Twitterとはどのようなメディアか--その利点と課題と今後 | OVERNIGHT SUCCESS

OVERNIGHT SUCCESS

オーバーナイトサクセス >>> 
帰国子女の英語データ集(英語喉 ネイティブ音完コピ 独り言英語)

Twitterとはどのようなメディアか--その利点と課題と今後

Twitterはまだ一般に普及しているとは言い難いが、文字数をあえて140字に制限していることとフォローイングとフォロワーという概念によって効率的なコミュニケーションツールになっている。

筆者など : 文:Dan Farber(CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル、編集部

チャネル名 : コラム : エキスパートの視点

URL : http://japan.cnet.com/column/pers/story/0,2000055923,20372528,00.htm

 これまで筆者は、「Twitter」、「FriendFeed」、および最新世代のコミュニティー通信サービスの価値や将来性を論じる会話にかかわるのを避けてきた。こうしたサービスは、明らかにインスタントメッセージングの進化とフィードの成功を示している。

 Twitterはアーリーアダプター向けのサービスであり(Kara Swisher氏の記事 を参照)、メインストリームのウェブユーザーにはまだ浸透していない。Twitterのユーザー数は、ウェブメール、「Yahoo Messenger」、「AOL Instant Messenger」、「MSN Messenger」のユーザー数と比べると四捨五入の誤差程度にすぎない。

 しかし、TwitterにはSMSのように140文字の制限があるにもかかわらず、インスタントメッセージングに新しい境地を開き、またフォローイングとフォロワーという概念によって、一種のブロードキャストモデルを実現している。

 Dave Winer氏は2007年7月、Twitterを 「フォローイングという1種類の関係性によって結びつけられたユーザー同士のネットワーク」と説明した。Winer氏はまた、Twitterを「比較的オープンなIDシステム」を持ったマイクロブロギングシステムと呼んだ。

  Steve Gillmor氏 はTwitterを、自分を「フォロー」してくれているソーシャルグラフと自分がフォローしているソーシャルグラフの接点を作れることだと説明している。

 「フォローの非同期的な性格によって、かかわるすべての人にスターシステムと均等な機会の両方が生み出される」とGillmor氏は述べる。「あなたは独自の影響力の勢力範囲を築くことができる。そしてマイクロコミュニティーを作成して他のマイクロコミュニティーと連携することによって、拡大する影響力の圏域を形成することができる。わたしが何かを言ってScoble氏がそれに返答したら、Scoble氏のフォロワー全員がそれを理解してくれるわけではないが、かれらはわれわれが話している(Twitterでつぶやいている)ことを見ており、わたしはより多くのフォローを獲得することになる。最終的にどうなるかというと、より多くの強力なフォロワーが追加され、わたしの勢力範囲が広がるのである」(Gillmor氏)。APIによってTwitterの発言が「Facebook」のステータスページやFriendFeedでも表示されるようになるなど、Twitterはより拡張性が高くなり波及力も強くなっている。

 Winer氏は、フォロワーの数と投稿数を考慮に入れて同氏の言うところの、Twitterという手段を使用してある人が生成しているノイズまたは「吐き出したもの」の量を測る指標を提案し、いくつかの具体的なデータ を掲載している。

 これは厳密には影響力の測定基準ではないが(むしろ全体的なリーチの大きさを測定する指標である)、非常に大きな数字になる場合がある。Winer氏の計算では、Robert Scoble氏にはTwitterで最多の2万1310人のフォロワーが付いており、投稿数が1万713件あるので、これらを掛け合わせると2億2829万4030回の潜在的なインプレッション数という結果になる(フォロワーと投稿数は徐々に増加していることを考慮すると実際にはもっと小さい数字になるだろうが、それでも大きな数字だ)。

 この点から考えるとTwitterはアイデアを共有し、発見し、売り込むための非常に効率的な手段ということになる。ジャーナリストでありブロガーでもあるわたしの友人たちは、自分の投稿をTwitterでブロードキャストすることに凝っており、筆者も時々ライブイベントをTwitterで中継し、自分のメモや感想をフォロワーにブロードキャストしたことがある。フォロワーたちはそれをリアルタイムで受信することもできるし後から読むこともできる。またフォロワーとして登録せずに、キーワードを「Track」することによって特定の人物や概念をフォローすることもできる。「新しいものを発見し、特別な社会的交流を実現できる公的/私的なシナリオを作成してくれる」とGillmor氏は述べる。

 Twitterはどこに向かっているのだろうか。まず、より安定したインフラを整備する必要がある。同社は1500~2000万ドルの追加出資を獲得する予定であり、これはインフラ増強部門にとって助けになるはずである。Twitterは新たな出資を獲得することによって、新しい機能の追加に着手する可能性が高い。サービスのシンプルさが損なわれる危険性もあるが、インスタントメッセージングアプリケーションが進化してきた過程を見ると、これは不可避のことのように思われる。以下に、Twitterの由来と今後1年ほどでTwitterがどうなっていくかを占う1つの見解を紹介する。

 Jeff Clavier氏 (最近TwitterのアプリケーションであるTwhirlを買収したSeesmicの投資家)は、Twitterを「注意という投資に対する迅速なリターン」と表現した。

 ギガビットネットワークの世界であえて文字数を数10文字から数100文字に制限することによって、この細切れの情報発信システムは、投入するべき時間の壁を最高でも数分にまで低くしてくれた。ほとんどの人々は、ブログの閲覧/投稿/コメントに多くの時間を割くことはできないが、誰でも1日に何回かは数分間の時間を見つけられる(中略)携帯電話やコンピュータからそれほど遠くに離れなければ。ウェブからでも携帯電話からでも利用でき、リアルタイムで(たとえScoble氏のようなヘビーユーザーではないとしても)1回にメッセージを1つずつ、またはアプリケーションを使用してリアルタイムでバッチモードで、または投稿できるようにすることによって、時間(または顧客獲得単価?)の限られたユーザーが1日の好きな時間に自分が選んだ注意の投資先について迅速なリターンを獲得できるようにしている。

 Twitterは情報過多をさらに悪化させるが、自分がフォローするまたは自分をフォローしてくれる適切な人物を見つければ、1回あたり140文字の投稿に費やす時間に見合う良好なROI(投資利益率)が得られる。


この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ