ハーグ条約 | 「らぽーる」日誌

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離婚と親子の相談室「らぽーる」の日々を綴ります。

誰だって、これまでの人生を振り返る時、「あの時あんなこと言わなきゃ(しなきゃ)よかった」「あの日あの時に戻れるなら違う道を選ぶのに…」と思うことの一つや二つはあると思います。

その多くはその人の現在によからぬ影響を及ぼしているからそう思うのであって…、反省を伴うことが多いでしょう。

当然私にも「やり直したい」と思うことはいくつかありますが、そのうちの一つについてのお話です。

それは、2003年の夏、元夫のやり方を「おかしい」と感じながらも、「誘拐だ」と騒ぐことをせず、Family Courtへ相談にも行かず、弁護士が「訴えるべきだ」と言うのも聞かず、ただひたすら、再び家族で暮らせることを望み、元の鞘に収まるために彼の心に訴えかけましたが、それらは無駄なことでした。

あの時、たとえばFamily Courtに、元夫に子ども達を誘拐されたと相談していたなら、すぐに(本当にすぐに、そして頻繁に)“会うこと”は叶ったでしょう…そして、家族で暮らしていた街に戻って別居なり離婚の裁判が行われたでしょう…それも大変大きなことで、今とは全く違う親子関係を維持できていたかもしれませんし、あるいは、当時圧倒的に主たる監護者であった私が親権を持ち子ども達を連れて帰国が叶い、半分も出張で来日していた元夫が日本で面会交流すればいいなどという判決になっていたかもしれません…

ところが、当時、そのような判決を阻んでいたのが「日本がハーグ条約に加盟してないこと」でした。

アメリカは、というか、ほとんどの先進国では、子どものいる夫婦の離婚に際し基本的に共同親権となりますが、そんなアメリカの離婚裁判においても、「ハーグ条約に加盟していない国籍の親には親権を与えることができない」と裁判官に言われるケースも多いのです。

ハーグ条約については、下に貼り付けた記事を読んでいただくと分かりやすいかと思います。

今まで私も実名で新聞や女性雑誌の取材を受けたりしてきましたし、このブログ内でも何度か書いてきましたが、「日本のハーグ条約加盟」は、国際結婚が破綻したケースに限らず、国内の日本人同士の夫婦が別居や離婚する際にも大きな影響を及ぼします。「そこは別の話でしょ」などと逃げてはいられません。

なぜ、どのように影響を及ぼすのかは、また別の機会にお話して参りましょう。

まずは、安倍首相がオバマ米大統領との首脳会談で、日本のハーグ条約加盟を表明したことを記しておきます。


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http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2200Y_S3A220C1000000/