3)目標設定はスモールステップで | 「目標達成」考察ノート

「目標達成」考察ノート

こんな時代だからこそ自分のやりたいことをやる。それを実現する方法の考察。

 目標に「数値」と「期限」が入り「宣言」もできました。ここからはもう少しこまかく「目標設定」について考えてみたいと思います。

 

 さて、質問です。皆さんの立てた目標には「現実感」があるでしょうか?別の言い方をしてみましょう。その目標は自己の「成功イメージ」が鮮明に浮かぶでしょうか?例えば、「1ヶ月後に10kg痩せる!」という目標を立てたとします。そこにはきちんと「数値」も「期限」も入っています。しかし、そこに現実感があるか?と言われるとどうでしょうか?1ヶ月で10kgダイエットというのは、不可能でないにしても、達成はかなり大変です。すると、どうなるか?せっかく立てた目標が「放置」という結果になってしまうでしょう。

 

 ただし、「大きな目標」を立てるのが一概に良くないというわけではありません。ポイントは大きな目標を立てたら、その中を「小さく分解すること」です。

 

◆スモールステップの原則

 

 目標を小さくこまかくわけること、これを「スモールステップの原則」と言います。階段をイメージしてみましょう。1段がとても高い階段があるとします。すると、たった一段上るだけでも大変です。場合によっては、たった一段も上がることができない人もいるでしょう。しかし、1段の高さを低くするとどうでしょうか?今度はどんな人でも上がることができるようになります。

 

 目標設定でも同じです。例えば、10kgという目標を1kgもしくは500gという小さな目標に分けてみましょう。こうすることで、目標に「現実感」が生まれ、行動する意欲も生まれてきます。

 

(ポイント1)目標をこまかく分けてみよう!

 

◆ちょい上乗せルール

 

 私は普段、子供たちにプログラミングを教える教室を運営しています。そこではどんな子にもまず「タイピング」の練習をさせるようにしています。その際、ゲーム感覚で学べるソフトを使っているのですが、最初は「100点」とか「200点」という得点しかとれません。目標は「3000点」ですので、かなり「大きな目標」です。この時、私は子供たちに「目標は3000点」という言い方はしません。その代わり子供たち一人一人を見て、100点とれた子には「次は150点」、200点とれた子には「次は250点」と伝えています。

 

 すなわち、「少しだけ上乗せした目標」をその都度伝えています。1つ1つの目標は小さいですが、それが積み重なると最後は大きな結果につながっていきます。これはどんな目標にも言えることです。

 

(ポイント2)達成できたら少しだけ目標を上乗せする!

 

◆成功体験と自己肯定感

 小さな目標をたくさん立てるというのは別の見方をするとどういうことでしょうか?それは「成功体験」をたくさん味わえるということです。この「成功体験」というのは「モチベーション」の観点から見ても、とても重要なものです。

 

 心理学に「自己肯定感」というものがあります。これは「自分には成し遂げる力がある」と「自分を信じる力」のことですが、この自己肯定感には「成功体験」が欠かせません。特に、自分の気持ちが弱っている時には、この「成功体験」が自分の助けになってくれるでしょう。

 

(ポイント3)成功体験をたくさん味わおう!

 

◆成長は直線的ではなく階段的

 先ほど、子供たちのタイピングの話をしました。これまで数多くの子供達の成長を見てきましたが、そこで体験的に気付いたことがあります。それは、学習の成長は「直線的」ではなく「階段的」だということです。縦軸に「成長度」、横軸に「時間」をとったとします。すると、時間に応じて「直線的に」スキルが伸びるわけではありません。そうではなくて、「階段的に」成長していきます。

 

 タイピングだと、どこかで必ず「踊り場」になって、時間をかけて練習しても得点が伸びなくなります。しかし、それでも練習を続けていると、ある時、ポンっと得点が伸びます。それこそ、一段階段を上がるように。

 

 人間の成長が階段的なら、目標の設定もそれに合わせるのが自然です。つまり、階段を上がるごとに「成功体験」を味わえるようにしておくのがミソということです。

 

(ポイント4)人間の成長に合わせて成功体験を用意しよう!