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日通、海外攻略へ加速、新興国に輸送網、M&Aも視野、売上高、国際比率4割目指す。

2014/01/24 日経産業新聞

 日本通運は海外事業の育成を急ぐ。欧米、アジアの主要地域で輸送ルートの構築を終えたのに続き、東南アジア諸国連合(ASEAN)、メキシコなどにもネットワークを広げる。海外企業を対象とするM&A(合併・買収)も検討。国際関連事業の売上高比率を現在の30%程度から40%に引き上げる方針で、名実とも伴ったグローバル企業を目指す。
 海外40カ国に465拠点(2013年9月末)の物流網を誇る日通だが、海外関連の売上高は13年3月期で29・7%。中期計画では16年3月期に40%まで引き上げるとしている。
 成長シナリオの第1段階は仕上げた。欧米、アジアで合計1万3300キロメートルの輸送ルートを整備。上海―シンガポールを結ぶ経路をはじめ、カナダ・トロント―メキシコ・モンテレイ、オランダ・ロッテルダム―ロシア・モスクワの基幹ルートで荷物が走る。
 次は「3つの背骨を中心にしてネットワークを広げる」(中村次郎副社長)計画。3つの基幹ルートを補完する物流網を枝葉のように張り巡らせる構想だ。ASEAN、メキシコなど急拡大する市場に対して、陸海空を含む一貫輸送サービスを提供していく。
 口火は切っている。13年7月にタイ(バンコク)からミャンマー(ヤンゴン)を約4日でつなぐ陸上輸送サービスを始めたのもその一環。昨年末にはタイ―マレーシアを最大27両の専用貨物列車で大量輸送するルートを日系企業で初めて整えた。トラック、コンテナで荷物を直接積める「RORO船」での海上輸送なども検討しており、「インフラや制度が未整備なだけにチャンスがある」(渡辺健二社長)。
 有効な手立てとするのが海外を舞台にしたM&A。12年以降、米物流会社「AGS」の買収を皮切りし、香港の「APC」やイタリアのフランコ・ヴァーゴを傘下に収めた。それぞれ100億~200億円の売り上げ規模があり、海外収益の底上げへの近道とみる。
 APCは衣料品、化粧品を扱い、フランコ・ヴァーゴは高級アパレルブランドの衣料品を強みにする。消費市場として存在感を増す新興国に対し、買収先のノウハウを転用。路線が異なる荷主の開拓が期待できる。
 真のグローバル企業に向けた種まきは進めた。次はグローバル展開する顧客企業の獲得といった摘み取りが待っている。