そういった状況を考えると、安易に難民を受け入れると、将来同様のリスクが発生する可能性もやはり否定できません。
最後に、一人のクルド人のコメントです。
「僕は運転もできる、日本語もできる。もしちゃんと雇ってもらえたらみんなの役に立つことができる。なのに何で働くことさえ許されないのだろう」
本当に難しい問題ですね。