22 Dreams : Paul Weller | Yokohama Beat Junkie

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22 Dreams : Paul Weller

ちょっとネタは古いが、片山さつき議員が当選した時、ドン小西がその髪形やファッションについて苦言を呈していた。「若い時もてはやされたからって、その時のファッション感覚をそのまま引きずるもんじゃない」。確かに、若い時に流行ったようなセンスをまとっている人をたまに見かける。その人の美意識は10~20代の時に止まってしまったんだろう。このアルバムを聴きながらそんな想念が浮かんだ。

その時代、年齢によってスタイルを変えながらも、芯は全く変わらない男、Paul Weller。このアルバムでも50代になった男の円熟味を備えたロックを聴かせてくれるが、全く枯れていない。それどころか常に前進していることを感じる。壮年になればなるほど、保守的な音しか出せなくなるアーティストは山ほどいる。PWだって年齢とともに渋みを増したロックを鳴らしているけど、常に新しい地平へ乗り出している。このアルバムに収録されている作品群は、今までのソロ作品にないようなヴァリエーションに富んでいる。フォーク、ソウル、ボサノヴァ、ファンク、クラウトロック風エレクトロニカといった様々な要素を消化しつつ、PW独自の世界へ昇華させている。ソロ作品の中で最高傑作と言い切っていい。

常に最新形でいること。芯は変わらないこと。それがモッズなんだ、とPWは教えてくれている。