Theater, 2009: lars and the real girl | **コティの在庫部屋**

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「ラースと、その彼女」

Lars and The Real Girl


公開前から気になってたんだよね、「ラースと、その彼女」。
まさか甲府に来てくれるとは思わなかったから、とても嬉しかった☆
しかしライアン・ゴスリングって若いのにチャレンジャーだよね。
「君に読む物語」でオーソドックスな恋愛ものに出ているかと思えば、
その前に注目された「16歳の合衆国」では未成年殺人犯だったし、
今回の映画では、いわゆる「ダッ○ワイフ」だからね、相手が^^;

でもね、主人公のラースは決して彼女をダッチ○イフ然としては扱わない。
普段が優しくて、おとなしくて、いいヤツなだけに、超マジ。超純愛。
自分と一緒にガレージにいてはいけないからって、
母屋の兄貴夫婦に「寝室を借りてもいいかな?」とか大真面目に聞いちゃうくらい。
そりゃ兄貴夫婦は度肝抜かれるよね。ついに弟は狂ったか?!って。
コメディタッチなんだけど、しかし実は奥深い、この「妄想」という心理現象。

どうしてこんな妄想を抱くようになったのか、映画が進むにつれて少しずつ見えてくる。
ラースの持つ、人生の中のジレンマ、恐怖、深い思い。
そして、こんなラースの相談を持ちかけられた年寄衆の1人、グルナー夫人の、
「何がまともで何がおかしいかなんて、かなり曖昧よ。大した問題じゃないわ」
という、海よりも深い、この言葉。

人形だったビアンカが、町に溶け込んでいく様がいい。
戸惑いながらも、ラースとビアンカを受け入れていく周りの人たちが、この上なく温か。
ラースに思いを寄せる会社の同僚、マーゴも可愛いし、
兄の嫁さん、つまり義理の姉に当たるカリンがまた素晴らしい。
駄目押し脇固めが、ラースの主治医、ダグマー役のパトリシア・クラークソン。
この人が出ていて浅い役の訳がない。

日本語だと、「ラースと、その彼女」なんですが、現代は「Lars and The Real Girl」。
REAL GIRLとは、このお人形を作ってる、実在の会社なんですけど、
勿論、まあ、ダブルミーニングで。その辺が上手い。
2008年アカデミー賞、オリジナル脚本賞ノミニーの実力を、ぜひ味わってください☆