「この世の外へ クラブ進駐軍」
Out of The World
1947年、米軍基地のジャズバンドのメンバーに志願する若者5人。
軍楽隊出身のサックス(萩原聖人)がリーダー役だが
同じく軍楽隊出身の先輩ベーシスト(松岡俊介)には「アカ」の兄がおり
経験ゼロのドラマー(オダギリジョー)には、被爆した親がいる
ブラスバンド上がりのピアノマン(村上淳)は、幼い弟を探し続け
天才的トランペッター(MITCH)はヒロポンにカラダごと溺れていく
若いシンガー、パンパン、米兵、白人、黒人、日本人。
哀川翔、前田亜季、高橋かおり、大杉漣、真木蔵人。個性派が揃う。
何が凄いって、楽器に吹替えがないんですよ。いや、多分100%なさそう。
みんな練習してこの映画に臨んでいるとパンフにもあったし。
特に阪本順治監督のこだわりで、ピアノのムラジュンは大変だったらしい。
が、その甲斐あって、彼のピアノさばきは本当に凄い。
大阪出身のトランペッター、MITCHのソロも渋くていい。
キレイごとだけではない戦後の描き方がいい。
「ぼくんち」の時もそうだったが、ドライな涙を知っている映画である。