『補助食品を被災地で生かすために その3』 | 2ランク上を目指す!こころからだLab.

『補助食品を被災地で生かすために その3』

<被災地で生活する全ての方々へ>

*BBBについて

被災者だけでなく被災者の救助やケアにあたられている方々、復興のために奔走されていらっしゃる全ての方々が現在そしてこれからもかなり強いストレス下で活動および生活することが予測されます。その皆様の心を守るためには脳を守ること脳の健康維持が必須条件です。そこで問題になるのが強ストレス下では、BBB(血液脳関門)が破綻することがあることが指摘されています。BBBは脳に入る物質を取捨選択することで脳をある程度守ってくれるものですが、強い電磁波にさらされたり戦争や災害など生命の危機にさらされるとBBBが機能を果たせなくなり必要なものが入らなくなったり、通常は排除できる毒素や細菌やウイルスなどの侵入を防ぐことが出来なくなります。脳を守るためには、できるだけ有害なものは摂取せず、食事には栄養バランスと脳の酸化を防ぐ脂溶性の抗酸化物質を十分に摂取する必要があります。

→抗酸化物質、脂肪酸バランスの強化



*活動後ウツを予防するために

環境的に生命の危機にさらされたり悲しみの現場に居合わせたり、お亡くなりになられた方に接する機会もあり誰もがウツ傾向を招く可能性がある状況です。体を動かしますと軽い活動から重労働までエネルギー代謝の際に必ずビタミンB3が消費されます。B3は水溶性のため代謝排泄までの時間が短いだけでなく貯蔵ができませんのでこまめな摂取が求められます。できれば食事の際に補助食品などで確実に補給する必要があります。不足が慢性化しますと我々人間はアミノ酸のトリプトファンからB3を合成する能力があるためトリプトファンが消費欠乏することになります。トリプトファンはBBBでBCAAと競合するためBCAAと相対的に欠乏しますと脳内に入らなくなります。トリプトファンは脳内でセロトニンの材料(前駆体)であり、セロトニンが不足しますとウツを招きます。さらにセロト人は暗闇でメラトニンに変換され、睡眠の維持に関与するため不眠になりやすくなります。ウツ傾向を招かないよう食事の際にきちんと心のビタミンであるビタミンB群を満遍なく摂取しウツ傾向を予防しなければなりません。


*心身の疲労感を感じやすい場合

日常的に生活時のエネルギー代謝で真っ先に消費されるビタミンB1をきちんと摂ることが重要ですが、その際にアリシンという物質を含むネギやにんにく(ガーリック)を一緒に摂取することをお勧めします。水溶性のB1はアリシンと結合して脂溶性のアリチアミンとなり体内に貯蔵できますので可能であれば一緒に摂取してください。


*B1の欠乏症=脚気に注意

B1は欠乏しますと脚気となりますので注意が必要です。特に日本人の場合、心臓の栄養が脂肪でなく糖質の方が欧米人より多くいますが、その方の場合B1の欠乏により脚気心となり心不全を起こし命に関わりますので注意が必要です。非常食で脂肪の摂取量が低かったり無理して活動しB1が大量に消費された状態が慢性化しますと非常に危険です。


*ビタミンB群を脳に入れるためには

脳や体が活動するためにはどちらも糖の代謝にビタミンB群が必要不可欠ですが、特に脳に入るためのBBBは脂溶性なため通過できません。B1はBBBの特殊経路で通過できますが、他はBBBの5000分の1の血液脳脊髄関門を通りますので脳に入りづらいのです。ですから代謝排泄の早いB群はこまめに摂取しなければ心と体の健康は維持できないのです。


*ビタミンB群の葉酸の欠乏について

葉酸は日本人の6人に1人は、遺伝的に欠乏が指摘されている栄養素です。欠乏しますとアミノ酸のメチオニンの代謝に支障が生じ(他にB6、B12の欠乏も関与します)、ホモシスチンという物質が増加します。高ホモシスチン血症になりますと動脈硬化が促進され脳梗塞や心筋梗塞のリスク(危険性)が増加するだけでなく、認知症やウツ、骨粗鬆症なども増加します。平常時でも欠乏が指摘されている栄養素なためこのような非常時には特にしっかりとした摂取が求められます。


*極度のストレスに対して必要な栄養素

ビタミンでは、CとB群のパントテン酸は抗ストレスビタミンであり、副腎における抗ストレスホルモンの分泌に関与する。また極度のストレスに負けないようにするためには、過剰なストレスにより増加する過剰な活性酸素をどう処理するかにかかっている。ビタミンではA、C、E、ミネラルではセレン、その他さまざまな抗酸化物質が重要。水溶性、脂溶性さまざまな抗酸化物質がある。脳の抗酸化を考えるとBBBを通過する脂溶性抗酸化物質が重要。CoエンザイムQ10やアスタキサンチン、αリポ酸、Lカルニチンなどは脳の抗酸化物質として期待されている。他にさまざまなポリフェノール類も抗酸化物質として効果的。何か1つだけ多量に摂取したり、多く摂りすぎると腸に長く滞在しミネラルの吸収を阻害するため摂りすぎないよう注意が必要です。


*心の栄養・・・脳の栄養素とその素材のまとめ


①糖質…米、小麦、イモ類、果物

②蛋白質

精神系アミノ酸

 ・トリプトファン…米、大豆、そば、ゴマ、里芋、バナナ、卵、カツオ、肉類、牛乳

 ・チロシン…米、大豆、カツオ、イワシ、ノリ、タケノコ、キウイ、肉類、チーズ 

 ・メチオニン…米、大豆、シラス、キンメダイ、サバ、肉類、牛乳

・ヒスチジン…米、マグロ、カツオ、カジキ、イワシ、サケ、サバ、肉類

補助食品では、アミノ酸スコア100のプロテインに入っているが、身体系アミノ酸のBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)も含まれている。


③脂質

 精神系脂肪酸

      アラキドン酸…卵、昆布、レバー、肉類

      コレステロール…タラコ、ウニ、レバー、うなぎ(高脂血症の方は避けてください)

      DHA…アジ、イワシ、サバ、カツオ、マグロ

補助食品では、EPA/DHA、アラキドン酸は存在するがコレステロールのサプリメントは今のところない。


ビタミン・ミネラル

この栄養素は、脳と身体と共通の栄養素であると同時に、1つとして不足の許されないものである。

食事では、好き嫌いなく多種多様の食材をバランスよく摂取しなければ摂取できない

補助食品では、マルチビタミン・ミネラルで簡易に補給することができる


抗酸化物質

食事では、さまざまな野菜

飲料では、お茶やコーヒー、紅茶やココアなど

菓子類では、チョコレートなど

補助食品ではビタミン、ミネラル、CoエンザイムQ10、アスタキサンチン、αリポ酸、Lカルニチン、カテキンなど



                      以上、文責  佐藤  務