「Cosmogramma」(過去レビュー)の続編ともいえるこのEP、何にもましてジャケットがやばい。モリゾーか!と突っ込んでみる。
Pattern+Grid World : Flying Lotus
仙人のような隠遁生活を送っているRichard. D. JamesはFlying Lotusについて何とコメントするだろうか?相変わらずの毒舌ぶりを発揮するかもしれないし、そんな奴は知らないとうそぶくかも知れない。ただ明らかなのは、このEPから聴こえてくる音は、Richard. D. Jamesが作った流れを受け継いでいる男が作ったものだ。
ここにはアフロフューチャリスティック作品「Cosmogramma」のような、黒光りのするグルーヴはない。それどころか全く趣を異にする作品に仕上がっている。エキセントリックで伸縮自由に空間を駆け巡るエレクトリックビートとチープな音はRichard. D. Jamesのそれを髣髴とさせる。その反面、Richardが作る音世界がニヒルに凍てついているのに対して、この作品はオーガニックにカラフルに突き進んでいく。両者に共通して言えるのは、既存フォーマットを逸脱した音だということだ。