餃子の王将のランチピーク時はどれだけ雑か?の考察(パソコン読者用) | 新・バスコの人生考察

餃子の王将のランチピーク時はどれだけ雑か?の考察(パソコン読者用)

※2008年・5月20日の記事を再々編集


 「餃子の王将」という中華料理屋があります。関西では知らない人がいないほどの有名店で、全国展開していることからも、ご存知の方は多いでしょう。


 僕は、王将が大好きです。通算で500回以上も利用しており、安くてうまいを地でいく、すばらしい中華料理屋でしょう。


 ですが、1つだけ、大きな欠点があります。そしてその欠点が時として、客をイライラさせてしまうのです。


 それは、「雑さ」です。


 味こそおいしいものの、王将の雑さと適当さといったら、尋常ではないのです。


 王将は、カウンター席に座ると、厨房が見えます。雑すぎて笑けてくるほどで、なにしろカウンター席から、作り置きのチャーハンが丸見えなのです。


 棺桶みたいなカゴに、チャーハンがぶち込まれています。厨房内の汚さも相まって、ゾウのエサにしか見えません。


 フロアの床も、「愛液まいたんか?」というぐらいヌルヌルで、杖をついた老人が来ようものなら、見ていてヒヤヒヤするのです。


 なかでも、1番忙しい時間帯であるランチタイムは、まぁ雑ですよ。


 ひと言で言うと「戦争」で、全従業員がすさまじい剣幕で料理戦争を繰り広げているのです。


 そこで今回は、「餃子の王将のランチピーク時はどれだけ雑か?」の考察です。


 以下、僕が過去に目撃した、ランチピーク時の「雑さ」についてご紹介します。


 全店舗に共通するわけではございませんが、僕は現在も7店舗使い分けています。それらを見た上での判断なので、信憑性は高いです。


①あまりの忙しさに、厨房の従業員がケンカを始める
 ピーク時における従業員の口の悪さは、半端ではありません。


 どの従業員も、溜まった伝票への切迫感から、機嫌が悪いです。厨房内でケンカが始まり、つい先日も、こんなやり取りがありました。


 「おい、餃子、あと何分で焼けんねん?」


 「……」


 「聞いてんのか!あと何分や?」


 「知るかいや、ボケ!機械に言えや、そんなこと!」


 「機械なんて関係あるか!お前の焼き方に問題があるんと違うんか!?」


 「お前のほうこそ人のことはええから、さっさとカラアゲ揚げろや!」


 「とっくにやっとるわ!文句あるんやったらフライヤーに言えや!」


 「お前も機械のせいにしとるやないか!」


 漫才やんけ、これ!このやり取り、完全にプロの漫才やんけ!


 客に丸聞こえなんですよ、これ。カラアゲを注文した客が目の前にいるのに、平気でこんなケンカを始めるのです。


 ほかにも、「米炊いたか?おい、米炊いたんか?」「すぐには無理ですよ、店長!」「アホ!ランチの米を食い放題にしてる店が、米切らしてどないすんねん!」「(客が)すいません、ご飯のおかわりをもらえますかね?」「ほらみろ!このままやとなくなるやろが!」「じゃあ店長が炊いてくださいよ!」「無理じゃ、ボケ!」「じゃあ昨日の残りの米を使いますよ?」「アホか!それはチャーハンに使え!」と、チャーハンを頼んだ僕の横で叫んだのです。


 ふざけんなよ、お前!お前それは、風俗の入口に客がいんのに「性病のあの女、病院に行ったんか?」「行ってません!」と会話するのと同じやぞ!


 手間のかかるオーダーが入ると、ますます機嫌が悪くなります。


 先日、お子様セットが3つ注文されたときのこと。「なんで昼間からお子様やねん!」「客が頼んでんからしゃあないやろ!」「なんでお子様を食うかな……」「(客が)お忙しいのでしたら、お子様セットはやめましょうか?」「……いやいや、とんでもないです!失礼しました!」と、客のほうが気を遣っていたのです。


 なめてんのか、お前!で、ちょっと考えたやろ今!?一瞬、やめてもらおうかなとか思ったやろ!?


 なかでも、パーティーセットを注文されたときの口の悪さだけは、常軌を逸してますよ。「なんで昼時にパーティーセットなんて持って帰んねん!」と叫び、しまいには、「だいたい、王将の飯なんかでパーティーすんなよ!」と、自分の店の料理を全否定したのです。


 何考えとんねん、お前!それはもう、完全に客への悪口やぞ!


 「シャレならんわ!」


 お前がシャレならんわ!本気でシャレならんこと言ってるぞ!


 丸聞こえのお持ち帰りの客は、すさまじい悲壮感を漂わせています。「ほんまに大丈夫かここ……」と、不安そうな顔で長時間待たされているので、はたから見れば、おかしくて仕方がないのです。


②イライラを食材と新人従業員にぶつける
 これは、必ず見かけます。イライラして、何かに当たらないと気が済まない従業員が現われるのです。


 機嫌の悪さは、まず、食材へのやつ当たりで出ます。


 王将は、大きなザルに野菜が入っています。手に取るのではなくひんだくり、また、その炒め方がすさまじいのです。「シャブ切れたんか?」というぐらい鬼の形相で鉄鍋をふり倒し、しかもテンぱりすぎてこぼしまくっているのです。


 こぼしすぎやねん!そのこぼした分だけで、奴隷の2日分はあるぞ!


 なかでも、チャーハンのこぼし方だけは、尋常じゃないですよ。「半分以上こぼしてないか?」というぐらい周囲に撒き散らし、手づかみで味見したかと思えば、「熱っ!」と叫んで床に吐き出すのです。


 吐くなよ、おい!食う気なくすやんけ、こっちは!


 「からいやんけ、これ!」


 お前のせいやろ、それは!からいのは100%、お前のせいやろ!


 その昔、餃子16人前と、から揚げ8人前が注文されたときのこと。聞かされた従業員が「餃子、16!?ふざけんなよ!」と声を荒げ、キャベツを床に叩きつけたのです。


 ケガ人出るわ、もう!何かわからんけど、そんなことやられたらケガ人出そうやわ!


 「そんなに食うんやったら、もうパーティーセット頼めや!」


 それはそれで怒るやろ、お前!パーティーセットなんて頼まれたら、キャベツどころかチャーハンカゴごと叩きつけるやろ!


 そのイライラは次第に、仕事のできない新人従業員に向けられます。「悪口のプロ」みたいな奴がおり、新人に、えげつない暴言を吐くのです。つい先日も、「おい、そこのブタ!オイスターソースを追加しとけ!」「オイスターソースってどこにあるんですか?」「なんで知らんねんボケ!しばき倒し回すぞ!」って言ったんですよ。


 しばき倒し回すぞですよ!?しばいて倒すだけでは飽き足らず、まだ回すんですよ!?


 ほかにも、「おい、ブタ!お前、キャベツ切ったんか?」「すいません、まだです!」「死ね!焼死しろ!」と、死に方まで指定したかと思えば、ブタがオーダーを間違って作ったときなど、首の裏にハイキックを入れたのです。


 死人出るわ、もう!ケガ人どころの話じゃないわ、死人出るわマジでもう!


 ですが、蹴られたブタも慣れっこなのか、文句を言いません。「はい、いつものハイキックがきた!」とばかりに意に介さず、当たり前のように作業を続けるのですが、蹴ったほうもテンぱりすぎて、自分を見失っています。重ねてある、お持ち帰り用のトレーをブタが倒した際、めちゃくちゃかわいい声で「もうっ!」と叫んだのです。


 何キャラやねん、お前!キャラをはっきりせいや!お前それは、ヤ○ザがサンリオグッズ集めるようなもんやぞ!


 この王将は、僕の家からは遠いです。ですが、僕はこの2人のかけ合いを見るためだけに、わざわざ通っているほどなのです。


③厨房がピンチになると、ホールから助っ人が乱入して、中途半端な料理を作る
 王将は料理の出が悪いと、ホールスタッフを乱入させます。ですがたまに、女子高生がやってくるのです。


 もちろん、ちゃんと作れるなら、いいですよ。とはいえ、適当もいいところ。以前に一度、作り置きのチャーハンを作っているのを見たことがあるのですが、量が多すぎて鉄鍋が持てず、まったく振れていません。味付けも適当で、おたまで丸く皿に載せられず、手で丸めやがったのです。


 新妻か、お前!手料理バージンの新妻か、お前は!


 王将は、料理名を専門用語で呼びます。皿うどんのことを「バリ」と呼んでいるのですが、この子は厨房から直接渡す際、僕に「バリお待たせしました!」と言って渡してきたのです。


 いやいや、バリとか言われても!もしかしてそれ、「私はバリバリアホです!」とかそういうこと!?


 「テンハンは、もうちょっと待ってくださいね!」


 テンハンて、おい!噛んだチャオズか、お前!


 それでも100歩譲って、女子高生は、まだ許せます。なにしろなかには、どう考えても戦力にならない、とんでもない奴が乱入してくることがあるのです。


 その昔、とある王将で、洗い場専門のオッサンが調理場に回されました。


 このオッサンは、異常にトイレが近いです。「トイレ、行かしてください!」「すいません、またトイレに!」と、ピーク中なのに10分おきにトイレに行きやがるのです。


 膀胱どうなってんねん、お前!論文書けるわ、お前の体で!


 ひと段落してから行けばいいのに、餃子が焼けそうなタイミングで「すいません、もう一度トイレに!」と叫びます。しまいには店長に、「~さん、もういいから洗い場に戻ってください!」と怒られ、「わかりました!ただ、その前にもう一度トイレに!」と言ってまたトイレに行ったんですよ!


 もう働くな、お前!金輪際、飲食で働くな!


 「もう一度トイレに~~~!」


 トイレに住め、お前はもう!ドアに「使用 中」みたいな名前っぽい表札掲げとけ!


 なのに王将は、忙しくても休憩に行く奴がいます。散々客を待たせているのに、「休憩いただきまーす!」と、マカナイ持参で厨房を出て行く奴がいるのです。


 何考えとんねん、お前!しばき倒し回したろか!


 「ゆっくり休んでこいよ!」


 やかましいわ!しばき倒し回し蹴り殺したろか!


 「あっ、今日のマカナイ、ヤキソバか」


 ごめん、俺、ヤキソバ待ってんねんけど!?客より先に従業員がマカナイで持って行ってもうてんけど!?


 もうね、怒りを通り越して、笑けてきますよ。


④ただでさえ従業員のキャラが濃いのに、忙しさに比例して、どんどん濃くなっていく
 王将の従業員は、濃い奴が多いです。男臭い猛者ばかりで、忙しくなるにつれて、どんどんキャラが濃くなっていく
のです。


 僕が通うスポーツジムの近くの王将に、10センチ以上のアゴヒゲをたくわえたオッサンがいます。この人は忙しくなると、周りが見えません。ピーク中は毎回、アゴヒゲに何らかの食材が付着しており、ネギやキャベツは当たり前、一度、ピンクのカマボコが付いていたのです。


 釣りに行け、お前!海にアゴ浸けとったら、まぁまぁの魚が捕れるわ!


 「そこのマヨネーズを取ってくれ!」


 お前がまず取れ!それ取ったら取ったるわ!


 僕とは話をする仲なのですが、とにかく強烈です。客が注文した生中をひと口飲んでから渡したり、忙しくてテンぱると、コップに入れてある日本酒を景気づけで飲むのです。


 商売なめてんのか、お前!お前は松下幸之助の本を8000回読め!


 ひと口飲んだ生中を渡す際、口ヒゲには泡が付着しています。「お前、飲んだやろ?」と、いつ客に突っ込まれないかと、近くの僕は生きてる心地がしないのです。


 ヒヤヒヤさせんなよ、お前!デブの馬跳び見てるみたいやわ!


 先日、顔にガーゼを付けていました。僕が「どうしたんですか?」と訊くと、「足にギプスをしたまま働いたんやけど、バランスを崩して顔にヤキソバをこぼしちゃったよ、へへへへへ!」と軽く言ったんですよ。


 お前、顔にヤキソバこぼすか、普通!?医者に説明しようないわ、そんなもん!


 ほかにも、僕が大学生のときのことです。


 大学の近くの王将にいじめられている従業員がいて、こいつに至っては、心の声が口に出てしまっていました。「餃子を焦がしたら、また店長に怒られるわ」「鈴木さんが休憩終わったら、今度は僕が休憩に行く番やわ」と、完全に心の声が出ています。その声は忙しくなるにつれてエスカレートし、「本当はやめたいけど、お金がほしいからやめられへんわ!」と、客の目の前でガンガンにしゃべっているのです。


 よう面接通ったな、お前!お前だけじゃなくて店長もおもろいわ!


 「店長に髪を切れと怒られたけど、僕はそんなに長くないわ!」


 やかましいわ!ていうか、普段はどうしてんのお前?寝ながらも、「僕は今、怖い夢を見てるわ。でも夢やから大丈夫やわ」とか言ってんのか!?


 キャラが濃いのは、従業員だけではありません。王将のカウンターには、腹をすかせた猛者が集まります。定食を2つ食べる奴など当たり前、こないだ見た客なんて、「とりあえず、餃子4つ!」って言ったんですよ。


 とりあえずと違うわ、お前!フィニッシュにせいや、それで!


 隣の客が残していった料理を食べる奴までおり、とにかく普通ではありません。とりわけ注文が遅いと、「早く持ってこいや!」「俺のほうが先に頼んだのに、なんでこいつのほうが先やねん!」と怒鳴り始めるので、隣に座ると気が気でないのです。



 そして、最後。これだけは本当に、「どういうつもりなん?」と説教したいです。


⑤中国人従業員のテンぱり方が尋常ではない
 テンぱるのは、厨房だけではありません。それはホールも同じで、最近は、片言の日本語を話す中国人が多く、中国
人のテンぱり方がまた、尋常ではないのです。


 僕の近所の王将に、中国人の若い女の子がいます。この子は店内の電話が鳴ると、「ギョウザノオウショウーーー!!!」と叫んで電話に出るのです。


 どこの王将やねん、お前!相手びっくりするやろ!間違ってかけてたらまったく意味わからんやろ!


 「オマチシテマーーース!!!」


 行く気なくすわ!お前がおるんやったらバーミヤンのほう行くわ!


 王将では厨房にオーダーを通す際、料理名(専門用語)をマイクで叫ぶのですが、この子はめちゃくちゃな言葉を叫びます。たとえば、餃子2人前とチャーハン1人前で、「リャンガーコーテル、ソーハンイー!」と言うところを、「リャン、リャリャリャリャン、リャンリャンタンタンガー、ココーデルー、ソソソソ、ソーリャンソーリャン……」と叫ぶのです。


 何言ってんねん、お前!で、タンタンガーって何!?いくら探してもそれっぽい言葉が見つからへんねんけど!?


 「タンタンガー、イー!」


 そんなもんないねん、この店に!それは完全にお前の造語やねん!


 しかもたまに、「タイガイニセー!」と聞こえてきます。「リャンリャンコーテル、ソソーハンイー、チャイタイタイ、タイガイニセー!」的なことを言ってくるので、こんなもん、「お前が大概にせえよ!」という話なんですね。


 とはいえ、「ジャンボヤナギ(ラーメン大盛り)」のときだけは、やたらと発音がいいです。気に入っているのか、「待ってました!」とばかりに、「ジャンボヤナギ!」「はい、ジャンボヤナギ!」と満面の笑みで言ってくるので、そのギャップがおかしくて仕方がないんですね。


 ほかの従業員は、この子のテンぱり具合にあきれています。そのうちの1人が「お前、もうええから、レタス買ってこい!」と怒鳴りつけたところ、「イツ?」って言ったんですよ。


 今や!こんな忙しいのに未来のこと頼むか、ボケ!


 「イツ、イッタライイノ?」


 今逝け!行くんじゃなくて、逝け!迷惑やから今すぐに死んでくれ!


 それでも、これらは一生懸命にやっています。まだ許せるものの、こちらが話しかけると、「アンッ?」と返してきます。「すいません、タルタルソースってあります?」「アンッ?」「いやあの、タルタルソースです」「タルタル?」「タルタルです」「…………アンッ?」「もういいですわ!」と、あきらめざるをえないのです。


 国に帰れ、もう!国に帰って、もう一度共産主義に身を委ねろ!お前に資本主義は無理やわ!


 最低限のマナーも知らない外国人など、雇ってはダメです。僕は笑って許しているものの、ニラみつけている客もいます。関係のない客からしたらヒヤヒヤで、食事どころではないのです。



 以上が、今回の考察です。


 このように王将は、すべてが雑なのです。


 なかでも、「関西」「休日の12時30分~13時」「駐車場のある大型店舗」の3つの条件を満たせば、かなりの確率で、上記のような「雑さ」に遭遇します。


 とはいえ、僕は王将が大好きです。


 その雑さを差し引いても、値段と味は文句のつけようがありません。僕は本当に、世界ナンバーワンの中華料理屋だと思っていますから。


 ちなみに、先ほどの中国人。


 この子は、店から10メートルもないところに住んでいます。なのにその10メートルを、原付きに乗ってやってくるのです。


 歩けよ、お前!停車する時間考えたら、歩いたほうが早いやろ!


 お前、タイガイニセー!!!



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