PITTI UOMO 91 続報 | ELEMENTS OF STYLE

PITTI UOMO 91 続報

 
先週金曜日にイタリア出張からもどり、今週月曜日から出社しましたが、連日ミーティングやや取材や展示会と、全く時間の余裕も無いまま週末を向かえました。
 
 
今日も展示会から戻り、某紙のタイアップの打ち合わせ、スタイリストさんとコーディネートを決め込んでいましたが、私があまりうるさく言うので、結局16:00スタートで終わったのが20:30・・・
 
 
スタイリストのMさん、長い時間お付き合いいただきありがとうございました。


来週の撮影よろしくお願いします。
 
 
 
 
 
 
 
と言うことで、やっと金曜日のこんな時間になってブログを更新すべく頑張っております。(笑)
 
 
今回はPITTI UOMO 91の続報です。
 
 
 


 
 
 
LUIGI BORELLI
 
 
 
 
 
 
ルイジ ボレッリも他のブランドと同様にコートを積極的に提案していました。
 
 
グレンプレイド、ヘリンボーン、ハウンドトゥースの柄を打ち出しているのも他のブランドと同じ。


本当に今回のPITTIやミラノのショールームでは、これらの英国調の柄が多く見られました
 
 
色は、グレー、ブラウン、ベージューというルイジボレッリらしい上品なトーンを中心に、ボルドーを挿し色に使った打ち出しでした。
 
 
ここ数年、ボルドーは毎シーズン多くのサプライヤーから提案されているカラーですが、日本ではなかなか浸透しないのが実情です。
 
 
来秋冬もベージュからブラウンのトーンが多いので、そのようなブラウン系のコーディネートには特にボルドーが効果的な挿し色になると思います。






 
 
G.T.A
 
 
 
 
 
 
G.T.Aも他のブランドと同様にプリーツパンツのバリエーションを更に多く提案していました


ワンプリーツ、ツープリーツ、インプリーツ、サイドアジャスターと、無いものは無いというくらいのバリエーションで展開していました。


ジャージ素材のドローコード入りのカジュアルなパンツもプリーツのモデルが出るなど、プリーツモデルをメインに提案しているのは明らかでした。
 
 
2016年秋冬にあったような浅めの飾り的なプリーツではなく、普通の深いプリーツが入ったモデルが主流になっているのも他のブランドと同じです。
 
 
一番上の画像のようなサスペンダーを付けたモデルもありましたが、これに関しては、既に今年の春夏で他のブランドでもこのようなモデルが出ているので、ジーティーアーで展開していても何も違和感がありません。
 
 
これだけイタリアでサスペンダーが浸透するとは、少し前のカジュアル傾向の時には考えられなかったことで、ましてやサスペンダーが付いたモデルが出るなどとは全く予測できなかったことです。


それだけドレスクロージングのカジュアル化の波が収まってからの反動が大きいということなのだと思います。

 
 
 
 
 
 
 
GIANNETTO PORTOFINO
 
 
 
 
 
カラフルなチェックやプリントが多かったジャンネット ポルトフィーノも、随分落ち着いた色柄が増えていました。
 
 
今回は襟型をカッタウェイから普通のワイドに切り替えてボタンダウンのバリエーションを増やしていました。


この辺はさすがに今の流れを良くわかっています。


襟はワイドやボタンダウンで前立て付きというのが、イタリアのカジュアルシャツのブランドでも今後さらにスタンダードになっていくと思います。


襟腰が高くて大きく開くカッタウェイは、さすがに流れに疎いイタリア人でさえも古臭いと感じるようになっているのが実情です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
CIRCOLO
 
 

数年前に製品染めのジャージジャケットで一躍ブレークしたチルコロも、さすがに新しい提案がないと厳しくなってくるだろうなと思っていましたが、今回も期待を裏切らない新しい提案がありました。
 
 
上の画像のジャケットを見ると、一見生地がウールの織物に見えるのですが、実は全て柄がプリントで表現されています。
 
 
遠目では全くプリントだと分からないほど精巧なプリントです。


トレンドのヘリンボーンやグレンプレドやホームスパンなどの英国柄をジャージにプリントするというのは、アウターブランドでは多く見られる手法ですが、カジュアルジャケットでこれをやるのはなかなか良いアイデアだと思います。
 
 
チルコロは日本の展示会でオーダーするので、プリントによるデメリットが無いのかも含めて再チェックしたいと思います。



 
 
 
 
 
 
ALBERTO THURSTON
 
 
世界的なサスペンダーブームで今回も大変なことになっていました。

 
狭いブースは終日立ち見は当たり前どころか、ブースの横の通路にある休憩用の小さな椅子でスワッチをチェックする人も出るほどの大盛況です。
 
 
彼らには失礼ですが、ブースに入れない客用にスワッチをしっかり用意するようになったのもすごい進歩です。
 
 
数年前までは、いつも閑古鳥が泣いているような感じでしたが、これほどまでサスペンダーが注目されるのは80年代の英国ブーム以来で、その当時よりも更に盛り上がっている感じです。
 
 
サプライヤーの提案ではなく、PITTIに来るような業界人達の一部が注目して自然発生的に大きな流れになるという、SNSによって瞬時に情報が広まる今の世の中の状況がファッション業界でも起こっているという象徴的な出来事だと思います。


アルバート サーストンのスタッフ達は ”俺達は何もしていないのに、どうして急にこんなに人気が出たのだろう?” と思っているに違いありません。
 
 
そして、80年代のブームを経験した世代だけではなく、20代や30代の若い世代に特に注目されているというのも、これだけサスペンダーの人気が広まっている要因のひとつだと思います。

 
確かに、今や現地でも痛い存在となってしまった ”艶々のクラシコオヤジ達” は未だにスーツやジャケットにはサスペンダーより派手なベルトにピカピカのウオレットチェーンが定番ですから、それを反面教師とする若い世代がクラシックなサスペンダーに注目するのも今の流れを考えれば理解できます。
 
 
 
 
 

 
ドレスクロージングのカジュアル化の波が収まり、クラシックなスタイルが戻ってきてから、80年代後半の英国ブームから2000年代前半くらいまでのイタリアンクラシックのブームの頃のスタイルやアイテムが現代的にアップデートされ、リバイバルしているような流れを昨今強く感じます。
 
 
現地でその流れを引っ張っているのは、その当時をリアルに経験している世代ではなく、20代後半から40代前半くらいの世代の人たちが多い印象です。


それは、当時をリアルに経験していないが故にクラシックなスタイルが新鮮に感じ、そして変な先入観も無いことが、それらのスタイルやアイテムをいち早く積極的に取り入れることができている理由だと思います。
 
 
逆に、その時代をリアルに経験している世代は、わかっているようなつもりでもわかっていない人が多いのも事実。


私もそうならないように注意しなければならないと常々思っています。
 
 
経験だけで勝負できる時代でもないですから・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
お知らせです。

2016年秋冬に続き、2017年秋冬のトレンド解説動画がアップされました。
 
 
 
全4編で、今回はドレススタイルのトレンドについてです。

是非ご覧ください。