DVD, 2006: sweet 16 | **コティの在庫部屋**

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「スウィート・シックスティーン」

Sweet Sixteen


独特の荒涼感と寂寞。
難解な心理描写と排斥。
入ってくるな、とこちらに向かって叫んでいる、孤独。
それは私にも解る。
解るが、たまにどうにもそれらが鼻につく。
イギリス現代文学の悲哀は、時に計算し尽くされた風に感じられる。
「どうしようもないんだ」と暗に言いながら転がるが如く落ちていくこの映画の主人公・リアムに、同じ空気を読み取ってしまったのは、私の傲慢だろうか。

“言い訳なんか聞きたくないよ、リアム。
家族を大切にしたかったのなら、絶対に他にも方法があった筈なんだ。
君のお姉さんが言ったじゃない。自分を大事にしろって。
それはすなわち、家族を大事にする事なんだって、どうして解らなかった?
堕ちるのは、這い上がるより、ずっと簡単。
イージーな道を選んだ君には、同情出来ない。
たとえ君が家族のために、親友を殺めたとしても。”


同じ16歳を主人公にした映画なら、「16歳の合衆国」
の方がもっと救われないし、その分何とか救ってやりたくなる。本当にヒリヒリしていた。

いろんな意味でビターな映画。