Purple Rain : Prince & the Revolution | Yokohama Beat Junkie

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自由と孤独、音楽を愛する旅人

これからしばらく、このブログで殿下への限りない愛を捧げていこうと思います。

ボクが始めて殿下を目の当たりにしたのは高校生の時。日本テレビ系列で放映されていた深夜番組「11:00PM」を観ていた時だった。音楽評論家が「今アメリカで大人気のミュージシャンです」とか言って、パープル・レインの映像を流したのだった。

「何?このナルシストのオカマ野郎は?気持ちわりいぃぃ!ギャー!」

悪趣味な紫色のフリフリドレスを着て、爬虫類系の顔して裸体くねらせて、生理的嫌悪感でお腹いっぱいになってしまった。次の日学校に行ったら、話題の中心は殿下でもちきりだった。

「昨日観た?気持ちわりいなあ!あいつ!」
「でもアメリカですごい人気らしいよ」
「あんなホモみたいなやつが人気あんのかよ!」
「ボクはホモじゃないって言ってるよ。曲もけっこういいから聴いてみな」

確かに深夜の音楽番組やFMでヘヴィー・ローテーションされていた「ビートに抱かれて」はボクのお気に入りだった。何だかよく分からないけどあまり聴いたことのない刺激的なサウンド。音楽的語彙をそれほど持たなかった当時のボクは、この曲がベースレスであることに気付かなかった。ドラム中心のスカスカのサウンド―これが音の隙間、つまりファンキーさを狙った手法であることに気付いたのは後のこと。

まあ、見かけには目をつぶり意を決してパープル・レインを買ってみるか・・・。結果的に買って正解だった、というよりも、その後のボクの音楽生活を一変させるレコードだった。全編を通してキャッチーなんだけど、Tr.5のDarling Nikkiのように狂っていて先鋭的。Tr.8 Baby I'm A StarやTr.9 Purple Rainのように王道でありながら、Tr.6 When Doves CryやTr.7 I Would Die 4 Uのように革新的。優れた大衆音楽は大衆性と前衛性の両方を兼ね備えている、というボクの持論を形成したのはこの作品(それとビートルズ)からだった。

Yokohama Beat Junkie-Purple Rain

Purple Rain : Prince & the Revolution

殿下の流し目が拝めるジャケットも当時は気持ち悪くてたまらなかったが、今では身体が痺れてしまうほど最高に感じてしまう。見かけを見るとひいてしまうが、一度食すと病み付きになってしまう納豆のような存在だった。だけど本当にずっぽりと殿下にはまってしまうのは次作からだった。