チズル | ”Bench work study" Hand sewn welted製法の靴作り教室

チズル

いつの間にやら、このブログ初めて一年経ってました。読み返すと、恥ずかしさで全部消去したくなるので書きっ放しですが、この一年アホなことと愚痴ばかり言ってたような。。。お付き合いくださって、皆様どうもありがとうございます。訪問者数を見ると毎日生徒さんの数の2.5倍位の人達が読んでくださっています。ありがたいことです。もう少し、ましな事が書けるといいのですが。。。。スミマセン。。。。


 さて、この夏はやはり、去年の今頃よりも仕事が忙しくなりそうでかなりパニックになっていましたが、本日は開き直って『ここが自分の正念場、やってやろうじゃないの!!』と鼻息荒く仕事に挑みました。引越の為、雑用に追われて靴作りになかなか集中できなかったのですが、昨日辺りからやっと仕事に集中できて今夜も帰りの自転車こぎながら、清清しい仕事の疲労感に喜びを感じました。やっぱり、好きな仕事の疲れはいいもんだ。


 がんばって出した良い結果より、思いっきりやるって事自体が心地よいです。仕事の山を目の前に深いため息を吐きながらも、靴を作っている時間は幸せです。


 本日はチズル・トウのスリッポンを作り出したのですが、PUMPというウェルトなしの底付け方法。この製法を作るのは久々ですし、革がスウェードで汚れ(主にホワイトペーストや糸のワックス)に気をつけなければならないので、神経を使います。チズル・トウはトウ・パフが決め手になるので時間をかけて、木やすりで削っては、ハンマーで叩いて。。。を繰り返しながら、チズルにしていくのですが、この『チズル』は別名『クレバリー・トウ』です。そうです、イギリスのビスポーク・ショップ『ジョージ・クレバリー』のお得意のトウ・シェープ。現在では多くの既製靴屋さんでも出している形ですし珍しくなくなりましたが、クレバリーのトウをはじめて見たときは驚きました。かっこよすぎて!!『こんな事もできるんだ~』って、自分の中で靴に対する可能性がグーンと広がったのを覚えています。自分でも、新たなトウ・シェープを編み出したいのですが、なんだか奇抜で変なものならいくらでも思いつきますが、『グっ』っとくる美しいシェープってなかなか。。。。今後の課題です。