思えばここ数年、生でテクノを体感していない。最後にクラブに行ったのはもう2~3年前、ageHaに田中フミヤを聴きに行ったっきり。最近は夜遅く出かけて明け方まで遊ぶのも大儀だし、こうやってお日様の下でテクノを楽しめる機会があるのはありがたいです。
さて今日は、各方面で紹介されまくっているので、今更reviewする意味もないんだけど、それを言ったらこのブログの存在意義もなくなるので紹介します。
DE9: Transitions : Richie Hawtin
テクノ科学者リッチーホウティンの、テクノ史にその名を残すであろうエポックメイキング的な作品。1999年に発表された「Decks Efx & 909 」の延長上にあるDE9シリーズ最新作です。今回特筆すべき事柄は5.1ch サラウンド対応であること。通常のCDフォーマットに加えてDVDが同梱されており、そちらには96分フルレングスミックスが収録されている。前作「DE9: Closer to the Edit 」同様、複数のトラックが解体されて新たなオリジナルトラックに生まれ変わっており、画面にトラックのクレジットが浮かんでは消えていくようになっている。新しいテクノロジーにより複数のトラックを長時間にわたり同期させられるようになったため、ピッチコントロールの手間が省け、その分だけ複雑なトラックの組合せに専念できるようになったという。これには賛否両論あると思うけど。
その他にも彼のインタビューやライブ画像が収録されており、メインはDVDでありCDはおまけみたいなもの。この作品は5.1ch サラウンド環境で真価を発揮すると言われているが、残念ながらわたくしホームシアター持ってないんです(涙)。
これを聴いて思ったのが、テクノロジーの進化に伴ってリスナーに新しい聴き方を提示する天才もいるんだなーってこと。かのビートルズは当時の最新録音技術を駆使して、世界初のコンセプトアルバム「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band 」を作り上げ、リスナーに「ロックをじっくり聴く」というスタイルを提案した。プリンスは、ブロードバンドやiTMSが本格普及する前からネット配信によってリスナーに楽曲を提供していた。テクノロジーがコンテンツを進化させ、そのコンテンツがテクノロジーを普及させるってことですね。