「マルチ・サーカズム」
Multiple Sarcasms
「星の数ほどの皮肉」という意味に訳してあったと思う、映画の中で。
皮肉っていうのは多分、主人公の男から見たら皮肉なんだろうなと。
でも、奥さんから見ても親友から見ても、あれが普通だろうとw
いや、結末がハッピーエンドな訳だから、皮肉どころかご都合主義じゃないかとさえ思える訳で。
いや、そのハッピーエンドこそがもしや皮肉って事?www
前半はかなりムカつく。
何やってんだこの男バッカじゃないのか、と、相当頭に来ながら見ていてw、
後半、親友の彼女にガツンと一発食らった後辺りからはかなりすんなり気持ちに入って来る。
そのきっかけになるのが、主人公の元同僚のゲイ男子。彼のバーでの話がすんごくいい。
それと、主人公の娘役の彼女がメチャクチャいい。
この子、「明日の私に着がえたら 」でメグ・ライアンの娘役をやってた子で、凄く巧い。
「世界で一番パパが好き!」でベンアフの娘役やってたのが同じ子かなあと思って調べたんだけど、
どうやらそれは別の子だったw
この娘さんが実にいいので、前半ムカつきつつも見られたってのは大きいね。
余りにも当たり前にそこにある愛情には、人はなかなか気付かない。
その人がいつか、その愛情が当たり前ではなかった事に気付いてくれるようにと、
愛情を惜しみなく注いだものは祈りつつ、そっと離れて行くしかない。
現実はこの映画のようには、うまくは行かないものだから。