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2016-09-24 18:56:34

PITTI SNAP by BEAMS 2016AW アウター コート編

テーマ:スナップ

 

今回はPITTI SNAP by BEAMS 2016AW 第3弾。

アウターとコートのスナップです。

今シーズンは少し緩くなったシルエットや着丈の変化、そしてラグランスリーブのバリエーションなど、コートに関しても新しい流れや変化が見られます。

スナップを紹介しながら今シーズンの流れと着こなしのポイントを解説しました。

かなり長いですが、じっくり読んでいただければ嬉しいです。

 

 

 

 

 

チェックのベルテッドのコートは、ラグランスリーブのバルカラーにも見えますが、よく見るとフロントがダブルブレストになっています。

 

彼はローマのサルトリアなので、おそらくサルトリア仕立てのコートだと思われます。

 

 

ラグランスリーブのコートのバリエーションが増えているのも今シーズンの流れですが、ベルテッドのコートも増えてきているので、個人的にかなり刺さるコートです。

今シーズンは膝からプラスマイナス10㎝くらいの丈が主流になっているので、着丈も丁度いいバランスです。

 

ボタンを閉めずに緩くベルトを巻いていますが、シングルもダブルもベルテッドのコートはこんなこなしが増えています。

ベルテッドは来年の春夏のコートのトレンドでもあるので、本人が意識しているかどうかはわかりませんが、先取りとも言えるコートです。

 

 

 

 

 

 

 

 

このコートもラグランスリーブですが、肩も大きく全体のシルエットもボリューム感のあるコートです。

 

 

ビンテージのコートですが、ラグランスリーブのダブルブレストでゆったりしたリラックスフィットと膝丈という、今シーズンの流れを感じさせるコートです。

モード系のコートでは、セットインスリーブのドロップショルダーも多く見られますが、クラシック系の人達はさすがにそのようなコートを着た人は少ないのが実状です。

彼はモード的な要素も取り入れるのがうまいので、少し大きめ肩のラグランスリーブを着ることによって、そのような雰囲気を出しているのだと思います。

しばらくスリムなシルエットのコートが主流だったので、かなりゆったりとしたシルエットに感じますが、傾向的にはリラックスしたフィットが注目されているのは間違いありません。

 

 

 

 

 

 

 

ラグランスリーブのツイードのバルカラーコートは、数年前に流行ったIラインの細身のシルエットですが、着こなしで今の雰囲気を出しています。

 

 

ポイントはボタンの留め方。

 

上ふたつだけボタンをを留めて、裾がわざと広がるようにすることでAラインに見えるようにしています。

 

つまり、IラインのコートをAラインに見せるテクニックです。

シルエットが緩めになってきているので、手持ちのスリムなシルエットのコートも、こんなこなしで着ると今の雰囲気で着ることができます。

現地でも結構見られるテクニックですね。

 

因みに、私もスリムなシルエットのコートは同じようなこなしで着ています。

 

 

 

 


 

 

 

ベージュのコットンのバルカラーは裾から見える裏地の柄からバーバリーであることがわかります。

 

 

バーバリーも最近はスリムなフィットのバルカラーを出しているようですが、肩のラインやシルエットから察すると、ヴィンテージのバーバリーかもしれません。

 

20年くらい前は、PITTIでもコットンのバルカラーやトレンチを着た人が多かったですが、最近はほとんど見ることがなかったので新鮮です。

バーバリーは昔からイタリアで絶大な人気があります。

私がイタリアにバイイングに行くようになった20数年前は、高級なセレクトショップのレインコートは、ほぼバーバリーが独占していたと言ってよいほど人気がありました。

因みに、当時のイタリアで売られていたバーバリーは、コートが英国製、ジャケットやスーツはベルベスト製、パンツはインコテックス製でした。

特にミラノやフィレンツェでは、ベルベストのネームのスーツやジャケットを見ることがほとんどなかったのですが、バーバリーネームのベルベストは、ほとんどの高級店で展開していました。

イタリア人がイタリアの製品しか着ないと思っている方も多いようですが、イタリアは昔から英国への憧憬が深いので、英国ブランドはとても人気があります。

その中でもバーバリーは3本指に入るブランドです。

 

少し野暮ったさも感じるバルカラーコートですが、”野暮ったさが新しい” という流れもあるので、本人はそれも計算してのバーバリーなのだと思います。

 








これも近年あまり見かけなかったローデンコート。

 

オーストリアの伝統的な素材であるローデンクロスを使ったコートです。

 

 

個人的にはイタリアというよりは、90年代のパリで見かけることが多かったコートです。

元々オーストリアの貴族が着ていたハンティング用の防寒コートがルーツで、襟はバルカラーですが背中に大きく広がるインバーテッドプリーツが入っているので、裾に欠けて大きく広がるAラインのシルエットが特徴です。

 

私のイメージは、パリでお金持ちの年配の人たちが着ているイメージなので、PITTIの会場で彼ぐらいの年齢の人が着ていると少し違和感があるのですが、今シーズンのトレンドで ”ヘリテージ” と言うキーワードがあるので、このようなコートを敢えて着るのも理解できます。

ローデングリーンと言われる深いグリーンも今シーズンのトレンドカラーですし、裾にかけて広がるAラインのシルエットも今の流れとあっているのですが、フローティングショルダーと言われる独特の肩はトレンドとは無縁のスタンダードなディティールなので、本人がトレンドを意識しているかどうかはわかりませんが、なにか狙うところがあって敢えてこのコートを着ているのだと思います。


因みにこのコート、私がBEAMSに入社した80年代中頃にBEAMS Fでも展開していました。

 

当時展開していたブランドは確か ”STEINBOCK(シュタインボック)” だったと思いますが、現在は ”SCHNEIDER(シュナイダー)” と言うブランドを多く見掛けます。

いずれにしても、当時からヨーロッパでは人気があってメジャーなコートですが、日本では私よりも上の世代でヨーロッパのファッションに精通している人が好んで着ていたコートというイメージです。

 


 

 



 

 

 

テーラード襟でラグランスリーブで袖がターンナップカフという、既成のコートでは見ることのないディティールは、サルトリア仕立てだと思われます。

 

 

生地が大柄のヘリンボーンと言うのもポイントです。

今シーズンは ”ヘリテージ ファブリック” という流れもあるので、このようなクラシックなツイードのコートも新鮮に感じます。

 

スーツのパンツが2プリーツで少しゆったりとしたシルエットなので、コートもこのくらいのボリューム感があった方がバランスがいいです。

長さも膝上5㎝くらいなので今の雰囲気と言えます。
 

因みに、同じショップのスタッフですが、同じディティールのコートを着ています。

 

 

コートの着丈が長くなっているのは確実な流れなのですが、アジア人にはこのくらいの長さが限界かなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな感じのロング丈のコートを着た人も増えていました。

 

 

単に着丈が長いだけでなく、ボタンの位置も低いので、全体的なバランスが低い位置に設定されたコートです。

この人は身長が190㎝近くあるので膝下丈も似合いますが、膝下が短い我々日本人にはかなり難易度の高いレングスです。

ただ、現地ではこの位の丈のコートを着た人が増えているのも事実です。

そして、このコートのように全体のポジションが低いコートも少しづつ増えてきているというのも小さな変化です。

 

BEAMSで今シーズンから展開しているイタリアの ”PALTO(パルト)” のコートが、まさにそのようなバランスです。

http://www.beams.co.jp/item/brilla_per_il_gusto/coat/24190153540/

http://www.beams.co.jp/item/brilla_per_il_gusto/coat/24190152540/

 

 

ゴージの位置も低く、フロントボタンも低めに設定されています。

今シーズンはまだ ”わかる人にはわかる” というバランスですが、今後はこのようなバランスが増えてくるかもしれません。

 

 

 

 

 



 

 

ミリタリーテイストのコートも今シーズンのトレンドです。

 

 

少し硬めのビンテージミリタリー風の素材を使ったTAGLIATOREのコート。

カーキのカラ―が絶妙です。

因みに、BEAMSでも今シーズン同じ素材を使ったコートを展開しています。

http://www.beams.co.jp/item/brilla_per_il_gusto/coat/24190162248/

 

 

このコートは今シーズンの流れを考えると、なくてはならないコートだったので、昨年の11月のプレコレクションの時に真っ先にオーダーしました。

既に入荷していますが、ほぼ予約で完売してしまいました・・・

私もお客様のキープのキャンセル待ちを入れましたが、多分購入できそうもありません。

 

因みに、このコートもタリアトーレで一番長いロング丈でオーダーしました。

ロングと言っても昨年より数センチ長い膝上丈なので、我々日本人にも着やすいバランスです。

 

因みに、昨年のタリアトーレのテーラードコートの着丈はこんな感じでした。

 

 

今年のものより短いのがわかります。

昨年の1月のPITTIの画像と比べると、コート着丈が長くなっているのは明らかな傾向です。

 

 

 



 

 

 

 

クラシックなサルトリア仕立てのダブルブレストのスーツに BARBOUR というコーディネート。

ミスマッチと思われる方も多いと思いますが、実はスーツにバブアーというコーディネートは過去にイタリアで大流行したことのあるスタイルです。

 


日本で所謂 ”クラシコイタリアブーム” が起きる以前の90年代中から末頃にクラシックなスーツやジャケットにバブアーのオイルドコートやハスキーのキルティングジャケットを着るのが大流行したことがありました。

当時はPITTI の会場やフィレンツェやミラノの街でもそのようなスタイルを多く見掛けましたが、2000年代に入るとテーラードコートの流れがきたこともあり、ほとんど見かけなくなりました。

彼はまだ20代なので、当時のことなど全く知らないと思いますが、私のように当時を知る人間にとっては懐かしいコーディネートです。

因みに、彼はアメリカ在住の英国人で着ているスーツはイタリアのサルトリア仕立て。

イタリア人でこの年代だと、こんなスタイルの人はまずいないです。

 

 

 

 

 

 


 

 

90年代にBEAMSでも人気のあった ”GRENFELLのSHOOTER” というモデル。

廃版にならず、今もコレクションに入って展開していました。

懐かしい・・・

 

 

シューターという名前の通り、ハンティングジャケットのディティールを取り入れたモデルは今見ても古臭さを感じません。

こんなアウターをジャケットの上に羽織るというスタイルも今の雰囲気だと思います。

私がBEAMS Fのショップマネージャーだった頃に何度も展開したモデルでしたが、当時はスタッフに人気がありましたが、一般のお客様にはあまり人気がありませんでした。

 

グレンフェルの中では、GOLFERKENTといったヒップ丈のブルゾンタイプのモデルが人気でした。

当時から結構高かったので、カジュアルなアウターにそこまでお金を出していただけるお客様が少なかったように思います。

個人的には今でも展開したいモデルですが、値段を聞いて、”カッコいいからコレやるぞ!” とはチョット言えませんでした。(笑)

値段を気にしなければイタリアのサプライヤーにはまずないモデルなので、展開したいアウターです。

 

 

 

 

 

 

 

 

昨年の秋冬でも多くのサプラーヤーが展開していたガウンタイプのニット

今シーズンは、こんな感じでスーツやジャケットとのコーディネートも見られました。

 



襟付きのジレの3ピースの上にガウンタイプのニットを着ていますが、実際にこんな感じで着ている人や、会場内のブースのディスプレイでも、スーツにガウンタイプのニットを合わせるディスプレイが見られました。
 

因みに、ブースのディスプレイはこんな感じです。

 

 

LARDINI のブースのディスプレイです。

ブラウンのグレンプレイドのスーツにベージュのガウンタイプのニットを合わせいるという、今までのラルディーニには無かったディスプレイです。

 

このようなニットをアウターがわりに羽織るコーディネートは、数年前にBARKのニットのダッフルが大ブレークした時以来でしょうか。

 

 

こんな感じで、スーツにガウンタイプのニットを肩掛けするスタイルも見られました。

 

 

 

 

 

 


 

 

コートに関してはスリムなフィットで短い着丈のモノは少なくなっているのが明らかな傾向です。

着丈に関しては多くのサプラーヤーが言っていたのが、昨年の丈よりプラス5㎝というフレーズです。

 

実際に昨年と今年のPITTIのスナップを見比べてみても、同じ人物のコートの着丈が長くなっているのがわかります。

シルエットに関しては余裕のあるシルエットが主流になりつつあるのですが、今までのスリムなシルエットのコートのボタンを開けて、タイトに見えない着方をしている人が多い印象です。

数年前のようにボタンをしっかりとめてコートを着ている人がかなり少なくなっていました。

これは、手持ちのコートを着る時にも活用できる着こなしではないでしょうか。

 

そして、ディティールとしてはラグランスリーブのコートが増えていることがあげられます。

 

これは、モード系でワイドなショルダーをドロップさせたコートが出てきたことに少なからず関連しているのではないかと思います。

要するに、クラシック派の人達にとっては、大きなセットインのショルダーをドロップさせて着るのは抵抗があっても、自然に丸く落ちるラグランには馴染があるので何も違和感を感じないのではないかと思います。

そして、このラグランスリーブは来年の春夏もクラシック系のコートの主流になっているので、一過性のトレンドではないことは間違いありません。

 

 

 





 

着丈の短いコートはもう着れないのかと言うと、そんなことはありません。

 

 

 

 

 

このようなカジュアルなスタイルに合わせると良いと思います。

実際私自身、昨年の冬は休日のカジュアルスタイルに着丈の短いコートを着ていました。

足元はスニーカーでもいいので、あまり色々考えずに羽織るだけで結構サマになるものです。

 

綿入りのアウターを着るよりも確実に洒落て見えるので試してみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、コートを新調される方は是非着丈の長いモノを試してみてください。

 

目安は膝丈プラス マイナス10㎝

因みに、私は脚が短いので、膝上10㎝が目安という事になりますね。(笑)


 

 


 

 



 

 

 



 

 

 

 

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2016-09-13 21:18:58

PITTI SNAP by BEAMS 2016A/W スーツ編

テーマ:スナップ

 

前回のジャケット編に続き、今回はPITTI SNAP by BEAMS 2016A/W スーツ編です。

 

クラシックなスタイルが再注目される中、しばらく新しいトピックスのなかったスーツも様々な変化が見られます。

 

コーディネートを紹介しながら、今シーズンのスーツスタイルのおさえるべきポイントも解説しましたので、最後までじっくり読んでいただければと思います。



 

 

 

ヘリテージ感漂うソルト&ペッパーの3ピースは、この角度からは見えませんが、チェンジポケットが付いています。

本人から直接聞いたのですが、このスーツはミラノのサルトリアで仕立てたモノだそうです。

 

 

 

 

ヘリテージ感のある素朴な生地なので、コーディネートを間違えると野暮ったくなりますが、ノータイで襟元に赤いバンダナを巻いたり、ソックスを赤にしたりして、彼なりにアレンジを加えて野暮ったくならないようにコーディネートしています。

シャツの襟がラウンドカラ-というのがポイントです。

このようなバンダナ サイズの巻物を巻く人が少しづつ増えています。

スーツに赤いソックスなどは賛否の分かれるところだと思いますが、彼のキャラクターを考えれば個人的にはありかなと思います。





 

 

大柄のグレンプレイドのダブルブレストのスーツは、恐らくフィレンツェのサルトリア リベラーノ&リベラーノで仕立てたモノでしょう。
 

 

シャツはブルーのオックスフォードBD、ネクタイはブルーのカシミアタイと、大柄のスーツを着る時の基本的な合わせですが、シャツがボタンダウンと言うのがポイントです。

イタリアと英国とアメリカのテイストを上手くミックスしてコーディネートしているのは、彼が英国人でニューヨークに住んでいて、イタリアのドレススタイルに対する変な先入観もなく、年齢も20代で若い感覚を持っているからだと思います。

ある意味、新しい世代のインターナショナルな感覚を持ったクラシックスタイルと言えるのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

このコーディネートも英国とイタリアとアメリカのミックススタイル。

 

 

 

スーツはイタリアのあるブランドのモノで、芯地の入っていない柔らかい仕立てのジャケットにプリーツ入りのパンツの裾幅を細くして穿いています。

スーツは完全なイタリアンスタイルです。

シャツはネクタイブランド DRAKE’S のシャツで、英国のシャツメーカーCLEEVE OF LONDONで作られています。

英国製ですが、シャンブレーのBD と言うのもポイントです。

ネクタイは ドレイクスのニットタイ です。

 

タイドアップした時にボタンダウンの襟のボタンを外すのはイタリア人がよく使うテクニックですが、英国人の彼もイタリア的なテクニックを使っています。

靴はALDENのスエードのチャッカブーツ

 

彼の父親はTURNBULL & ASSER のデザイナーだったという、言わば英国ファッション界のサラブレッドとも言えますが、英国モノで全身を固めるようなことはありません。

彼もまだ30代ですが、彼もまた新しい世代のインターナショナルなクラシックスタイルを実践するひとりであると言えます。





 

 

この4枚の画像に共通しているのが、ダブルブレストのスーツにタートルネック、そしてブラックカーフのタッセルスリッポン。

 

偶然撮った画像がダブルブレストばかりでしたが、スーツにタートルネック というコーディネートがかなり多く見られました。

 

 

 

 

 

昨年はジャケットにタートルというスタイルが多く見られましたが、スーツにタートルネック というスタイルが完全にポピュラーになりました。

コーディネートに悩んだときなど、手持ちのスーツにタートルを合わせるだけで、そこそこサマになるので、お助けコーディネートとも言えます。

上の画像のようにベルトレスのパンツにはタートルの裾をインするコーディネートも多く見られました。

 

それにしてもブラックカーフのタッセルを履いた人が異常に多いです。

以前はストイックすぎるという理由で、イタリアでは履く人が少なかったブラックのシューズですが、その定説も完全に変わりました。

 

今はブラックカーフのシューズを履く人が急激に増えているというのが実状です。

 

そして、スーツにタートルというリラックス感のあるスタイルには、スリッポンの中で最もエレガントさを感じさせるタッセルを合わせる人が多いのも理解できます。

 

 

 

 

 

今シーズンのトレンドでもあるモノトーンのコーディネート。

 

 


黒に近いチャコールグレーの3ピーススーツはサルトリア仕立てでしょう。

2インプリーツのパンツも雰囲気がいいです。

ジレのボタンをスーツと同じ生地でくるんでいるので、フォーマルスーツのようにも見えます。

 

ネクタイも白黒の千鳥格子、まるでウェディングに出られるようなシックな装いですが、今シーズンはグレーを基調にしたモノトーンのコーディネートも多いというのが傾向です。

靴はブラックカーフのセミブローグです。


 

 

 

 

ライトグレーに見える4つボタンのダブルブレストのスーツは、よく見るとグレンプレイドに赤いウインドウペンという、かなり英国感のある生地。


彼はプーリアのサルトリアなので、スーツもサルトリア仕立てです。

 

 

 

ネクタイはブラックタイで、ホワイトのシャツはボタンダウンの襟のボタンを外しています。

 

イタリア人だと、このコーディネートの場合、ネクタイは濃紺の無地と言うケースが多いのですが、彼はブラックのタイを合わせています。

クラシック系のイタリア人でブラックタイというのは珍しいです。

彼らは新しい世代のサルトリアなので、感覚も従来のイタリアのサルトリアスタイルとは違うという印象です。

 

彼も靴はブラックカーフのキャップトウです。



 

 

 

グレーの無地に見えるスーツは、良く見ると細かな柄が入っているピンチェック。

上の画像と同人物の別日のコーディネートです。

 

 

 

やはりサルトリア仕立てなので、パッチポケットがダブルポケットという変わったディティールになっています。

こういう仕様も感覚の若いサルトリアならではです。

老舗のサルトリアにこんな仕様を頼んだら確実に怒られます。(笑)

 

パンツは2インプリーツでハイウエスト気味のベルトレスです。

スーツもインプリーツが少しずつ増えて来ています。

シャツはやはりボタンダウンの襟先のボタンを外しています。

 

この日もブラックタイ。

おそらくブラックタイが彼の最近のマイブームなのだと思います。

 

靴はこの日もブラックカーフのキャップトウ。

以前は色モノの靴を履くことが多かった彼も、最近はブラックカーフの靴を履くことが多くなっています。



 

 

 

スーツスタイルもプリーツ入りのパンツが多くなっているのはジャケットと同じ流れです。

クラシックなスタイルが戻ってきてから、急速にクラシックなディティールも戻ってきているというのがスーツにおいても言えます。

画像を見てもわかると思いますが、元々サルトリアのスーツは着丈が短めなので、パンツのスタイルが変わっても着丈の長いスーツは出て来ていません。

ナローラペルでヒップの半分が出るようなジャケットは元々の出所が違うので、クラシックなスーツの傾向とは全く別なモノだという事をご理解ください。

また、仕立てに関しても柔らかくナチュラルな仕立てという傾向は変わっていませんので、肩パッドが入ったような構築的なジャケットが戻ってくるというような傾向は今のところありません。

クラシックな既成のスーツであってもサルトリア仕立てのスーツであっても、上の画像を見ても分かる通り、柔らかなショルダーラインのスーツが主流であることがわかると思います。

 

英国調というキーワードが出ると、すぐにサビルロウのようなスタイルや仕立てを連想される方も多いのですが、我々が考える英国調と言うのは、ディティールやアイテムや素材や柄からイメージされる英国的なテイストを取り入れることであって、80年代の英国調ブームの時のような、リアルな英国スタイルをそのまま真似するようなことではありません。

それは、今のPITTIで打ち出される英国調も同じです。

 

BEAMSでもそこを勘違いしているスタッフも多かったので、しっかりレクチャーしました。

それもクリエイティブディレクターである私の仕事です。
 

 

 

 

 

 

そして、スーツスタイルにブラックカーフの靴を履く人が急激に増えていることは間違いありません。

先にも述べましたが、イタリアではブラックの靴はストイックすぎるという理由で、ダークスーツにもブランウンのシューズを合わせるのが今まではポピュラーでしたが、これだけイタリアでブラックのシューズがポピュラーになるのは、私がバイイングをするようになって20数年で初めての事です。

それだけ、ブラックカーフの靴が現地でも新鮮に感じられるのだと思います。

 

こうやって見ると、ブラックカーフのタッセルとブラックカーフのオックスフォードの靴は、今シーズンのマストアイテムと言えるのだと思います。

 

 

 

 

 

 

長く続いたドレスクロージングのカジュアル化の波も収まり、再びドレススタイルが戻ってくると同時に、スーツスタイルもステレオタイプのイタリアンテイストではなく、英国やアメリカのテイストも取り打入れながら進化したクラシックスタイルとなって戻ってきたという印象です。

そして、その流れは単に一過性のトレンドとして新たに出てきたものではなく、過去にクラシックの世界で流行ったものが、時代性を取り入れリバイバルしているというのが今の流れではないかと思います。

 

見たこともないモノが色々出てきて戸惑っている方も多いと思いますが、これもカジュアル化の傾向からドレスへの移行期であるので仕方ないことだと思います。

 

 

 

 

 

 

と言うことで、英国、米国、イタリアのクラシックを一巡している私は、今の流れは何も違和感もなく疑う余地もないので、こんなスーツをオーダーで作りました。
 

大柄のグレンプレイドの3ピース。

 

 



チェンジポケットを付けました。

 

 

 

 

 

 



パンツは2プリーツです。

もちろん、ブラックカーフのドレスシューズもスタンバイしています。

 

昔買ったモノを磨いただけですが・・・(笑)

 

フルブローグとタッセルは揃えたいですね。

 









 

 



 

 

 

 







 

 





 

 




 

 

 


 


 

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2016-09-08 15:12:14

MEN’S EX 連載 10月号

テーマ:連載

 

MEN’S EX 10月号 が発売されました。

 



表紙は渡辺 謙さん。

秋冬トレンドのグレーのスーツはブルネロ クチネリ。

ライトグレーにベージュのストライプのコンビネーションがブルネロっぽいですね。

 

 

 

 

 

私の連載 ”中村達也に今、買いのアイテム” 

 

 

 

今回のテーマは ”ベルトレスパンツ” です。

 

 

 

 

 

 

秋冬のバイイングを行った1月のPITTI UOMOやミラノのショールームでも多くのパンツブランドやスーツブランドがベルトレスのパンツを打ち出していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご覧のとおり、皆さんが知っている名だたるブランドがワンプリーツや2プリーツのベルトレスのパンツを打ち出しているのを見ても、今シーズン外せないパンツであるのは明確です。

 

 

 

 

 

 

PITTIの会場を見てもベルトレスのパンツを穿いた人が急増しています。

 

 

 

 

 


 


数年前からチラホラ見られたベルトレスですが、ここに来て一気に着用者が増えました。

パンツ単品だけでなく、ベルトレスパンツが付いたスーツを着た人も増えています。

上の画像のように、ニットをインしてベルトレスであることを主張するような着こなしも多く見られます。

それだけ現地でもベルトレスのパンツが旬なディティールであることがわかります。
 

 

 

 

 

 

ベルトレスが広がったきっかけは、数年前からトレンドに敏感な人たちが着用していたグルカタイプのパンツやセーラー風のパンツ。

 

 

 

 

プリーツ入りのゆったりとしたシルエットで股上の深いこれらのベルトレスのパンツは、モード的なトレンドを積極的に取り入れる一部のファッショニスタ達の間で人気となりましたが、クラシック系の人たちはまだノープリーツのスーパースリムが主流だったので、本当に一部の流れに敏感な人たちにしか受け入れられないモノでした。

その後、長く続いたドレスクロージングのカジュアル化の波も収まり、クラシック回帰という流れが来るなか、再びドレススタイルが注目されるようになると、クラシックなプリーツ入りのパンツが見直されるようになります。

今まで主流だったスーパースリムのパンツから腰回りにゆとりのあるパンツが注目されるようになり、さらにシルエットも少し余裕のあるモノが求められるようになると、トレンドに敏感な一部の人たちのモノだったグルカタイプのパンツやセーラー風のパンツがクラシック系の人たちにも理解されるようになります。

 

もちろん、そのまま受け入れられることはありませんが、シルエットを変えれば自分たちも穿けるという意識が生まれたのは間違いありません。

 

折しもクラシックのトレンドが英国調にになり、英国的なビスポークのディティールであるサイドアジャスターのパンツが注目されるようになると、トレンドに敏感な人たちとクラシック系の人達の双方でベルトレスのパンツが注目されるようになり、多くのサプライヤーもこの流れに注目し、ベルトレスのパンツを積極的に展開するようになり現在に至ります。

 

 

 

 

 

 

因みに、昨年の秋冬以来、BEAMSでもベストセラーの”GTAのBAYRON”は、このグルカパンツのディティールを取り入れたモノです。

 

 

グルカパンツのディティールをアレンジしつつ、太いシルエットをクラシック系の人達に受け入れられるように適度なゆとりのシルエットにモディファイしたのがこのBAYRONです。

 

 

 

 

 

 

このように、モード的なトレンドが時間をかけてクラシックに影響を及ぼすことはイタリアのクラシックにはよくあることです。

 

彼らはモードで新しい流れが起こると、最初は自分たちには関係ないような素振りを見せながらも、取り入れるタイミングと、どこまで取り入れるべきかというバランスを伺っているというのが、私が彼らと長く仕事をしてきた中で強く感じることです。

ですので、数年前にモードでトレンドになったものが、咀嚼されてクラシックの解釈を加えたうえでクラシックのトレンドとして緩やかに広がるというのが実状です。

昨今では、スリムで短い丈のジャケットや股上の浅いスーパースリムのパンツ、九分丈などは、モード的なトレンドがクラシックに影響を及ぼして一般的に広がったという一例です。

 

 

 

 

 

 

ベルトレスは過去にも流行したことがありました。

私がまだBEAMS Fのショップマネージャー兼バイヤーだった90年代前半から中頃までの英国ブームの時に、英国のパンツメーカーや当時BEAMSの主力パンツブランドだったフランスのBERNALD ZINS (ベルナール ザンス)でプリーツ入りのサイドアジャスターのパンツを展開し、オリジナルでもサイドアジャスターのパンツを展開していました。

チェンジポケットの付いたジャケット(当時はスラントポケットもありました。)にサイドアジャスターのパンツというコーディネートだったので、まさに今の雰囲気でした。

もちろん、ベルトレスのパンツが多かったので、サスペンダーも人気でした。

 

その当時BEAMS Fでお買い物をされていた方は懐かしいと感じになるのではないでしょうか。

 

私も当時はリングジャケット製のサイドアジャスターのスーツを着ていました。

このように、当時の英国調のトレンドを知っている方にとっては、今のベルトレスパンツの流れが突然出てきたトレンドではなく、リバイバルであることは理解できると思います。

 

 

 

 

 

 

という事で、私も早速このパンツを購入しました。

 

 

 



GERMANOのミディアムグレイのサイドアジャスターです。

秋冬は久しぶりにウールのパンツが穿きたい気分なので、合わせやすいミディアムグレーの色目で2プリーツのサイドアジャスターのパンツは個人的にマストアイテムです。

このパンツ、サスペンダーボタンが付いていますが、私はサスペンダーをしないので、ジャストのウエストでサイドアジャスターを少し絞って穿こうと思っています。

 

因みに、来年の春夏は更にこの流れが強くなっているので、ベルトレスのパンツは一過性のトレンドではなく、しばらく続く流れであることは間違いないでしょう。



 

 

 

サイドアジャスターのパンツ、もちろん皆さんにお勧めしたいのですが、7月、8月に入荷してモノはかなりの勢いで売れてしまい既に品渦状態です。

申し訳ございません。

10月入荷で追加オーダーをかけているモノもありますので、最寄りの店舗にお問い合わせください。

それにしてもBEAMSのお客様は早い。

本当にいつもありがとうございます。

 

 







 

 






 

 


 

 





 

 




 

 

 

 

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