Coghead公開。アプリケーションをビジュアル開発
2006年10月12日
http://jp.techcrunch.com/archives/coghead-goes-live-build-applications-visually/


Nik Cubrilovic
オンライン・アプリケーション構築の世界は、週を追うごとに面白くなってくる。この分野(「オンラインアクセス」分野と呼ぶこともあるのは、Microsoft Accessを指しているから) のアプリケーションはこれまでに何度も取り上げてきた。 例えば、Dabble DB、Zoho Creator、WyaWorksなど。こういうウェブアプリケーションが前提にしているのは、プログラマーでない人たちにもレコード主動型のウェブアプリケーションが作れるようにすることだ。

今日(米国時間10/11)、Cogheadがビジュアル・アプリケーシヨン構築サービスの公開スタートをアナウンスして、また1つこの分野に新参者がやってきた。Cogheadは他のアプリケーションの多くがやっているように、簡単にアプリケーションを作り、使い、共有することができる。この製品の主たる目的は、タスクの追跡から発注伝票までどんなビジネスアプリケーションでも作ることだ。CogHeadには簡単なCRMや、問題追跡、求人の管理などの「スターターアプリケーション」が山ほど付いてくる。このスターターテンプレートは、ユーザーが書き換えて、個別の要件に合うように改良することができる。


Cogheadの最も特徴的な点は、あらゆる手順がドラッグ&ドロップで操作でき、かつビジュアル化されているので、アプリケーションを作る人にはスキルを要求しないことだ。“フォーム”や“ビュー”や“アプリケーション”を簡単に作れるのもCogheadの特徴で、デザインビューでは“フィールド”は“フォーム”にドラッグ&ドロップするだけで作れる。“フィールド”をレイアウトしてページに貼って、“アプリケーション”をユーザーフレンドリーで目に優しいものにできる。“フォーム”の裏で動くロジックを作るのもビジュアル化されており、オブジェクトとアクションを、データフローか論理図のようなフローチャートにドラッグすればよい(画面イメージ)。Cogheadにはユーザーのアクションやイベントが大量に用意されているので、広い範囲のカスタムアプリケーションを構築することが可能だ。例えば「データがインポートされた時」というイベントがあるので、ユーザーが直接アクションをしなくてもデータを処理できる。

Cogheadのユニークなユーザーインターフェースは、まさにビジュアルで、ハイテク好きだけどコードは書けないというような人たちでも、簡単にビジネスロジックを入れて、アプリケーションを作ったり、手を入れたりできる。Cogheadの製品がまさに狙っているのはパッケージソフトのソリューションとカスタムアプリケーションの中間だという。非常に大きいけれども、まだ十分には手がつけられていない市場だ。

この種のアプリケーション全てにわたって紛わしいのが、使われている用語だ。例えば、ソフト開発ではテーブルとかビューと呼んでいるものをCogHeadは「コレクション」(フィールドのコレクション、という意味)と呼ぶし、他のアプリケーションもどれもが独自の用語を使っていて、中には特にひどいものもある。このスペースは競争が激しいのだから、ユーザーに競合製品から乗り替えてきてほしいと思うのなら、用語の標準化を考えた方がいいだろう(オンラインCRMのスペースでは、そうなっていることがSalesforceとZohoCRMを並べて見るとわかる)。


Visual BasicとMicrosoft Accessはどちらもかなり人気の開発環境で、今やどの会社の中を見回しても、このどちらかのMicrosoft製品で作ったカスタムアプリケーションが見つかるはずだ。今のところまだこの相当品はウェブ用にはないが、トレンドがウェブベースに向かう中、デスクトップアプリケーションのVisual BasicとAccessでできたことをウェブアプリケーションでもやってほしいという要求は高まるだろう。ただ、そのレベルまで達するためにはウェブベースの今ある製品は、相当の改善が必要だ。例えば、ルックアンドフィールを変えるようなカスタマイズはできないし、出来あがったアプリケーションは、オーダーメイドと比べると簡単には使えないし、学習するのも、ナビゲートするのも楽ではない。この分野は急速な展開を見せているので、こういうアプリケーションもたちまち発展していくに違いない。Cogheadはすばらしい製品だ。この市場を大きく前進させ、とても面白くて目が離せない分野にしてくれた。いつかはビジネスでは誰もが使うような製品になるだろう。

Cogheadのレビュー(ただしベータ版の頃のもの)は、Om MalikとErick Schonfeldも書いているので見てほしい。