ヒールの積み上げ | ”Bench work study" Hand sewn welted製法の靴作り教室

ヒールの積み上げ

 罪悪感を感じながらも、あまりにフンを撒き散らすので『鳩のぽっぽ』を世間の荒波に出し(可愛い子には旅をさせろ。。。言い訳かな?)、生徒さん達に嫌味を言われながらも、今週も終わり。ほっ。


 今週はヒールの積み上げに悪戦苦闘している方々が多かったですね。イギリス・ビスポークのやり方は、一枚一枚厚さや形を整えながら積み上げていくので、ヒールを作るのは大変です。木型の踵周りや、踵底部の形を1人1人のお客様の形に合わせて木型を作るので、最初から2枚も3枚も積み上げをくっつけて、ソールに張るやり方は通用しません。


 日本の注文靴屋さんのほとんどの所では、ヒールをいじらないそうですが、私の作る木型には、『店のスタンダード木型』というものがなく、『お客様の足』からすべて作り上げていくので、ヒールも踏まずも、トウ・シェープもすべて違う。したがって、踵部の内側と外側の形状がその都度違ってくるので、積み上げも足によって高さ加減が違ってくる。手作業だから出来る工程。


 今回高めのヒールを作って、ピッチド・ヒールっぽくしている生徒さんが、左右のヒールの角度をつけるのに奮闘していましたが、目が立体のラインに慣れていないと、『あ!右を削りすぎた!!』『今度は左を削り過ぎた!!』『あ!!』なんてやっているうちに、ヒールはどんどん小さくなっていく。。。。。でも、落ち込まないで下さいね。そうやって奮闘していると、知らず知らずのうちに、立体のラインが見えてくる目が養われていきますから。ヒールが終われば、後は楽しい楽しいフィニッシング~~~~。


 今日のお教室で、『しっかし、この靴の作り方は誰が発明したんですか?凄いですよね。草鞋をつくるのだったら、誰に教えてもらわなくても、なんか形に出来そうだけれど、この靴作りは無理無理。発明したの誰???』っと、興奮していた人がいましたが、私もそう思います。凄いですよね。構造が尋常ではない!!突然変異の脳みそとか持ってた人ではないか?(笑)ハンド・ソーンの靴の中身を知らない人は、驚きますよね。『こんなことしてるの?うそでしょ!!ここまでやるか?』って。まだ、中身を知らない方は、どうぞ、お教室で一緒に靴を作って中身を見ましょ~。現在、金曜日の15時~18時のクラスと17時~22時のクラスに『空き』が出ましたので、どうぞどうぞ。(笑&宣伝)