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2012年06月02日

【速報】競馬記事、雑誌掲載のお知らせ。

テーマ:紹介

 こんにちわ。バスコでございます。


 突然ですが、あさって4日月曜日発売の週刊ポストに、僕が書いた競馬の記事が掲載されます。もうすぐ発売される拙著『野次るファン』から野次を抜粋したもので、2ページにわたって紹介されています。


 懇意にしてくださってる編集の方が、企画を通してくださいました。みなさまもぜひ、ご覧になってみてください。ちなみに僕は10冊買います。


 僕の新刊は、いよいよ来週末に全国発売になります。来週に本の紹介記事をアップしますが、ひとまずご報告まで。みなさまもこれを機会に、文春や現代はやめて、ポストに乗り換えてください。


 よろしくお願いします。



実録競馬 野次るファン/バスコ

2012年06月02日

【速報】競馬記事、雑誌掲載のお知らせ。

テーマ:紹介
 こんにちわ。バスコでございます。

 突然ですが、あさって4日月曜日発売の週刊ポストに、僕が書いた競馬の記事が掲載されます。もうすぐ発売される拙著『野次るファン』から野次を抜粋したもので、2ページにわたって紹介されています。

 懇意にしてくださってる編集の方が、企画を通してくださいました。みなさまもぜひ、ご覧になってみてください。ちなみに僕は10冊買います。

 僕の新刊は、いよいよ来週末に全国発売になります。来週に本の紹介記事をアップしますが、ひとまずご報告まで。みなさまもこれを機会に、文春や現代はやめて、ポストに乗り換えてください。

 よろしくお願いします。


実録競馬 野次るファン/バスコ

¥1,200
Amazon.co.jp

2012年05月20日

【速報】ロストシャウト本、出版のお知らせ。(パソコン読者用)

テーマ:紹介

 こんにちわ、バスコでございます。いつもブログをご覧になって頂いて、ありがとうございます。


 当ブログでおなじみの、ロストシャウト。競馬の野次をご紹介する記事で、このたび、『野次るファン』というタイトルで本になりました。


実録競馬 野次るファン/バスコ



 東邦出版さんからの発売で、現在、アマゾンで先行予約受付中です。


 実はもう、昨日あたりから一部大型書店で先行発売されています。(都市部のジュンク堂、紀伊国屋、旭屋……。すぐに読みたい方がいらしたらご連絡下さい。置いてある本屋さんをお知らせしますので)


 本書は、異例の販売システムになっています。現在が先行発売期間中で、来週26日の土曜日(日本ダービーの前日)から、競馬場を中心とする全国のターフショップにも並び、本屋さんに並ぶのは6月10日あたり。この日が正式な発売日で、全国の本屋さんに流通されます。


 お読み頂ければわかると思いますが、目次もなければ章分けもない、前代未聞のお笑い本に仕上がっています。「笑わせるだけ」を目的にした本で、いつもどおりのボケとツッコミを展開しており、競馬をされない方でもなんの問題もなくお読み頂けます。


 また、このブログでご紹介した野次だけではなく、新ネタもバンバンに投入しています。お笑いの作家として、自分が培ってきたものを全て詰め込んだつもりです。誰が読んでも笑える、と自負しているので、ぜひ、お買い求めください。それと申し訳ございませんが、ブログにアップしていたロストシャウトの過去記事は、いったん下げさせて頂きましたのでご了承ください。


 ならびに、今週末からプロモーションの一環で、本の書影をプリントしたTシャツを着て、たくさんの競馬場に足を運びます。かなり目立っていると思うので、もし僕を見かけたら声でもかけてください。「声をかけてくれてありがとうじゃあ!」って軽くあしらいますので。


 追って詳しく本の紹介記事をアップしますが、ひとまず、ご報告まで。


 バスコ



2012年05月20日

【速報】ロストシャウト本、出版のお知らせ。(携帯読者用)

テーマ:紹介

 こんにちわ、バスコでございます。いつもブログをご覧になって頂いて、ありがとうございます。

 当ブログでおなじみの、ロストシャウト。競馬の野次をご紹介する記事で、このたび、『野次るファン』というタイトルで本になりました。


実録競馬 野次るファン/バスコ


 東邦出版さんからの発売で、現在、アマゾンで先行予約受付中です。

 実はもう、昨日あたりから一部大型書店で先行発売されています。(都市部のジュンク堂、紀伊国屋、旭屋……。すぐに読みたい方がいらしたらご連絡下さい。置いてある本屋さんをお知らせしますので)

 本書は、異例の販売システムになっています。現在が先行発売期間中で、来週26日の土曜日(日本ダービーの前日)から、競馬場を中心とする全国のターフショップにも並び、本屋さんに並ぶのは6月10日あたり。この日が正式な発売日で、全国の本屋さんに流通されます。

 お読み頂ければわかると思いますが、目次もなければ章分けもない、前代未聞のお笑い本に仕上がっています。「笑わせるだけ」を目的にした本で、いつもどおりのボケとツッコミを展開しており、競馬をされない方でもなんの問題もなくお読み頂けます。

 また、このブログでご紹介した野次だけではなく、新ネタもバンバンに投入しています。お笑いの作家として、自分が培ってきたものを全て詰め込んだつもりです。誰が読んでも笑える、と自負しているので、ぜひ、お買い求めください。それと申し訳ございませんが、ブログにアップしていたロストシャウトの過去記事は、いったん下げさせて頂きましたのでご了承ください。

 ならびに、今週末からプロモーションの一環で、本の書影をプリントしたTシャツを着て、たくさんの競馬場に足を運びます。かなり目立っていると思うので、もし僕を見かけたら声でもかけてください。「声をかけてくれてありがとうじゃあ!」って軽くあしらいますので。

 追って詳しく本の紹介記事をアップしますが、ひとまず、ご報告まで。

 バスコ


2012年05月12日

これは何なのか?の考察⑧(パソコン読者用)

テーマ:ナンナン

 僕がよく行く競馬場の近くに、一軒のラーメン屋さんがあります。その界隈では有名なお店で、スープがとてもおいしいことから、僕は月に何度も通っています。


 このお店は、禁煙です。店内の壁に『禁煙』と貼り紙がしてあるのですが、厨房の店員が当たり前のようにタバコを吸っているのです。


 なめてんのか、お前!厨房だけなんで治外法権やねん!


 普通に吸ってるんですよ。くわえタバコで調理してることなどザラで、貼り紙は関係ないのかなと思って一度、カウンター席から「すいません、灰皿ください」とお願いしたところ、くわえタバコの店員が「すいません、うち、禁煙なんですよ」って言ったんですよ。


 どういうことやねん、お前!マジで何言ってんの自分!?


 「いや、でも店員さん、今、吸ってるじゃないですか」


 「すいません、ちょっと我慢できなくて……」


 ふざけてんのか、コラ!正気か、お前!そんなことやるんやったら俺、「禁円」と解釈して金払わんぞコラ!


 これ、マジですからね。自分がタバコを吸いながら、客のタバコを注意してきます。店員の態度も適当で、勘定を頻繁に間違えます。5回に1回ぐらいは替え玉の料金を取り忘れるなど、客にいいヤツなのか悪いヤツなのかわかんないんですね。


 僕は、世の中の「これ、何なん?」と思わずにはいられない人・物・事を、「ナンナン」と単位化しています。この「言ってることとやってることが違う店員」はナンナンにほかならず、「何なん?」としか言いようがないのです。


 そこで今回は、「これは何なのか?」の考察⑧です。


 以下、僕が考えるナンナンをご紹介します。


①餅をノドに詰めるジジイ 1ナンナン
 正月になると、餅をノドに詰める老人が続出します。テレビでも連日報道されるなど、年初の風物詩といっても
いいでしょう。


 ですがこれ、詰めた本人にも責任あると思いません?よく考えたら自業自得やと思いませんか?


 これだけ毎年騒がれるわけですから、老人自身もリスキーなのは自覚しています。なのに「それでもおいしいから食べたい!」と、周りの迷惑を承知で口にしているのです。


 ふざけんなよ、ジジイこの野郎!お前は家でおとなしく箱根駅伝でも見とけやコラ!「みんな、はえー!」みたいなワケのわからんこと言いながらよ!


 「ウグッ」


 ウグッやあるか、お前!悪いけど俺は助けんぞお前みたいな勝手なジジイ!苦しんでる中、「おじいちゃん、自分で救急車呼び。はいこれ受話器、はい1を押して、はい次は1と9をって、逝くやんけこれ!逝かんように助け求めてんのに1と9押してるやんけフフフ」とか言ったるわ!この歳でまだお年玉くれるんやったら話は別やけどよ!


 しかもジジイは歯が弱いくせに、オカキを食べたがります。前歯が折れたら差し歯を新調させられるのは、家族です。なのにその迷惑も考えず、なんやったらカッチコチのオカキのほうを好んで食べやがるのです。


 なんでカッチコチに手出すねん!前歯の偏差値考えて塗れオカキとかにせいや!お前の下の息子がもうカッチコチにならへんかどうか知らんけどよ!


 「オカキには熱いお茶が合うわ~~」


 なんやねん、それ!ジジイようこれ言うけど熱いお茶なんてなんにでも合うわコラ!冷たいお茶に対してさえ合うわ!


 「わしはもう、いつ死んでもいいと思っとる」


 じゃあ死んでくれや!これもジジイよう言うけどだったら周りの空気読んでとっとと利根川あたりに身投げてくれや!ただ遺産はちゃんと入ってくるように手配だけはしといてくれよ!こちとらそれ目当てでいまだにやりたくもない肩叩きやってやってるんやからよ!「おじいちゃん、肩こったら遠慮せんといつでも言ってよ」ってこんなときだけ孫らしいかわいい一面見せてるんやからよ!


 この話は、「戦時のイラクに行って捕まった人は自業自得なので助ける必要がない」というのと同じロジックです。救急車を呼ぶのは税金を使います。危険性が高いのを知っているのに、個人的な嗜好を優先して発生した問題に国費を使わされるのは、筋が通らないでしょう。


②魚の煮付け 2ナンナン
 煮付ける、という調理法があります。魚を中心にミリンやしょう油で煮て味付けするのですが、これ、「煮付
けたところでどうやねん!」って思いません?「なんでわざわざそんなことすんの!?」と思いませんか?


 魚なんて焼いたらいいんですよ。煮付けたところでそれほどおいしくなるわけでもなく、魚は元々、食べられる身の部分が少ないです。「あのちょっとを食べるためだけになんでわざわざそんな手間のかかることすんの?5時間も台所を離れられずにコトコト煮て、強火にしたり弱火にしたりして苦労したのに1分ぐらいで食われんねんで?しかも全然おいしくないねんで?」と首を傾げざるをえません。ご飯のおかずにもなりにくいですし、ハラペコで帰宅したのに、テーブルの上に魚の煮付けが置いてあったときの絶望感は半端ではないのです。


 煮付けんなよコラ!煮付けなんて老いぼれだけに食わしとったらええねん!戦中派の飯じゃあんなもんは!クソジジイは二言目には「ばあさん、また煮付けてんか」やからな!あいつらはもうすぐ死んで焼かれること知って

るから生きてるあいだは焼くじゃなくて煮るほう選びたがりよるからな!


 もちろん、中には、煮付けが好き、という人もいるかもしれません。ただよく考えてください、あれほんまにおいしいですか?「あったら食べるけど!」ぐらいのはずで、店に行ってお金払ってまで食べたいとは思わないでしょ?もし近所の人が「鯛の刺身」「鯛の塩焼き」「鯛の煮付け」を3つ持ってきてこの中から1つあげると言われたら煮付けは真っ先に消えるでしょ?どう考えても刺身を選ぶでしょ?


 僕の近所に、煮付けを得意としてるババアがいます。朝起きて煮付けて寝て起きて煮付けてみたいに、隙があったら煮付けます。「ノー煮付けノーライフ」みたいなババアで、煮付けた料理の数々を近所に配り歩いてるのですが、正直、うれしくもなんともありません。なので一度、煮付けようのない、うちの父親が畑で栽培してるゴーヤをちぎって渡してやったのですが、これも煮付けてきたのです。


 なんでゴーヤ煮付けんねん!なんぼほど煮付けたら気が済むねんこのババア!もうオカルトやわここまで煮付けられたら!


 「煮付けといたよ!」


 煮付けといたよやあるか、お前!ここまで煮付けられたらもう、俺がこないだお前んところの孫にと渡したったお年玉も煮付けられてるような気がしてきたわ!


 煮付け好きの人がいたら申し訳ないですが、僕は煮付けなんてこの世からなくなればいいと思ってます。食べられるのはサバの味噌煮だけで、何がおいしいのかまったくわかりません。


③粘るハゲ 3ナンナン
 世の中には、頭髪の薄い人がいます。もちろん、それ自体はなんら問題ありません。ショーン・コネリーのよう
に、ハゲてることがむしろプラスに働いているダンディーな人もいるのですが、中には往生際の悪いハゲがいます。僕はこの種のハゲを「粘るハゲ」と呼んでおり、一番多いのが、周囲の残っている毛を無理矢理引っ張って中心部に持ってきているハゲです。


 その粘っている感じが、たまらなく見苦しいです。「俺はハゲじゃないよ!」と。大ハゲのくせに、「右側にあるヤツを中心部に持ってきたから俺はハゲてませんよ!」と主張するかのごとくハゲてる現実を認めようとしないのです。


 ハゲやねん、お前!現実を受け入れろや!地上の星やねん、お前のそのピッカリ!


 上から見たら、ペナントを貼り付けてるようなヤツもいます。1番ひどいのがいわゆる「バーコード」というヤツで、中には真っ白な頭皮の上に黒い線が5、6本あるだけのピアノみたいなヤツがいるのです。


 練習したろか、そこでピアノの!お前にこれ以上粘らせんようにそこで『別れの曲』弾いたろか!髪表会に向けてよ!


 僕の仕事の上司に、このピアノがいます。60過ぎの人で、頭皮も白いことから、典型的なピアノバーコードです。いい歳して粘りに粘っており、先日、「孫の奈々にこないだピアノせがまれてよ!」って言ったんですよ。


 頭を突き出せ、お前!「奈々ちゃん、はいこれピアノ!」とか言って頭を突き出せ!ただストレートに見せたら気持ち悪すぎて奈々ちゃん気絶しよるからピアノみたいに赤の布かぶせろよ!


 「あかん!って断ったんやけどしつこく粘られてよ!」


 お前もしつこく粘っとるやろ!粘りまくりやろこの大ハゲがコラ!その頭で奈々ちゃんにさっさと別れの曲弾いてもらえコラ!


 ハゲていることは、ちっとも恥ずかしくありません。粘ったり隠したりするからかっこ悪いわけで、変な小細工はやめたほうがいいでしょう。


④獅子舞 4ナンナン
 これも意味がわかりません。言いたいことがたくさんあり、まずこれ、見た目が気持ち悪すぎるんですよ。「獅
子」とかいっておきながらライオンとは思えないような気持ち悪い顔面をしており、しかも髪の毛がなぜかオール白髪なのです。


 どう思われたいねん、お前!オール白髪ってお前、田舎の金ないババアやないねんぞ!


 「ウエー!」


 ウエーやあるか、お前!どっか行けや、コラ!一応努力賞として発泡酒買えるだけの小銭はつかましたるからよ


 見た目だけではなく、踊りも意味がわかりません。獅子舞のくせに「舞う」などもってのほか、「とりあえず手くねらせておけばええやろ!」とばかりに適当に体を動かしてやがるのです。


 何がしたいねん、お前!観客に何を伝えたいのお前は!?


 「ウエー!」


 ウエーやないねん、だから!孤児院でやれ、そんなこと!孤児院やったらウケるわ、そんなしょうもない芸でも!あっこのヤツは何見ても新鮮に感じよるから!適当に紙芝居見せてキャベツ太郎でも配っといたらそれで満足するような連中やからあいつら!


 僕の地元では、季節ごとに大きなお祭りが行われます。毎回妙な獅子舞が現れて各家を訪問し、ならわしとして、お菓子や食べ物を渡してあげなければなりません。しかも来た手前、「うおー!獅子舞や!」的なことを言っ

て驚いたフリをせざるをえず、相手するのがだるくて仕方がないんですね。


 今年の春先は、前足と後ろ足で2人入ったヤツが来ました。僕の前で体を動かし始めたのですが、正直、うっとうしいです。お菓子を与えず、腕を組んで1分近く無視していたところ、しびれを切らしたのでしょう。後ろ足のヤツが踊りに紛らせて僕の耳元に近づき、小声で「まだ?」って言ったんですよ。


 言うてまうな、お前!曲がりなりにも獅子舞やねんからキャラ壊すなよ!


 「お菓子まだかな?」


 やかましいわ、コラ!お前もうそこの生ゴミ持って帰れ!その袋に自らも入って捨てられるという計算の上でよ


 獅子舞をやったところで、得する人は誰もいません。見せられても、「だから何なん?」としか言いようがなく、今すぐにでもやめるべき文化でしょう。


⑤あつかましいオバハン 5ナンナン
 オバハンという人種は、例外なくあつかましいです。加齢とともにオッサン化が著しく、みなさまもオバハンか
ら一度は被害を受けたことがあるでしょう。


 なかでも、大阪のオバハン。


 大阪のオバハンのあつかましさだけは、尋常ではありません。シャレにならないレベルのオバハンがいて、最近、駅の周囲で、ホームレスが「ビッグイッシュー」という雑誌を販売しています。1冊300円で、売ったホームレスに160円の収入が入るボランティア商売なのですが、先日、そのビッグイッシューを値切ろうとしてるオバハンがいたのです。


 お前、それ値切るか普通!?それと仏壇だけは値切ったらあかんやろ!


 「30円にしてや」


 9割引きなん!?10円3枚しか渡す気ないの自分!?戦後の混乱期やないよね今!?


 「無理ですよ!」


 「あんたはホームレスやろ。いつも無理してるやないの」


 そういう問題じゃないねん!体が無理してるかどうか知らんけど商売はまた意味違うやろ!


 真顔で言ってるんですよ、こんなことを。断ったホームレスに、「あんたは一生、ルン○ンやってい!」とべらぼうな暴言を飛ばすなど、犯罪レベルであつかましいのです。


 この人に負けず劣らず、僕の母親も、典型的な大阪のオバハンです。値切るのは当たり前、先日、僕が家のトイレで大便をしていたときのことです。


 部屋のインターホンが鳴り、母親が玄関に出ました。トイレの窓が開いていることから、会話が丸聞こえです。どうやら新聞の販売員が契約の更新にきたようで、1年契約が切れたみたいです。僕はさして気にもとめず用を足していたのですが、うちの母親が「2年契約にしてあげるから、最初の1年分の新聞代を0にして」と要求しているのです。


 1年契約やんけそれ!最初の1年はいったいなんやねんそれ!たち悪っ、このオバハン!話の持って行き方がのび太に対するジャイアンと一緒!


 「奥さん、いくらなんでもそれは無理ですわ!」


 「それがイヤやったら1年契約やわ。1年の何ヶ月分やったら無料にできんのあんた?」


 「…………わかりました、3ヶ月無料にします。しかも何かオプションつけます」


 「何つけてくれんの?車かなんか?」


 「車は無理ですよ、奥さん!」


 「だったら、うちもうすぐ車検やから車検代出してや」


 むちゃ言うなよ、お前!そもそも新聞代より車検代のほうが高いやろ!誰がうんとか言うねんこんな北朝鮮まがいの交渉の仕方されてよ!


 新聞屋は、「奥さん、車検ぐらいご自分でやってくださいよ!」と声を張り上げました。すると返す刀でうちの母親が、コウモリ落ちてきそうなほどの大声で「天下の朝日がえらい落ちぶれましたね!!!」って言ったんですよ。


 ええ加減にせいよ、コラ!俺、急に下痢なったわ!体イカれてまうわ、肉親に世間様でこんなことやられてたら!今やったら俺、犯罪の加害者家族の気持ちわかるわ!


 結局、購読料3ヶ月無料に加え、ビール40本、洗剤2つ、土日にスポーツ新聞をつけさせ、あとなんか意味わからないんですけど、イカの塩辛2本もらってましたからね。ムチャクチャもムチャクチャで、この親から産まれたことがショックでしばらく下痢続きましたから。


⑥ファミレスで打ち合わせをするヤクザ 6ナンナン
 仕事柄、ちょっとした打ち合わせはファミレスで済ませます。その際、何回かに1回は必ず、近くの席にヤクザ
がいるのです。


 大阪という土地柄もあるのでしょう。「どこに行ったらその服売ってんの?」というぐらい派手な格好をしており、先日なんて首に金のネックレスを2つし、紫の上下で決めてるヤクザがサラダバーでおもいっきりサクランボ入れてきやがったのです。


 おもろすぎるわ、お前!ちょっと待って、ヤクザがサクランボ食べんの!?スケ抱きまくってる連中がこんなときだけチェリーボーイなんや!?


 「癖なるわ、これ」


 なんでハマんねん、お前!癖なるんはシャブだけにしとけやコラ、ってちょっと待って、一味のひとりがメニューのパフェのところめっちゃうれしそうに見てんねんけど!?イチゴヨーグルトサンデーにやたらと興味示してんねんけど!?


 ほんまに多いんですよ、大阪のファミレスにヤクザ。ファミリーの意味を勘違いしてるのかどうか知りませんけど、一般の客に普通に紛れ込んでいます。ドリンクバーでなっちゃんとか飲みながらえげつない話をしやがるので、こっちは打ち合わせに集中できないんですね。


 僕が毎週使ってるファミレスは、近くにその手の事務所が多いです。必然的にその筋の人が多く、混雑時に、待ち合い表に名前書いて待ってるヤツおるんですよ。2メートル近い大男が当たり前のように名前を記入し、過去に一度、禁煙席のほうに○してるヤツがいたのです。


 タバコ吸わんのヤクザが!?副流煙苦手なヤクザとかおんの!?


 「3名でお待ちの早乙女さま?」


 名字かわいいな、おい!ちょっと待って、名字が早乙女のヤツとかおんのヤクザに!?小野田とか三好とかいかつい名前のヤツしかおらんイメージやねんけど早乙女とかいうヤツがチャカ握ってんの!?違う意味で戸籍買え、お前は!犯罪に利用するためじゃなく恥ずかしさやわらげるために戸籍買えコラ!


 こんなことなど日常茶飯事で、つい先日も、僕の前のテーブル席にヤクザが4人座りました。顔に傷のあるベタな集団なのですが、店員が来るやいなや、めちゃくちゃ低い声で「ランチ、4つ」って言ったんですよ。


 ランチ食うのヤクザが!?額に十字の傷あるヤクザがOLの隣でリンチじゃなくてランチとか言うの!?日ごろドス振り回してる手でオニオンスープとか入れに行くんや!?


 「ハンバーグのほう、タレはどうされますか?」


 「青じそで」


 あっさりにして食うの!?人の目も気にせんと暴力振るうようなヤツがカロリーは気にするんや!?


 「俺も青じそ」


 「俺も」


 どうなってねんこのヘルシー団体!なんでデミグラスソース無視して青じそつくってる農家の人に仁義切りたがんねん!


 「俺は普通のヤツで」


 どういうことやねん!お前らの普通は俺らの普通じゃないねん!ヤクザに「普通のヤツで」とか言われたら生き血をタレにして出さなあかんみたいやんけ!


 しかもこの団体、会計のときにTカード出してましたからね。テカってるワニ皮の財布から黄色のカードを出しやがったので、おかしくて仕方がなかったですよ。



 そして、最後。これはナンナンどころの話ではありません。ナンナンなんて言い方では済まされず、オカルト的な意味合いもあることから、「カイキ」に認定したいと思います。


⑦さまよう陰毛 1カイキ
 この世界に、陰毛ほど得体の知れない物体はありません。なぜなら、世の中のあらゆる場所に付着しているから
です。財布、本の中、携帯のバッテリーの裏――。「なんでこんなところについてんの!?」と思わされることなどザラで、先週の日曜日に法事があったのですか、配られた般若心経のページに陰毛挟まってたんですよ!


 なんでやねん、お前!何がどうなったらこんなところに挟まんねん!そもそもいつから挟まっとんねんこれ!何回忌やねん、この陰毛!


 「なんまんだぶ、なんまんだぶ……」


 言えるか、俺!このシーンとした空気のなか俺だけ手震えとるわ今!俺だけほんまに諸行無常やわ!


 チーン!


 チンチンってこと!?こんなゲスい教典渡されたらチンチンのことに聞こえんねんけどその音!?さっさと成仏せいやコラ、この陰毛!


 この手のことが、過去に何度もありました。陰毛にまつわるエピソードだけで本一冊書けそうなぐらい何度も遭遇しており、マジで一度、仕事相手が「お世話になっております」と言いながら渡してきた名刺の上に陰毛載ってたんですよ


 受け取れるか、お前!こんないかつい名刺受け取れるかボケ!広告企画やってるかどうか知らんけどなんのプロモーションやねんこれ!


 「お噂は聞いてますよ」


 お前のほうが噂なるわ!広まって東スポ載るわ、この事件!「電通マン、『こういう者ですわたし』と言いながら陰毛わたす!』みたいな見出しで一面飾れるわ!


 それでも、これらは、まだましです。僕が大学に入学したてのころに、本当にシャレにならない「事件」があったのです。


 その日、僕は中国語の授業を受けていました。僕の隣の席には、かわいい女の子がいます。僕はひそかにこの子に思いを寄せており、何かキッカケはつかめないかと悶々としていたところ、チャンスは訪れました。その日、その子が中国語の教科書を忘れたのです。


 「よかったらこれ、一緒に見る?」


 先生が教科書を音読し始めたのを見て、僕は声をかけました。彼女は「ありがとう」と、ニコリと笑って返してくれます。「よっしゃ。これをキッカケに距離を縮めよう!」とテンションが上がってきたのですが、カバンから取り出して開いたページにしおりみたいなノリで陰毛挟まってたんですよ!


 シャレならんわ、おい!俺らの視線の先に陰毛あるやんけ!自分から見せた手前ただの変態やんけ俺!


 しかも運悪く、なかなか次のページに行ってくれません。生きた心地がせず、彼女もそのことに気づいている様子。「なんとかして処理しないと!」と焦った僕は、陰毛を追いやるために彼女にバレないようにフーっと息を吐きかけたのですが、緊張で息の加減を誤まって彼女の服のほうに飛んでいったんですよ!


 勘弁してくれよ、おい!あかん、もう自主退学しよっかな俺!ショックすぎてこの先キャンパスライフ送る自信ないわ!答えを求めにもうインドに行くしかないわ!


 もうね、ここまでひどいと、シャーペンのボタン押したら穴から芯の代わりに陰毛出てきたみたいなことがあっても驚けないですよ。何があっても不思議じゃなく、映画の『らせん』みたいに増殖している可能性も0ではないですから。



 以上が、今回の考察です。


 ちなみに余談ですが、先日、僕の部屋の電灯が切れました。取り替えようとカバーをはずしたところ、カバーの中に虫の死体に混じって陰毛2本入ってました。



楽しく生き抜くための 笑いの仕事術/


2012年05月12日

これは何なのか?の考察⑧(携帯読者用)

テーマ:ナンナン
 僕がよく行く競馬場の近くに、一軒のラーメン屋さんがあります。その界隈では有名なお店で、スープがとてもおいしいことから、僕は月に何度も通っています。

 このお店は、禁煙です。店内の壁に『禁煙』と貼り紙がしてあるのですが、厨房の店員が当たり前のようにタバコを吸っているのです。

 なめてんのか、お前!厨房だけなんで治外法権やねん!

 普通に吸ってるんですよ。くわえタバコで調理してることなどザラで、貼り紙は関係ないのかなと思って一度、カウンター席から「すいません、灰皿ください」とお願いしたところ、くわえタバコの店員が「すいません、うち、禁煙なんですよ」って言ったんですよ。

 どういうことやねん、お前!マジで何言ってんの自分!?

 「いや、でも店員さん、今、吸ってるじゃないですか」

 「すいません、ちょっと我慢できなくて……」

 ふざけてんのか、コラ!正気か、お前!そんなことやるんやったら俺、「禁円」と解釈して金払わんぞコラ!

 これ、マジですからね。自分がタバコを吸いながら、客のタバコを注意してきます。店員の態度も適当で、勘定を頻繁に間違えます。5回に1回ぐらいは替え玉の料金を取り忘れるなど、客にいいヤツなのか悪いヤツなのかわかんないんですね。

 僕は、世の中の「これ、何なん?」と思わずにはいられない人・物・事を、「ナンナン」と単位化しています。この「言ってることとやってることが違う店員」はナンナンにほかならず、「何なん?」としか言いようがないのです。

 そこで今回は、「これは何なのか?」の考察⑧です。

 以下、僕が考えるナンナンをご紹介します。

①餅をノドに詰めるジジイ 1ナンナン
 正月になると、餅をノドに詰める老人が続出します。テレビでも連日報道されるなど、年初の風物詩といってもいいでしょう。

 ですがこれ、詰めた本人にも責任あると思いません?よく考えたら自業自得やと思いませんか?

 これだけ毎年騒がれるわけですから、老人自身もリスキーなのは自覚しています。なのに「それでもおいしいから食べたい!」と、周りの迷惑を承知で口にしているのです。

 ふざけんなよ、ジジイこの野郎!お前は家でおとなしく箱根駅伝でも見とけやコラ!「みんな、はえー!」みたいなワケのわからんこと言いながらよ!

 「ウグッ」

 ウグッやあるか、お前!悪いけど俺は助けんぞお前みたいな勝手なジジイ!苦しんでる中、「おじいちゃん、自分で救急車呼び。はいこれ受話器、はい1を押して、はい次は1と9をって、逝くやんけこれ!逝かんように助け求めてんのに1と9押してるやんけフフフ」とか言ったるわ!この歳でまだお年玉くれるんやったら話は別やけどよ!

 しかもジジイは歯が弱いくせに、オカキを食べたがります。前歯が折れたら差し歯を新調させられるのは、家族です。なのにその迷惑も考えず、なんやったらカッチコチのオカキのほうを好んで食べやがるのです。

 なんでカッチコチに手出すねん!前歯の偏差値考えて塗れオカキとかにせいや!お前の下の息子がもうカッチコチにならへんかどうか知らんけどよ!

 「オカキには熱いお茶が合うわ~~」

 なんやねん、それ!ジジイようこれ言うけど熱いお茶なんてなんにでも合うわコラ!冷たいお茶に対してさえ合うわ!

 「わしはもう、いつ死んでもいいと思っとる」

 じゃあ死んでくれや!これもジジイよう言うけどだったら周りの空気読んでとっとと利根川あたりに身投げてくれや!ただ遺産はちゃんと入ってくるように手配だけはしといてくれよ!こちとらそれ目当てでいまだにやりたくもない肩叩きやってやってるんやからよ!「おじいちゃん、肩こったら遠慮せんといつでも言ってよ」ってこんなときだけ孫らしいかわいい一面見せてるんやからよ!

 この話は、「戦時のイラクに行って捕まった人は自業自得なので助ける必要がない」というのと同じロジックです。救急車を呼ぶのは税金を使います。危険性が高いのを知っているのに、個人的な嗜好を優先して発生した問題に国費を使わされるのは、筋が通らないでしょう。

②魚の煮付け 2ナンナン
 煮付ける、という調理法があります。魚を中心にミリンやしょう油で煮て味付けするのですが、これ、「煮付けたところでどうやねん!」って思いません?「なんでわざわざそんなことすんの!?」と思いませんか?

 魚なんて焼いたらいいんですよ。煮付けたところでそれほどおいしくなるわけでもなく、魚は元々、食べられる身の部分が少ないです。「あのちょっとを食べるためだけになんでわざわざそんな手間のかかることすんの?5時間も台所を離れられずにコトコト煮て、強火にしたり弱火にしたりして苦労したのに1分ぐらいで食われんねんで?しかも全然おいしくないねんで?」と首を傾げざるをえません。ご飯のおかずにもなりにくいですし、ハラペコで帰宅したのに、テーブルの上に魚の煮付けが置いてあったときの絶望感は半端ではないのです。

 煮付けんなよコラ!煮付けなんて老いぼれだけに食わしとったらええねん!戦中派の飯じゃあんなもんは!クソジジイは二言目には「ばあさん、また煮付けてんか」やからな!あいつらはもうすぐ死んで焼かれること知ってるから生きてるあいだは焼くじゃなくて煮るほう選びたがりよるからな!

 もちろん、中には、煮付けが好き、という人もいるかもしれません。ただよく考えてください、あれほんまにおいしいですか?「あったら食べるけど!」ぐらいのはずで、店に行ってお金払ってまで食べたいとは思わないでしょ?もし近所の人が「鯛の刺身」「鯛の塩焼き」「鯛の煮付け」を3つ持ってきてこの中から1つあげると言われたら煮付けは真っ先に消えるでしょ?どう考えても刺身を選ぶでしょ?

 僕の近所に、煮付けを得意としてるババアがいます。朝起きて煮付けて寝て起きて煮付けてみたいに、隙があったら煮付けます。「ノー煮付けノーライフ」みたいなババアで、煮付けた料理の数々を近所に配り歩いてるのですが、正直、うれしくもなんともありません。なので一度、煮付けようのない、うちの父親が畑で栽培してるゴーヤをちぎって渡してやったのですが、これも煮付けてきたのです。

 なんでゴーヤ煮付けんねん!なんぼほど煮付けたら気が済むねんこのババア!もうオカルトやわここまで煮付けられたら!

 「煮付けといたよ!」

 煮付けといたよやあるか、お前!ここまで煮付けられたらもう、俺がこないだお前んところの孫にと渡したったお年玉も煮付けられてるような気がしてきたわ!

 煮付け好きの人がいたら申し訳ないですが、僕は煮付けなんてこの世からなくなればいいと思ってます。食べられるのはサバの味噌煮だけで、何がおいしいのかまったくわかりません。

③粘るハゲ 3ナンナン
 世の中には、頭髪の薄い人がいます。もちろん、それ自体はなんら問題ありません。ショーン・コネリーのように、ハゲてることがむしろプラスに働いているダンディーな人もいるのですが、中には往生際の悪いハゲがいます。僕はこの種のハゲを「粘るハゲ」と呼んでおり、一番多いのが、周囲の残っている毛を無理矢理引っ張って中心部に持ってきているハゲです。

 その粘っている感じが、たまらなく見苦しいです。「俺はハゲじゃないよ!」と。大ハゲのくせに、「右側にあるヤツを中心部に持ってきたから俺はハゲてませんよ!」と主張するかのごとくハゲてる現実を認めようとしないのです。

 ハゲやねん、お前!現実を受け入れろや!地上の星やねん、お前のそのピッカリ!

 上から見たら、ペナントを貼り付けてるようなヤツもいます。1番ひどいのがいわゆる「バーコード」というヤツで、中には真っ白な頭皮の上に黒い線が5、6本あるだけのピアノみたいなヤツがいるのです。

 練習したろか、そこでピアノの!お前にこれ以上粘らせんようにそこで『別れの曲』弾いたろか!髪表会に向けてよ!

 僕の仕事の上司に、このピアノがいます。60過ぎの人で、頭皮も白いことから、典型的なピアノバーコードです。いい歳して粘りに粘っており、先日、「孫の奈々にこないだピアノせがまれてよ!」って言ったんですよ。

 頭を突き出せ、お前!「奈々ちゃん、はいこれピアノ!」とか言って頭を突き出せ!ただストレートに見せたら気持ち悪すぎて奈々ちゃん気絶しよるからピアノみたいに赤の布かぶせろよ!

 「あかん!って断ったんやけどしつこく粘られてよ!」

 お前もしつこく粘っとるやろ!粘りまくりやろこの大ハゲがコラ!その頭で奈々ちゃんにさっさと別れの曲弾いてもらえコラ!

 ハゲていることは、ちっとも恥ずかしくありません。粘ったり隠したりするからかっこ悪いわけで、変な小細工はやめたほうがいいでしょう。

④獅子舞 4ナンナン
 これも意味がわかりません。言いたいことがたくさんあり、まずこれ、見た目が気持ち悪すぎるんですよ。「獅子」とかいっておきながらライオンとは思えないような気持ち悪い顔面をしており、しかも髪の毛がなぜかオール白髪なのです。

 どう思われたいねん、お前!オール白髪ってお前、田舎の金ないババアやないねんぞ!

 「ウエー!」

 ウエーやあるか、お前!どっか行けや、コラ!一応努力賞として発泡酒買えるだけの小銭はつかましたるからよ!

 見た目だけではなく、踊りも意味がわかりません。獅子舞のくせに「舞う」などもってのほか、「とりあえず手くねらせておけばええやろ!」とばかりに適当に体を動かしてやがるのです。

 何がしたいねん、お前!観客に何を伝えたいのお前は!?

 「ウエー!」

 ウエーやないねん、だから!孤児院でやれ、そんなこと!孤児院やったらウケるわ、そんなしょうもない芸でも!あっこのヤツは何見ても新鮮に感じよるから!適当に紙芝居見せてキャベツ太郎でも配っといたらそれで満足するような連中やからあいつら!

 僕の地元では、季節ごとに大きなお祭りが行われます。毎回妙な獅子舞が現れて各家を訪問し、ならわしとして、お菓子や食べ物を渡してあげなければなりません。しかも来た手前、「うおー!獅子舞や!」的なことを言って驚いたフリをせざるをえず、相手するのがだるくて仕方がないんですね。

 今年の春先は、前足と後ろ足で2人入ったヤツが来ました。僕の前で体を動かし始めたのですが、正直、うっとうしいです。お菓子を与えず、腕を組んで1分近く無視していたところ、しびれを切らしたのでしょう。後ろ足のヤツが踊りに紛らせて僕の耳元に近づき、小声で「まだ?」って言ったんですよ。

 言うてまうな、お前!曲がりなりにも獅子舞やねんからキャラ壊すなよ!

 「お菓子まだかな?」

 やかましいわ、コラ!お前もうそこの生ゴミ持って帰れ!その袋に自らも入って捨てられるという計算の上でよ!

 獅子舞をやったところで、得する人は誰もいません。見せられても、「だから何なん?」としか言いようがなく、今すぐにでもやめるべき文化でしょう。

⑤あつかましいオバハン 5ナンナン
 オバハンという人種は、例外なくあつかましいです。加齢とともにオッサン化が著しく、みなさまもオバハンから一度は被害を受けたことがあるでしょう。

 なかでも、大阪のオバハン。

 大阪のオバハンのあつかましさだけは、尋常ではありません。シャレにならないレベルのオバハンがいて、最近、駅の周囲で、ホームレスが「ビッグイッシュー」という雑誌を販売しています。1冊300円で、売ったホームレスに160円の収入が入るボランティア商売なのですが、先日、そのビッグイッシューを値切ろうとしてるオバハンがいたのです。

 お前、それ値切るか普通!?それと仏壇だけは値切ったらあかんやろ!

 「30円にしてや」

 9割引きなん!?10円3枚しか渡す気ないの自分!?戦後の混乱期やないよね今!?

 「無理ですよ!」

 「あんたはホームレスやろ。いつも無理してるやないの」

 そういう問題じゃないねん!体が無理してるかどうか知らんけど商売はまた意味違うやろ!

 真顔で言ってるんですよ、こんなことを。断ったホームレスに、「あんたは一生、ルン○ンやってい!」とべらぼうな暴言を飛ばすなど、犯罪レベルであつかましいのです。

 この人に負けず劣らず、僕の母親も、典型的な大阪のオバハンです。値切るのは当たり前、先日、僕が家のトイレで大便をしていたときのことです。

 部屋のインターホンが鳴り、母親が玄関に出ました。トイレの窓が開いていることから、会話が丸聞こえです。どうやら新聞の販売員が契約の更新にきたようで、1年契約が切れたみたいです。僕はさして気にもとめず用を足していたのですが、うちの母親が「2年契約にしてあげるから、最初の1年分の新聞代を0にして」と要求しているのです。

 1年契約やんけそれ!最初の1年はいったいなんやねんそれ!たち悪っ、このオバハン!話の持って行き方がのび太に対するジャイアンと一緒!

 「奥さん、いくらなんでもそれは無理ですわ!」

 「それがイヤやったら1年契約やわ。1年の何ヶ月分やったら無料にできんのあんた?」

 「…………わかりました、3ヶ月無料にします。しかも何かオプションつけます」

 「何つけてくれんの?車かなんか?」

 「車は無理ですよ、奥さん!」

 「だったら、うちもうすぐ車検やから車検代出してや」

 むちゃ言うなよ、お前!そもそも新聞代より車検代のほうが高いやろ!誰がうんとか言うねんこんな北朝鮮まがいの交渉の仕方されてよ!

 新聞屋は、「奥さん、車検ぐらいご自分でやってくださいよ!」と声を張り上げました。すると返す刀でうちの母親が、コウモリ落ちてきそうなほどの大声で「天下の朝日がえらい落ちぶれましたね!!!」って言ったんですよ。

 ええ加減にせいよ、コラ!俺、急に下痢なったわ!体イカれてまうわ、肉親に世間様でこんなことやられてたら!今やったら俺、犯罪の加害者家族の気持ちわかるわ!

 結局、購読料3ヶ月無料に加え、ビール40本、洗剤2つ、土日にスポーツ新聞をつけさせ、あとなんか意味わからないんですけど、イカの塩辛2本もらってましたからね。ムチャクチャもムチャクチャで、この親から産まれたことがショックでしばらく下痢続きましたから。

⑥ファミレスで打ち合わせをするヤクザ 6ナンナン
 仕事柄、ちょっとした打ち合わせはファミレスで済ませます。その際、何回かに1回は必ず、近くの席にヤクザがいるのです。

 大阪という土地柄もあるのでしょう。「どこに行ったらその服売ってんの?」というぐらい派手な格好をしており、先日なんて首に金のネックレスを2つし、紫の上下で決めてるヤクザがサラダバーでおもいっきりサクランボ入れてきやがったのです。

 おもろすぎるわ、お前!ちょっと待って、ヤクザがサクランボ食べんの!?スケ抱きまくってる連中がこんなときだけチェリーボーイなんや!?

 「癖なるわ、これ」

 なんでハマんねん、お前!癖なるんはシャブだけにしとけやコラ、ってちょっと待って、一味のひとりがメニューのパフェのところめっちゃうれしそうに見てんねんけど!?イチゴヨーグルトサンデーにやたらと興味示してんねんけど!?

 ほんまに多いんですよ、大阪のファミレスにヤクザ。ファミリーの意味を勘違いしてるのかどうか知りませんけど、一般の客に普通に紛れ込んでいます。ドリンクバーでなっちゃんとか飲みながらえげつない話をしやがるので、こっちは打ち合わせに集中できないんですね。

 僕が毎週使ってるファミレスは、近くにその手の事務所が多いです。必然的にその筋の人が多く、混雑時に、待ち合い表に名前書いて待ってるヤツおるんですよ。2メートル近い大男が当たり前のように名前を記入し、過去に一度、禁煙席のほうに○してるヤツがいたのです。

 タバコ吸わんのヤクザが!?副流煙苦手なヤクザとかおんの!?

 「3名でお待ちの早乙女さま?」

 名字かわいいな、おい!ちょっと待って、名字が早乙女のヤツとかおんのヤクザに!?小野田とか三好とかいかつい名前のヤツしかおらんイメージやねんけど早乙女とかいうヤツがチャカ握ってんの!?違う意味で戸籍買え、お前は!犯罪に利用するためじゃなく恥ずかしさやわらげるために戸籍買えコラ!

 こんなことなど日常茶飯事で、つい先日も、僕の前のテーブル席にヤクザが4人座りました。顔に傷のあるベタな集団なのですが、店員が来るやいなや、めちゃくちゃ低い声で「ランチ、4つ」って言ったんですよ。

 ランチ食うのヤクザが!?額に十字の傷あるヤクザがOLの隣でリンチじゃなくてランチとか言うの!?日ごろドス振り回してる手でオニオンスープとか入れに行くんや!?

 「ハンバーグのほう、タレはどうされますか?」

 「青じそで」

 あっさりにして食うの!?人の目も気にせんと暴力振るうようなヤツがカロリーは気にするんや!?

 「俺も青じそ」

 「俺も」

 どうなってねんこのヘルシー団体!なんでデミグラスソース無視して青じそつくってる農家の人に仁義切りたがんねん!

 「俺は普通のヤツで」

 どういうことやねん!お前らの普通は俺らの普通じゃないねん!ヤクザに「普通のヤツで」とか言われたら生き血をタレにして出さなあかんみたいやんけ!

 しかもこの団体、会計のときにTカード出してましたからね。テカってるワニ皮の財布から黄色のカードを出しやがったので、おかしくて仕方がなかったですよ。


 そして、最後。これはナンナンどころの話ではありません。ナンナンなんて言い方では済まされず、オカルト的な意味合いもあることから、「カイキ」に認定したいと思います。

⑦さまよう陰毛 1カイキ
 この世界に、陰毛ほど得体の知れない物体はありません。なぜなら、世の中のあらゆる場所に付着しているからです。財布、本の中、携帯のバッテリーの裏――。「なんでこんなところについてんの!?」と思わされることなどザラで、先週の日曜日に法事があったのですか、配られた般若心経のページに陰毛挟まってたんですよ!

 なんでやねん、お前!何がどうなったらこんなところに挟まんねん!そもそもいつから挟まっとんねんこれ!何回忌やねん、この陰毛!

 「なんまんだぶ、なんまんだぶ……」

 言えるか、俺!このシーンとした空気のなか俺だけ手震えとるわ今!俺だけほんまに諸行無常やわ!

 チーン!

 チンチンってこと!?こんなゲスい教典渡されたらチンチンのことに聞こえんねんけどその音!?さっさと成仏せいやコラ、この陰毛!

 この手のことが、過去に何度もありました。陰毛にまつわるエピソードだけで本一冊書けそうなぐらい何度も遭遇しており、マジで一度、仕事相手が「お世話になっております」と言いながら渡してきた名刺の上に陰毛載ってたんですよ!

 受け取れるか、お前!こんないかつい名刺受け取れるかボケ!広告企画やってるかどうか知らんけどなんのプロモーションやねんこれ!

 「お噂は聞いてますよ」

 お前のほうが噂なるわ!広まって東スポ載るわ、この事件!「電通マン、『こういう者ですわたし』と言いながら陰毛わたす!』みたいな見出しで一面飾れるわ!

 それでも、これらは、まだましです。僕が大学に入学したてのころに、本当にシャレにならない「事件」があったのです。

 その日、僕は中国語の授業を受けていました。僕の隣の席には、かわいい女の子がいます。僕はひそかにこの子に思いを寄せており、何かキッカケはつかめないかと悶々としていたところ、チャンスは訪れました。その日、その子が中国語の教科書を忘れたのです。

 「よかったらこれ、一緒に見る?」

 先生が教科書を音読し始めたのを見て、僕は声をかけました。彼女は「ありがとう」と、ニコリと笑って返してくれます。「よっしゃ。これをキッカケに距離を縮めよう!」とテンションが上がってきたのですが、カバンから取り出して開いたページにしおりみたいなノリで陰毛挟まってたんですよ!

 シャレならんわ、おい!俺らの視線の先に陰毛あるやんけ!自分から見せた手前ただの変態やんけ俺!

 しかも運悪く、なかなか次のページに行ってくれません。生きた心地がせず、彼女もそのことに気づいている様子。「なんとかして処理しないと!」と焦った僕は、陰毛を追いやるために彼女にバレないようにフーっと息を吐きかけたのですが、緊張で息の加減を誤まって彼女の服のほうに飛んでいったんですよ!

 勘弁してくれよ、おい!あかん、もう自主退学しよっかな俺!ショックすぎてこの先キャンパスライフ送る自信ないわ!答えを求めにもうインドに行くしかないわ!

 もうね、ここまでひどいと、シャーペンのボタン押したら穴から芯の代わりに陰毛出てきたみたいなことがあっても驚けないですよ。何があっても不思議じゃなく、映画の『らせん』みたいに増殖している可能性も0ではないですから。


 以上が、今回の考察です。

 ちなみに余談ですが、先日、僕の部屋の電灯が切れました。取り替えようとカバーをはずしたところ、カバーの中に虫の死体に混じって陰毛2本入ってました。



楽しく生き抜くための 笑いの仕事術/
2012年04月08日

安岡力也はどれだけすごいか?の考察(パソコン読者用)

テーマ:その他の考察


※安岡力也さんを偲んで、2008年・4月8日の記事を再アップ。


 先日、お酒の席で、「芸能界で1番ケンカが強いのは誰か?」が話題になりました。


 宴席では、年に何度か取り上げられる話題です。今回も、長渕剛、菅原文太、竹内力といった有名どころから、大木凡人、元チェッカ-ズの高杢、逆にデーブスペクターなど、たくさんの名前が飛び交いました。


 ですが毎回、ある人物の名前が出た瞬間、その場の全員が納得します。


 「やっぱりあいつか!」


 「どう見てもあいつやろ!」


 誰もが口をそろえて、議論に終止符が打たれるのです。


 そう、安岡力也です。


 ご存知のとおり、この人は百戦錬磨のケンカ番長です。耳を疑うような武勇伝にこと欠かず、なにしろ、愚連隊70人相手に乱闘して勝った、という逸話があるのです。


 70人ですよ、70人?こんなもん、あのケンシロウでもウンコ我慢しながらやったら負けるでしょ!?


 敵も、「70人集めないと力也には勝てない!」と判断したわけです。勝ち負け以前に、70人を集めさせたという事実自体が、人間という生物のカテゴリーを超えてしまっているでしょう。


 家に帰った僕は、安岡力也について詳しく調べました。


 するといろいろ出てきましたよ、武勇伝が。武勇伝、いや「神話」と呼んでも差し支えないほどのエピソードが山のように出てきたのです。


 そこで今回は、「安岡力也はどれだけすごいか?」の考察です。


 以下、安岡力也にまつわる神話をご紹介させていただきます。


①祖父がシシリアンマフィアである。
 いきなり、すごいのがきましたよ。


 他界した、力也さんの祖父。彼はアメリカンマフィアではなくイタリアンマフィアでもなく、シシリアンマフィアなのです。


 シシリアンマフィアですよ、シシリアンマフィア?言いにくくて噛みそうになる以前に、こんなもん怖すぎて舌噛むでしょ!?


 ヤフーでシシリアンマフィアを検索したら、シマンテックがウイルス検索を始めました。


 「名前が怖すぎてウイルスの可能性がある!」


 こう言わんばかりにウイルスを探し始め、検索エンジンもびびっているのか、心なしか検索スピードも遅かったほどなのです。


 僕はおびえながらも、シシリアンマフィアのことを特集したページにたどり着きました。勇気を出してページを開いたところ、そこに書かれてあったシシリアンマフィアの概要に、愕然としました。


 『シシリアンマフィアとは……ドン・カプチーノ一家に代表される、血で血を洗う抗争集団の俗称。爆弾を車に仕掛けるのを得意としており、ターゲットを拉致してリンチのうえ殺害。祝杯のワイン代わりとして血を飲み、死体は硫酸で溶かして処理する』


 怖すぎるわ、これ!モザイクいるわ、こんな文章!


 『抗争で顔面を破壊された者もおり、顔を紙袋で隠して生活する者もいる』


 ウォーズマンか!完全に幼少期のウォーズマンやんけ、それ!


 『ただ、家族の絆は強くて情にもろく、優しい一面もあるファミリーである』


 何のフォローやねん、これ!死体を硫酸で溶かすような奴が情にもろいとか知らんわ!「ビン・ラディンはハトにエサをやっていた」とか言われても感動せえへんのと同じや!


 これ、はっきり言いますけど、就職の面接で、履歴書の自己PRに「祖父がシシリアンマフィアです」と書いたら面接通してくれますよ。おびえた面接官が、「き、君はもう2次、3次はいいからすぐに社長に会ってくれ、いや、会ってください!」と口にして、即、幹部にしてもらえる可能性もあるでしょう。


②ケンカ6000戦無敗である。
 これは、恐ろしいどころの話ではないです。


 力也さんは、水を飲むぐらいのノリで相手を殴ります。通算で6000回ケンカをしており、そのすべてに勝利を収めているのです。


 サイヤ人か、お前!生粋の戦闘民族しかそんなに戦わんぞ!


 そもそも無敗という称号以前に、人と6000回もめたという事実が常軌を逸しています。


 力也さんは現在、59歳です。母親のお腹から出た瞬間、「早く出せよコラ!」と、すでに産婆とケンカしていたとしても、そのデビュー戦から数えて年間100戦以上こなしたことになるのです。


 お前、3日に1回のもめごとってなんやねん!スラム街にもおらんぞ、そんなバトルジャンキー!


 なにしろ、年間100戦です。「お前、雑草踏むなコラ!」とか、「二酸化炭素を吐き出しすぎだよてめえ!」などと無理矢理ケンカに持ち込まないことには、年100戦も消化できません。すれ違っただけの奴に、「てめえ、生きてんじゃねえよ!」といった無茶な理由でケンカを挑まないことには6000回もケンカにはならないんですね。


 しかも、これだけケンカしといて、1回も訴えられていません。逃げ足もすごく、もしくは、「警察にチクったらお前の6親等以内全員ブチ殺すからな!」的なことを言って口を封じているのでしょう。


 その結果、これね、友達の友達の友達の友達ぐらいなら、力也さんに殴られた奴に出くわしますよ。出くわさないとしたら、「言うと殺される=黙っている」からで、「3軒隣は力也の被害者」といっても過言ではないのです。


 言えないだけで、あなたのお住まいのマンションにも被害者が、もっと言えば、この国の引きこもり全員が力也さんの被害者である可能性もあります。「黙ってろよ、てめえ」とドスをきかされた人が、怖くて部屋を出られなくなっただけかもしれないのです。


 なにより、よく数えてたな、という話です。こんなに戦っていれば数は覚えられないでしょうから、これは子供のころから、「力也のケンカ帳」なる日記をつけている可能性が高いです。


 『今日は、山田君の腕をへし折りました!』


 『今日は雨が降って機嫌が悪かったので、佐藤君の口にフォークを突っ込んでアッパーをくらわしました!』


 『今日は暇だったので、留学生のトーマスを撲殺しました!死体処理のために、おやつを食べたあとにおじいちゃんから硫酸を借りて溶かしました!』


 血で染まったジャポニカに、このような日記をつけていたのでしょう。


③映画『自動車泥棒』で、混血児の少年役で芸能界デビュー。
 デビューの仕方1つとっても、普通ではありません。力也さんは、混血児の少年役でデビューしたのです。


 どんなデビューやねん、これ!そもそも『自動車泥棒』ってどんな映画やねん!淀川長治がどうコメントしたか知りたいわ!


 気になった僕は、力也さんの過去の出演映画を調べました。


 するとまあ、信じがたい出演作ばかりですよ。『野良猫ロック・セッ○スハンター』『不良番長・やらずぶったくり』『不良番長・のら犬機動隊』『直撃地獄拳・大逆転』といった耳を疑うような映画ばかりなのです。


 誰が観んねん、こんなクソ映画!直撃地獄拳って、小学生かお前!


 『ボディガード牙・必殺三角飛び』


 学園祭でやれ、そんな映画!無料にしてチラシに飴つけてたら2、3人は来てくれるわ!


 『不良番長・突撃一番』


 知らんがな、そんなもん!番長が何番目に突撃するとか興味ないわ!


 『不良番長・出たとこ勝負』


 不良番長多いねんさっきから!イライラしすぎて俺も不良になるわ!


 なのに、当の本人は平気です。ふざけた映画に出演し続け、しまいには『悪魔の毒毒モンスターが東京へ行く』という映画に主演で出たのです。


 お前、仕事選べよたまには!「お前、今どんな仕事してんの?」「毒毒で主演張ってます!」とは言えんやろいくらなんでも!


 『不良番長・口からでまかせ』


 また出た、不良番長!なんでそんなに不良番長に出んねんお前は!不良番長に弱み握られてのか!?


 このような恐ろしい出演作ばかりで、なのに力也さんのデビュー曲は『遠い渚』なのです。


 どういうことやねん、お前!毒毒モンスターが渚て!もしかして、赤潮の歌か何か?「♪君の瞳に赤ー!」とか言うんか!?


 『不良番長・暴走バギー集団』


 トラウマなるわ!これ以上不良番長出されたら完全にトラウマなるわ!


 もう、あいた口がふさがりませんよ。


④キックボクシングの試合で、ダウンした相手の頭部を蹴り倒したため刑務所に1年半服役。収監された際、暇だったので、カリに歯ブラシのサオを埋め込んだ。
 これは、えげつないです。書いている僕自身がイヤになってくるほど、常軌を逸しています。


 力也さんは、キックボクシングをやっていました。雑誌のインタビューでそのことについて訊かれ、こう答えています。


 「キックボクシングってのは相手の息の根を止めるスポーツなんだよ」


 聞いたことないわ、そんなルール!山本小鉄がマジキックで止めてくるわ、そんなスポーツ!


 「相手の息の根止めねえとこっちが息の根止められるんだよ!」


 KGB上がりか、お前!そんな被害妄想、KGB上がりの奴しか持たんぞ!


 しかも、力也さんがキックボクシングに目覚めたきっかけがまた、すごいです。


 「父親の初めての誕生日プレゼントがボクシンググローブだったから」


 これが理由らしく、父親はその際、「男は産まれた瞬間から闘いが始まっている」と告げたらしいのです。


 誰と闘うねん、産まれていきなり!抱えたナースの間接取るなんて聞いたことないぞ!


 この逸話を聞くと、先ほどの産婆にキレたという説も、まんざらではないでしょう。それこそ母親の胎内にいるときから、「お母さんのお腹目掛けてワンツーだ!ジャブ、ジャブ、ストレート!もっと腰入れろ!」といった感じで胎内トレーニングをしていた可能性もあるのです。


 そんな父親は、力也さんが小学生のときに、マフィアの襲撃で殺されてしまいます。力也さんが家に帰ったら血祭りになっていたらしく、父親の死体を見た力也さんは、死体を抱きかかえてこう言いました。


 「お疲れ!」


 お疲れやあるか、お前!ノリ軽すぎるやろ、いくらなんでも!


 「親父、お疲れ!」


 バイト終わりか、お前の親父!タイムカード切ったあとのあいさつか、それ!


 それでも100譲って、これはよしとしましょう。問題は刑務所に入ってからの行動で、暇を理由に、カリに歯ブラシを入れたのです。


 何考えてんねん、お前!もしかして、「カリ出所」とかそういうこと?カリに出し入れしとったら仮出所できるかもしれないって、できるかそんな奴!全然反省してへんやんけ!


 本当にありえなさすぎて、体が震えてきましたよ。


⑤稲川淳二と幼なじみである。
 70人の愚連隊に勝ち、6000回もケンカをしてきた安岡力也。実は彼は、稲川淳二と幼なじみなのです。


 どういうことやねん、お前!たしかに恐怖を語る2人やけど、恐怖の意味合いが違うやろ!


 「物心ついたころから淳二と一緒!」


 キャラ台なしやわ!そもそも祖父がシシリアンマフィアやのに近所に稲川淳二がいるって家どこやねん、お前!どこ丁目に行ったらそんな濃いコミュニティーあんねん!シムシティーでもそんな街つくれんわ!


 この2人の会話を想像したら、恐ろしいです。なにしろ、「滑舌番長VSケンカ番長」です。「はっきりしゃべれ!」と力也さんがブチギレている姿が目に浮かぶのです。


 「りちやさん、こんにちわ!」


 「はっ?」


 「りちやさん、こんにちわ!」


 「力也だよ!てめえ、人の名前を間違ってんじゃねえよ!」


 「ちゅいまちぇん!」


 「謝る気ねえだろ!それより何の用だよ?」


 「新ちい怪談ができたので、聞いてもらおうかなと思いまちて」


 「はっ?」


 「新ちいきゃいだんがでちたので聞いてもらおうきゃなと思いまちて」


 「親父、こいつに硫酸頼むわ!」


 このように、口に焼きの入った奴が体にも焼きを入れられる姿を想像せずにはいられません。もしくは、怒った力也さんが淳二の舌に硫酸をかけたせいで、あんな滑舌になったかもしれないのです。


 ほかにも力也さんは、元広島カープの監督、古葉竹識氏と親しいです。古馬さんが広島市の市長選挙に立候補した際に応援演説に行ったのですが、古葉さんは「広島の平和を永久に守ります!」と訴えかけたのです。


 平和訴えかけんのにこんな荒くれもん呼ぶなよ!人の平和をつぶすような男やぞ、こいつは!


 「どうも安岡力也です。ノーモア、核!」


 説得力あるかボケ!そもそも爆弾で人殺してるやろお前の祖先!なんの説得力もないねん、お前が言っても!


 結局、古葉さんは選挙に落ちました。ですがこれは、安岡力也のせい、と考えて間違いないでしょう。


⑥飲み仲間は、内田裕也、ジョー山中、八名信夫、宇崎竜童である。
 こんな濃い面子、世界中どこ探してもいないですよ。ヤカラ中のヤカラが複数集まり、夜な夜ないかつい酒を
飲みたおしているのです。


 どんな飲み会やねん、これ!人殺す相談してるとしか思えんぞ!


 なにしろ、あの内田裕也がいます。


 「兄貴、奴の死体は硫酸で溶かします?それとも埋めたてます?」


 「そうだな。70℃の硫酸でシェケナベイビー!」


 このような恐ろしい会話をしていることは間違いなく、しかも周囲の客を巻き込んで、妙なロックンロールを歌おうとする可能性が高いです。


 「そこのお兄さん、ロックンロールしてるかい?」


 「はっ?」


 「ロックンロールはしてますか?」


 「すいません、大事な話があるんで向こうに行っててもらえませんかね?」


 「てめえ、この野郎!」


 「やめろ、力也」


 「だって兄貴、こいつは兄貴の話を無視したんだぜ?」


 「いいからやめろって言ってんだ!」


 「兄貴……」


 「それよりお兄さん、シェケナベイビー?」


 「はっ?」


 「お兄さん、歳はシェケナベイビー?」


 「いやあの、ちょっとおっしゃってる意味が……」


 「てめえ、兄貴の言ってる意味がなんでわかんねえんだよ!」


 「Love&Peace!」


 「兄貴!俺はこいつが何言ってるかわかんねえって言うからさ!」


 「Love&Peace!」


 「兄貴……」


 「お兄さん、Love&Peace?」


 「……」


 「Love&Peace?」


 「ま、まあLove&Peaceです……」


 なんやねん、これ!なんでもシェケナベイビーで片がつくと思うな、お前!


 内田裕也は、店の迷惑など気にしないでしょう。「宇崎、音入れろ!」「へい、兄貴!」「淳二、ギター用意しろ!」「ひゃい!」といった感じで勝手に店を借り切り、「♪パワートゥザピープル!」「兄貴!」「♪パワートゥザピープル!」「やに貴!」などと妙なロックンロールをシェケナベイビーするのです。



 そして、最後。


 これはかなりヘビーなエピソードなので、読まれる方は覚悟してください。


⑦山で生き残るという1週間のサバイバルゲームでヘビを食べ、ヤギと交わった。勃○時の大きさは30センチを超し、40歳を過ぎてからカリに真珠を埋め込んだ。
 恐怖を通り越して、もう声が出ないです。


 まず、サバイバルゲームって普通、遊びでやりません?合宿のノリでやったり、おもちゃの銃で打ち合ったりするのが普通でしょ?


 なのにこの人は、命をかけた本当のサバイバルゲームをやっています。生き残るためにヘビを食べ、しかも何を思ったのか、山にいるヤギに手を出したのです。


 我慢せえよ、1週間ぐらい!どこの世界にヤギと生でやる奴がおんねん!


 「ヤギもなかなかのもんだったよ!」


 やかましいわ!歯ブラシごと突っ込まれるヤギの身にもなれ!


 「2発目もよかったよ!」


 2発やったん!?1発じゃ足らんかったんや!?


 これね、ヤギも「メー!」じゃなくて、普通に「イタイ!」って叫んでますよ。動物だとかは関係ないです、痛すぎて脳がスパークし、人間の言葉を口にしてもおかしくないのです。


 とはいえ、僕を心底おびえさせたのは、ヤギに手を出したことではありません。神レベルに達したそのペ○スの大きさで、30センチを優に超えているらしいのです。


 30センチですよ、30センチ?こんなもん、勃○してバッターボックスに立ったらどっちがバットか本当にわからないでしょ!?


 ピッチャーどこ投げたらええねん、お前!グローブ目がけて投げたら毎回デッドボールやんけ!「変化球VSペ○スの変化」で相当技巧派じゃないと抑えられんぞ!もしくはそれを理由にドラフトかかるぞ、お前!


 小さく前にならえをしても、完全に前の奴のお尻に当たります。そもそも小さく前にならえと言われても、全然小さくないんですね。


 しかも歯ブラシだけでは物足りないのか、真珠も入れました。特大の真珠を埋め込み、ますますペ○スを強化し始めたのです。


 どこ目指してんねん、お前!何がお前にそうさせんねん!


 「60になったらもう1個入れようと思ってるんだよ」


 何の記念やねん、それ!おとなしくチャンチャンコ着とけや、お前!ていうかもう拝みたくなるわ、お前のペ○ス!1周してもう逆にリスペクトに値するわ!


 このように、すべてが常軌を逸しています。規格外もいいところで、同じ人間とは思えないんですね。


 そんな力也さんですが、現在は病気療養中です。ですが僕には、ナースコールをペ○スで押す姿が目に浮かんで仕方がないのです……。


 ※2012年・4月8日に、安岡力也さんは逝去されました。心よりご冥福をお祈りいたします。合掌。



2012年04月08日

安岡力也はどれだけすごいか?の考察(携帯読者用)

テーマ:その他の考察

※安岡力也さんを偲んで、2008年・4月8日の記事を再アップ。

 先日、お酒の席で、「芸能界で1番ケンカが強いのは誰か?」が話題になりました。

 宴席では、年に何度か取り上げられる話題です。今回も、長渕剛、菅原文太、竹内力といった有名どころから、大木凡人、元チェッカ-ズの高杢、逆にデーブスペクターなど、たくさんの名前が飛び交いました。

 ですが毎回、ある人物の名前が出た瞬間、その場の全員が納得します。

 「やっぱりあいつか!」

 「どう見てもあいつやろ!」

 誰もが口をそろえて、議論に終止符が打たれるのです。

 そう、安岡力也です。

 ご存知のとおり、この人は百戦錬磨のケンカ番長です。耳を疑うような武勇伝にこと欠かず、なにしろ、愚連隊70人相手に乱闘して勝った、という逸話があるのです。

 70人ですよ、70人?こんなもん、あのケンシロウでもウンコ我慢しながらやったら負けるでしょ!?

 敵も、「70人集めないと力也には勝てない!」と判断したわけです。勝ち負け以前に、70人を集めさせたという事実自体が、人間という生物のカテゴリーを超えてしまっているでしょう。

 家に帰った僕は、安岡力也について詳しく調べました。

 するといろいろ出てきましたよ、武勇伝が。武勇伝、いや「神話」と呼んでも差し支えないほどのエピソードが山のように出てきたのです。

 そこで今回は、「安岡力也はどれだけすごいか?」の考察です。

 以下、安岡力也にまつわる神話をご紹介させていただきます。

①祖父がシシリアンマフィアである。
 いきなり、すごいのがきましたよ。

 他界した、力也さんの祖父。彼はアメリカンマフィアではなくイタリアンマフィアでもなく、シシリアンマフィアなのです。

 シシリアンマフィアですよ、シシリアンマフィア?言いにくくて噛みそうになる以前に、こんなもん怖すぎて舌噛むでしょ!?

 ヤフーでシシリアンマフィアを検索したら、シマンテックがウイルス検索を始めました。

 「名前が怖すぎてウイルスの可能性がある!」

 こう言わんばかりにウイルスを探し始め、検索エンジンもびびっているのか、心なしか検索スピードも遅かったほどなのです。

 僕はおびえながらも、シシリアンマフィアのことを特集したページにたどり着きました。勇気を出してページを開いたところ、そこに書かれてあったシシリアンマフィアの概要に、愕然としました。

 『シシリアンマフィアとは……ドン・カプチーノ一家に代表される、血で血を洗う抗争集団の俗称。爆弾を車に仕掛けるのを得意としており、ターゲットを拉致してリンチのうえ殺害。祝杯のワイン代わりとして血を飲み、死体は硫酸で溶かして処理する』

 怖すぎるわ、これ!モザイクいるわ、こんな文章!

 『抗争で顔面を破壊された者もおり、顔を紙袋で隠して生活する者もいる』

 ウォーズマンか!完全に幼少期のウォーズマンやんけ、それ!

 『ただ、家族の絆は強くて情にもろく、優しい一面もあるファミリーである』

 何のフォローやねん、これ!死体を硫酸で溶かすような奴が情にもろいとか知らんわ!「ビン・ラディンはハトにエサをやっていた」とか言われても感動せえへんのと同じや!

 これ、はっきり言いますけど、就職の面接で、履歴書の自己PRに「祖父がシシリアンマフィアです」と書いたら面接通してくれますよ。おびえた面接官が、「き、君はもう2次、3次はいいからすぐに社長に会ってくれ、いや、会ってください!」と口にして、即、幹部にしてもらえる可能性もあるでしょう。

②ケンカ6000戦無敗である。
 これは、恐ろしいどころの話ではないです。

 力也さんは、水を飲むぐらいのノリで相手を殴ります。通算で6000回ケンカをしており、そのすべてに勝利を収めているのです。

 サイヤ人か、お前!生粋の戦闘民族しかそんなに戦わんぞ!

 そもそも無敗という称号以前に、人と6000回もめたという事実が常軌を逸しています。

 力也さんは現在、59歳です。母親のお腹から出た瞬間、「早く出せよコラ!」と、すでに産婆とケンカしていたとしても、そのデビュー戦から数えて年間100戦以上こなしたことになるのです。

 お前、3日に1回のもめごとってなんやねん!スラム街にもおらんぞ、そんなバトルジャンキー!

 なにしろ、年間100戦です。「お前、雑草踏むなコラ!」とか、「二酸化炭素を吐き出しすぎだよてめえ!」などと無理矢理ケンカに持ち込まないことには、年100戦も消化できません。すれ違っただけの奴に、「てめえ、生きてんじゃねえよ!」といった無茶な理由でケンカを挑まないことには6000回もケンカにはならないんですね。

 しかも、これだけケンカしといて、1回も訴えられていません。逃げ足もすごく、もしくは、「警察にチクったらお前の6親等以内全員ブチ殺すからな!」的なことを言って口を封じているのでしょう。

 その結果、これね、友達の友達の友達の友達ぐらいなら、力也さんに殴られた奴に出くわしますよ。出くわさないとしたら、「言うと殺される=黙っている」からで、「3軒隣は力也の被害者」といっても過言ではないのです。

 言えないだけで、あなたのお住まいのマンションにも被害者が、もっと言えば、この国の引きこもり全員が力也さんの被害者である可能性もあります。「黙ってろよ、てめえ」とドスをきかされた人が、怖くて部屋を出られなくなっただけかもしれないのです。

 なにより、よく数えてたな、という話です。こんなに戦っていれば数は覚えられないでしょうから、これは子供のころから、「力也のケンカ帳」なる日記をつけている可能性が高いです。

 『今日は、山田君の腕をへし折りました!』

 『今日は雨が降って機嫌が悪かったので、佐藤君の口にフォークを突っ込んでアッパーをくらわしました!』

 『今日は暇だったので、留学生のトーマスを撲殺しました!死体処理のために、おやつを食べたあとにおじいちゃんから硫酸を借りて溶かしました!』

 血で染まったジャポニカに、このような日記をつけていたのでしょう。

③映画『自動車泥棒』で、混血児の少年役で芸能界デビュー。
 デビューの仕方1つとっても、普通ではありません。力也さんは、混血児の少年役でデビューしたのです。

 どんなデビューやねん、これ!そもそも『自動車泥棒』ってどんな映画やねん!淀川長治がどうコメントしたか知りたいわ!

 気になった僕は、力也さんの過去の出演映画を調べました。

 するとまあ、信じがたい出演作ばかりですよ。『野良猫ロック・セッ○スハンター』『不良番長・やらずぶったくり』『不良番長・のら犬機動隊』『直撃地獄拳・大逆転』といった耳を疑うような映画ばかりなのです。

 誰が観んねん、こんなクソ映画!直撃地獄拳って、小学生かお前!

 『ボディガード牙・必殺三角飛び』

 学園祭でやれ、そんな映画!無料にしてチラシに飴つけてたら2、3人は来てくれるわ!

 『不良番長・突撃一番』

 知らんがな、そんなもん!番長が何番目に突撃するとか興味ないわ!

 『不良番長・出たとこ勝負』

 不良番長多いねんさっきから!イライラしすぎて俺も不良になるわ!

 なのに、当の本人は平気です。ふざけた映画に出演し続け、しまいには『悪魔の毒毒モンスターが東京へ行く』という映画に主演で出たのです。

 お前、仕事選べよたまには!「お前、今どんな仕事してんの?」「毒毒で主演張ってます!」とは言えんやろいくらなんでも!

 『不良番長・口からでまかせ』

 また出た、不良番長!なんでそんなに不良番長に出んねんお前は!不良番長に弱み握られてのか!?

 このような恐ろしい出演作ばかりで、なのに力也さんのデビュー曲は『遠い渚』なのです。

 どういうことやねん、お前!毒毒モンスターが渚て!もしかして、赤潮の歌か何か?「♪君の瞳に赤ー!」とか言うんか!?

 『不良番長・暴走バギー集団』

 トラウマなるわ!これ以上不良番長出されたら完全にトラウマなるわ!

 もう、あいた口がふさがりませんよ。

④キックボクシングの試合で、ダウンした相手の頭部を蹴り倒したため刑務所に1年半服役。収監された際、暇だったので、カリに歯ブラシのサオを埋め込んだ。
 これは、えげつないです。書いている僕自身がイヤになってくるほど、常軌を逸しています。

 力也さんは、キックボクシングをやっていました。雑誌のインタビューでそのことについて訊かれ、こう答えています。

 「キックボクシングってのは相手の息の根を止めるスポーツなんだよ」

 聞いたことないわ、そんなルール!山本小鉄がマジキックで止めてくるわ、そんなスポーツ!

 「相手の息の根止めねえとこっちが息の根止められるんだよ!」

 KGB上がりか、お前!そんな被害妄想、KGB上がりの奴しか持たんぞ!

 しかも、力也さんがキックボクシングに目覚めたきっかけがまた、すごいです。

 「父親の初めての誕生日プレゼントがボクシンググローブだったから」

 これが理由らしく、父親はその際、「男は産まれた瞬間から闘いが始まっている」と告げたらしいのです。

 誰と闘うねん、産まれていきなり!抱えたナースの間接取るなんて聞いたことないぞ!

 この逸話を聞くと、先ほどの産婆にキレたという説も、まんざらではないでしょう。それこそ母親の胎内にいるときから、「お母さんのお腹目掛けてワンツーだ!ジャブ、ジャブ、ストレート!もっと腰入れろ!」といった感じで胎内トレーニングをしていた可能性もあるのです。

 そんな父親は、力也さんが小学生のときに、マフィアの襲撃で殺されてしまいます。力也さんが家に帰ったら血祭りになっていたらしく、父親の死体を見た力也さんは、死体を抱きかかえてこう言いました。

 「お疲れ!」

 お疲れやあるか、お前!ノリ軽すぎるやろ、いくらなんでも!

 「親父、お疲れ!」

 バイト終わりか、お前の親父!タイムカード切ったあとのあいさつか、それ!

 それでも100譲って、これはよしとしましょう。問題は刑務所に入ってからの行動で、暇を理由に、カリに歯ブラシを入れたのです。

 何考えてんねん、お前!もしかして、「カリ出所」とかそういうこと?カリに出し入れしとったら仮出所できるかもしれないって、できるかそんな奴!全然反省してへんやんけ!

 本当にありえなさすぎて、体が震えてきましたよ。

⑤稲川淳二と幼なじみである。
 70人の愚連隊に勝ち、6000回もケンカをしてきた安岡力也。実は彼は、稲川淳二と幼なじみなのです。

 どういうことやねん、お前!たしかに恐怖を語る2人やけど、恐怖の意味合いが違うやろ!

 「物心ついたころから淳二と一緒!」

 キャラ台なしやわ!そもそも祖父がシシリアンマフィアやのに近所に稲川淳二がいるって家どこやねん、お前!どこ丁目に行ったらそんな濃いコミュニティーあんねん!シムシティーでもそんな街つくれんわ!

 この2人の会話を想像したら、恐ろしいです。なにしろ、「滑舌番長VSケンカ番長」です。「はっきりしゃべれ!」と力也さんがブチギレている姿が目に浮かぶのです。

 「りちやさん、こんにちわ!」

 「はっ?」

 「りちやさん、こんにちわ!」

 「力也だよ!てめえ、人の名前を間違ってんじゃねえよ!」

 「ちゅいまちぇん!」

 「謝る気ねえだろ!それより何の用だよ?」

 「新ちい怪談ができたので、聞いてもらおうかなと思いまちて」

 「はっ?」

 「新ちいきゃいだんがでちたので聞いてもらおうきゃなと思いまちて」

 「親父、こいつに硫酸頼むわ!」

 このように、口に焼きの入った奴が体にも焼きを入れられる姿を想像せずにはいられません。もしくは、怒った力也さんが淳二の舌に硫酸をかけたせいで、あんな滑舌になったかもしれないのです。

 ほかにも力也さんは、元広島カープの監督、古葉竹識氏と親しいです。古馬さんが広島市の市長選挙に立候補した際に応援演説に行ったのですが、古葉さんは「広島の平和を永久に守ります!」と訴えかけたのです。

 平和訴えかけんのにこんな荒くれもん呼ぶなよ!人の平和をつぶすような男やぞ、こいつは!

 「どうも安岡力也です。ノーモア、核!」

 説得力あるかボケ!そもそも爆弾で人殺してるやろお前の祖先!なんの説得力もないねん、お前が言っても!

 結局、古葉さんは選挙に落ちました。ですがこれは、安岡力也のせい、と考えて間違いないでしょう。

⑥飲み仲間は、内田裕也、ジョー山中、八名信夫、宇崎竜童である。
 こんな濃い面子、世界中どこ探してもいないですよ。ヤカラ中のヤカラが複数集まり、夜な夜ないかつい酒を飲みたおしているのです。

 どんな飲み会やねん、これ!人殺す相談してるとしか思えんぞ!

 なにしろ、あの内田裕也がいます。

 「兄貴、奴の死体は硫酸で溶かします?それとも埋めたてます?」

 「そうだな。70℃の硫酸でシェケナベイビー!」

 このような恐ろしい会話をしていることは間違いなく、しかも周囲の客を巻き込んで、妙なロックンロールを歌おうとする可能性が高いです。

 「そこのお兄さん、ロックンロールしてるかい?」

 「はっ?」

 「ロックンロールはしてますか?」

 「すいません、大事な話があるんで向こうに行っててもらえませんかね?」

 「てめえ、この野郎!」

 「やめろ、力也」

 「だって兄貴、こいつは兄貴の話を無視したんだぜ?」

 「いいからやめろって言ってんだ!」

 「兄貴……」

 「それよりお兄さん、シェケナベイビー?」

 「はっ?」

 「お兄さん、歳はシェケナベイビー?」

 「いやあの、ちょっとおっしゃってる意味が……」

 「てめえ、兄貴の言ってる意味がなんでわかんねえんだよ!」

 「Love&Peace!」

 「兄貴!俺はこいつが何言ってるかわかんねえって言うからさ!」

 「Love&Peace!」

 「兄貴……」

 「お兄さん、Love&Peace?」

 「……」

 「Love&Peace?」

 「ま、まあLove&Peaceです……」

 なんやねん、これ!なんでもシェケナベイビーで片がつくと思うな、お前!

 内田裕也は、店の迷惑など気にしないでしょう。「宇崎、音入れろ!」「へい、兄貴!」「淳二、ギター用意しろ!」「ひゃい!」といった感じで勝手に店を借り切り、「♪パワートゥザピープル!」「兄貴!」「♪パワートゥザピープル!」「やに貴!」などと妙なロックンロールをシェケナベイビーするのです。


 そして、最後。

 これはかなりヘビーなエピソードなので、読まれる方は覚悟してください。

⑦山で生き残るという1週間のサバイバルゲームでヘビを食べ、ヤギと交わった。勃○時の大きさは30センチを超し、40歳を過ぎてからカリに真珠を埋め込んだ。
 恐怖を通り越して、もう声が出ないです。

 まず、サバイバルゲームって普通、遊びでやりません?合宿のノリでやったり、おもちゃの銃で打ち合ったりするのが普通でしょ?

 なのにこの人は、命をかけた本当のサバイバルゲームをやっています。生き残るためにヘビを食べ、しかも何を思ったのか、山にいるヤギに手を出したのです。

 我慢せえよ、1週間ぐらい!どこの世界にヤギと生でやる奴がおんねん!

 「ヤギもなかなかのもんだったよ!」

 やかましいわ!歯ブラシごと突っ込まれるヤギの身にもなれ!

 「2発目もよかったよ!」

 2発やったん!?1発じゃ足らんかったんや!?

 これね、ヤギも「メー!」じゃなくて、普通に「イタイ!」って叫んでますよ。動物だとかは関係ないです、痛すぎて脳がスパークし、人間の言葉を口にしてもおかしくないのです。

 とはいえ、僕を心底おびえさせたのは、ヤギに手を出したことではありません。神レベルに達したそのペ○スの大きさで、30センチを優に超えているらしいのです。

 30センチですよ、30センチ?こんなもん、勃○してバッターボックスに立ったらどっちがバットか本当にわからないでしょ!?

 ピッチャーどこ投げたらええねん、お前!グローブ目がけて投げたら毎回デッドボールやんけ!「変化球VSペ○スの変化」で相当技巧派じゃないと抑えられんぞ!もしくはそれを理由にドラフトかかるぞ、お前!

 小さく前にならえをしても、完全に前の奴のお尻に当たります。そもそも小さく前にならえと言われても、全然小さくないんですね。

 しかも歯ブラシだけでは物足りないのか、真珠も入れました。特大の真珠を埋め込み、ますますペ○スを強化し始めたのです。

 どこ目指してんねん、お前!何がお前にそうさせんねん!

 「60になったらもう1個入れようと思ってるんだよ」

 何の記念やねん、それ!おとなしくチャンチャンコ着とけや、お前!ていうかもう拝みたくなるわ、お前のペ○ス!1周してもう逆にリスペクトに値するわ!

 このように、すべてが常軌を逸しています。規格外もいいところで、同じ人間とは思えないんですね。

 そんな力也さんですが、現在は病気療養中です。ですが僕には、ナースコールをペ○スで押す姿が目に浮かんで仕方がないのです……。

 ※2012年・4月8日に、安岡力也さんは逝去されました。心よりご冥福をお祈りいたします。合掌。

2012年03月22日

心の防空壕をつくるべきではないか?の考察③(パソコン読者用)

テーマ:メンタル

 先日、京都水族館に行きました。


 最近プレオープンしたばかりの水族館で、館内は子供連れのお客さんで混雑しています。どのゾーンに行っても子供の嬌声が聞こえてきたのですが、その声がまったく気にならないほど、館内の展示がすばらしいのです。


 丸みのある大きな水槽に、赤や黄色、オレンジ――。


 派手な鱗をまとった魚が、所狭しと泳いでいます。魚そのものだけではなく、きらきらと光る水面を目にすると、癒されます。パノラマ状になっているゾーンもあり、見上げると、どん底から浮かび上がれるような錯覚に陥るのです。


 秀逸な水族館には、人生と共鳴する部分があります。ある種の「物語」を意識し、自分の過去と現在と未来が、ぼんやりとした感じでリンクしてくるのです。


 僕は仕事の取材で訪れました。一人で行ったのですが、一人で行ってよかったと思いました。本来の目的を忘れてしまうほど、夢中になったのです。


 現代は、うつ病の患者が600万人いる、と言われる時代です。この水族館のような「浸れる時間」が必要で、ストレス続きだと、いつ心が病んでもおかしくありません。


 ご紹介した水族館以外にも、田舎の森、夕暮れどきのバスのロータリー、真夜中のサービスエリア……。


 こういった癒し空間に出向くことを、僕は「空間セラピー」と呼んでいます。


 人と交わるのではなく、空間と交わる。誰かと話すのではなく、もう一人の自分と話す。


 これは言うなれば、「心の防空壕」です。自分に合った癒し空間を見つけ出し、何かイヤなことがあれば、その防空壕に入って自分をリラックスさせるのです。


 そこで今回は、「心の防空壕をつくるべきではないか?」の考察③です。


 以下に、僕をリラックスさせてくれる防空壕をご紹介します。


①ビルの屋上
 屋上にいると落ち着く、という人は多いでしょう。僕も大好きで、地元だけではなく、仕事場近くにも「行きつ
け」があります。東京や名古屋にも行きつけの屋上があるぐらいで、そこにいるだけで心が静まり返ってくるのです。


 天候が悪くても、それはそれで落ち着きます。「青い空」や「白い雲」は必須アイテムではありません。高い場所にいるという事実が気分を高揚させ、出もしないのに、体を広げてあくびをしたくなるのです。


 ビルの屋上に来たら、不思議と腰を下ろしたくありません。座ったほうが楽なのに、やけに立っていたくなります。「お天道さん、これが僕なんですよ!」と、妙に青臭いことを叫びたがる自分がいるのです。


 僕の行きつけには、必ず、物干し台があります。バスタオル、シャツ、シーツ。風が運んでくる洗剤の匂いが鼻に届き、それが心の落ち着きに拍車をかけるんですね。


 自分のような一人客が、ほかにもいます。このビルと関係ないと思しきサラリーマンが缶コーヒーを飲んでおり、自分から話しかけたくなります。「どうですか、最近?」とばかりに、普段では考えられない積極的な自分が顔を出すのです。


 屋上に向かうエレベーターの中では、いつも気が重いです。日頃の憂さがこもっているかのようにどんよりとしているのですが、地上に下りるときに乗るエレベーターの中では、気が晴れています。空気が澄んでいるようで、何か悩みごとがあっても、「なんとかなりそうだな!」と前向きになっているのです。


②真夜中のソファー 
 自分の部屋で過ごす時間が一番好き、という人は多いはず。僕も部屋大好き人間です。人と交わらずに済むので
、心が擦り切れることはありません。


 ですがそれは、気持ちが落ち着くだけです。「今」が心地いいだけで、「未来」にリンクしていません。


 そこでオススメしたいのが、真夜中のソファーです。


 何かイヤなことがあったら、ソファーにおもいっきり倒れ込みます。勢いをつけて倒れ込んでも、ソファーが衝撃を吸収してくれます。ストレスを全部吸い取ってくれるかのようなのです。


 やわらかいクッションに身を預けて癒されるのが、「今」です。これを「未来」につなげるために、真夜中に、電気を消した状態で倒れ込みます。そうすることで闇が心を沈ませ、心が「考えるモード」になります。リラックスした状態で自分について考えることで、「未来=悩みに対する答え」につながるのです。


 この状態で30分でも考えていたら、体も心も癒されます。良くも悪くも、なんらかの「答え」が自分なりに見つかっており、その気持ちでテレビを見たら、見え方が違ってきます。飲み物の味も違ってきますし、心が源流となって、あらゆる行動にいい影響を及ぼしてくるのです。


 僕はこれを「ブラインドソファー」と呼んでいます。部屋にこもっているだけでは、答えは出ません。真夜中のソファーに体を預けて、前向きになりましょう。


③ペットショップ
 ペットほど、心を癒してくれるものはありません。僕も犬が好きで、夜中のデスクワークに疲れたときは、いつ
も外に出て愛犬を眺めます。無垢な寝顔がとても愛らしく、見ているだけで気持ちが落ち着いてくるのです。


 ペットは、言葉を持ちません。ストレスというのは、突き詰めればすべて、誰かが発した言葉が影響しています。会話ができないという難点が、人間にとってはむしろプラスに働くのです。


 ペットを飼っていない人は、ペットショップに足を運んでください。


 犬、猫、うさぎ――。ストレス知らずのかわいい存在が、大きなお目目で迎えてくれます。抱き上げることが可能なお店なら、存分に、ペットの体温を噛み締めてください。生き物の体温は、生なる証です。互いの存在証明を相手の体温で確認するようで、妙に前向きな気持ちになれるのです。


 ペットショップにいるお客さんは、その多くが見にきているだけの人です。言うなれば「仲間」で、特に一人で来ている人は、どこか心に傷を負っている人が多いです。「戦友」に思えて、オバハンだろうとオッサンだろうと、「お茶でもどうですか」と誘いたくなる自分がいるのです。


 ペットショップの店員さんも、人間味のある人が多いです。優しい空間に身を預け続けることによって、人間的に成長しているのでしょう。「この犬、かわいいですね」「かわいいでしょ」と、ちょっとした会話を交わすだけで、なんだか胸がぽかぽかとしてくるのです。


 よく、「ペット好きに悪いヤツはいない」といいますが、僕は「ペット好きに強いヤツはいない」と思っています。


 「自分以外にも、つらい人がいるんだな。自分は一人じゃないんだな」


 接点はなくとも、同じ空間に入って弱さを共有することで、仲間意識は芽生えます。ストレス続きの人は、ぜひ、ペットショップに足を運んでみてください。


④深夜営業している、ゴルフの打ちっぱなしの外
 ゴルフの打ちっぱなしは、ストレスを発散してくれます。僕も付き合いで何度か行ったことがありますが、何か
に強い衝撃を与えるという行為が、憂さを晴らしてくれます。ボールを打つときのスコーーーンという擬音がそのまま体内に入ってくる感じがして、一発ごとにストレスが一つずつ消えていくかのようなのです。


 僕の近所に、深夜営業をしている打ちっぱなしがあります。僕は中に入ってボールを打つのではなく、いつも外にあるバスの停留所のベンチに座るのですが、そこから眺める中の風景に、メチャクチャ癒されるのです。


 ボールを打つ音、明るい照明、芝生の匂い――。


 どれも五感を刺激してきます。とりわけ施設の照明は、異常なまでに明るいです。闇とは対照的に光にあふれており、闇にいる側にとっては「粋」に感じられます。暗い場所にいるからこそ、その明るさがダイレクトに届くのです。


 「こんなに暗いのに、こんなに明るいんだ、ここだけは」


 こう考えて、ワクワクしてきます。中に入ろうと思えば入れるのに、あえて入らない自分がどこかジプシー的に感じられて胸が躍り、自分を見つめなおすには持ってこいの場所なのです。


 僕はここに来る途中で、毎回、自販機でコーンスープを買います。これがすごく温かくて、体の芯までぬくもります。コーンの粒を奥歯で噛みながら、「いつか、この光のある場所に出たいな」とばかりに、まるで詩人のような気持ちになっているのです。


 光というのは、直接浴びなくても、解釈の違いで心を照らすことができます。空間の中だけではなく、外側にも心の防空壕はあるので、みなさんも探してみてください。


⑤雨の日の図書館
 本に囲まれていると落ち着く、という人は多いでしょう。僕も本屋さんが好きで、頻繁に足を運びます。


 その感覚は、図書館も同じです。古びた本は、「時代」という色彩を帯びています。過去から連綿と空間を形作る構成員である、書籍。この重厚さがレトロ感覚に拍車をかけ、気持ちがほっとします。


 図書館は、ゴルフの打ちっぱなしとは違って、暗いです。小さな図書館だと、館内に蛍光灯を使用しているところが多く、うす暗いです。ただこの暗さが心地よく、本を読むのにちょうどいい感じなのです。沈んだ気持ちと共鳴して、中身が必要以上に頭に入ってくるんですね。


 なかでも、雨の日に行くのがオススメです。人が少なく、公民館クラスのこじんまりとした図書館だと、老人が多いです。「本+雨+老人」という組み合わせが都会にいることを忘れさせ、異空間に迷い込んだような錯覚に陥るのです。


 僕は図書館に行くと、頻繁に自習室に足を運びます。雨が降っていると、ガラス越しに、木に打ちつける雨が視界に入ってきます。学生時代を思い出し、「過去」と「今」とがリンクして、「この先、なんかいいことありそうだな」と、自分の未来に対して漠然とした希望が湧いてくるのです。


 不思議なもので、ブックオフではリラックスできません。古い本が置いてあるのでは同じなのに気持ちが落ち着かず、これは要するに、「時代」が感じられないからでしょう。「過去」という重みが少なく、「今」につながってきません。雨が降ってたらむしろ鬱陶しいだけで、それほど図書館というのは神聖な場所なのです。


⑥ホテルのロビー
 ホテルというのは、部屋の利用客でなくても中に入れます。中にあるお店は高いのですが、その高さに見合った
だけのシックな雰囲気があり、「くつろぐ」という意味において、ホテルのパフォーマンスは非常に高いです。


 なかでも、喫茶店。


 ワンランク上の喫茶店は、何もかもが違います。味、イス、照明、音楽。お客さんも静かなので、考え込む場所としては最適です。小銭でスターバックスで考え込むのと、札束一枚を使ってホテルの喫茶店で考え込むのとでは、人生ベースで見たときに、得られる答えがまるで違います。長い目で見たら、ここでの投資は損にならないと思うのです。


 お店に入らなくても、ロビー(ラウンジ)なら無料です。ネットが使えるパソコンを無料で開放しているところもあり、ここがメチャクチャくつろげます。ソファーもあればテレビもあるので、コンビニでお茶でも買って来れば、ほとんど無料で時間が潰せるのです。


 ソファーに体を預けながら、行き交う人を見るのが楽しいです。慌ただしい利用客とは対照的に、こちらはのんびりとしています。優越感に浸れてうきうきし、ホテルのソファーはどこも高級なヤツです。ふかふかもふかふか、「これ、無料で使ってていいの?」と罪悪感を感じるほどで、特した気分も相まってテンションが上がってくるんですね。


 ホテルには、多種多様な人間が集まります。肌が白いのもいれば、黒いのもいます。子供もいれば、杖をついた老人もいます。「人生のターミナル」みたいな気がして、自らの半生を振り返らずにはいられません。あらゆる方向から気持ちが揺さぶられ、考えさせられるのです。


⑦総合病院の中の喫茶店
 いい意味でも悪い意味でも、病院ほど大きな感情が渦巻いている場所はありません。一喜一憂、魑魅魍魎。それ
らをすべて含んでいるのが、病院という空間なのです。


 病院には、「死」があって、「生」があります。「負ける者」もいれば、「勝つ者」もいます。「あきらめる者」もいれば、「戦い続ける者」もいます。「拒否する者」もいれば、「受け入れる者」もいます。「時間を大事にする者」もいれば、「時間を無駄にする者」もいます。「孤独」があれば、「輪」もあります。「孤独」が「孤立」になっている者もいれば、「孤立」を「死」に変える者もいます。様々な人が、「目の前に起きた事実を受け止めざるをえない」という共通認識のもと、勝ったり負けたりしているのです。


 医療ミスを起こす医者、そのミスを隠す医者。遺産に目がくらんで患者に死んでほしいと願う家族もいれば、自らの臓器を投げ打ってでも助けようとする家族もいます。ものすごいパワーが空間にあふれ返っており、おそら

く全部あるんですよ、ここ。この世のあらゆる喜怒哀楽が、この白い箱の中に詰まっているのです。


 僕はどうしようもない悩みができたら、地元の総合病院に行きます。まず屋上に足を運び、各階に移動して様々な人々とすれ違い、そこで得た人生観を、最後に一階にある喫茶店に入って咀嚼し、自らの血肉とするのです。


 病院の外の喫茶店ではなく、中の喫茶店。その空間の中だからこそ考え込むことができ、いつもメロンソーダを飲んだあとにバニラのアイスクリームを食べるのですが、なんか妙な味がするんですよ毎回。日によって感じる味が違うのが自分でもわかり、病院という場所は、相当深いのです。


 ただ不思議といつも、前向きな回答を手にしています。なぜなら、そこにいる大多数の人が強いからです。


 なんだかんだで強いんですよ、病院の中にいる人。以前、車イスの背もたれを倒して移動している患者を見たのですが、ピンと伸ばした骨折している右足に、ギプスの上からカバンをぶら提げています。「便利でっしゃろ、これ!」とばかりに、当たり前のようにそんなふざけたことをしているのです。


 その人は、「これが人間なんだ!」と言わんばかりです。そのパワーを頂戴すると、自分まで元気になってくるんですね。


 病院というのは、病気を治す空間ではありません。「クオリティライフ」という言葉にもあるとおり、患者の人生を治す場所、と言えます。そしてその患者は僕らのような心に悩みを抱えた一般の人間も同じで、この強い空間を利用しない手はないのです。



 そして、最後。この防空壕は、僕のヘビーローテーションです。


⑧夜の公園
 仕事柄、僕は帰宅時間が遅いです。終電に乗ることなどザラなのですが、終電の車内が、たまらなくせつないの
です。


 幸せそうな人を見て劣等感を感じたり、その日にあったことを振り返ってブルーになったりと、感情の振り子が揺れ動きます。いいことがあった日ならそんな気持ちにはならないものの、そうとはかぎりません。往々にしてイヤな日のほうが多く、帰宅するまでに気持ちがリセットできないんですね。


 鏡に映る自分の顔は、その日の精神状態によって見え方が変わります。電車のドアに映る自分の顔を見て、「えっ、俺ってこんな汚い顔してたんだ……」とか、「私って、こんな醜い顔だったんだ……」などと、マイナスの

感情が心を侵食し、自我を崩壊させてくるのです。


 人が死にたくなるのは、お金がないからでも、恋人に振られたからでも、病気が治らないからでもありません。未来が見えなくなったからです。未来への漠然とした不安に自我が崩壊し、精神がカオスに陥り、前が見えなくなるのです。


 一日を終えるときに、なんらかの結論を出したいものです。その結論を前向きなものとするべく、僕は終電を降りたあと、いつも駅の近くの公園に寄ります。そこで缶コーヒーを飲みながら、その日にあったことを見直すのです。


 夜の公園は、ひっそりとしています。そこには、自分が子供だったころに遊んだ「過去」があり、社会人である「今」があり、明日という「未来」があります。それらをひっくるめて脳を感化させ、プラスの方向に考えるのです。


 家に帰ってからだと、このリセットがなかなかできません。「家に帰るまでが仕事」と解釈し、仕事中に気持ちを戻したいです。夜の公園で、自分のいいところも悪いところも含めて頭を整理し、次のような価値観を持てたら、あなたは「治って」います。


 イヤなことがあったけど、冷蔵庫にプリンが入ってるからいいや!


 あの人はウソつきだけど、自分もよくウソをつくからいいや!


 あの人のことは許せないけど、なんかもう考えるのが面倒くさいから許してあげよう!


 人に優しくしようと思ったら、自分の心に、ある程度の余裕がいります。東北の震災のときも、被災者への支援に対して突発的に熱くなっても、少し時間がたって自分の身に大きな悩みが降りかかれば、途端にどうでもよくなります。人間とはそういう弱い生き物なので、常に心に余裕をもてるように、メンタルをコントロールする術を身につけるのもまた、仕事の一部なのです。


 資本主義に身を委ねる以上、優しい社会などありえません。強い社会が求められ、そこで生き抜こうと思えば、自分なりの心の置き場を構築していく必要があります。心が弱い人は特にそうで、自分に合った心の防空壕を見つけて、つらいことがあったらそこに避難しましょう。


 人間、最後に助けてくれるのは、もう一人の強い自分だと思います。







2012年03月22日

心の防空壕をつくるべきではないか?の考察③(携帯読者用)

テーマ:メンタル

 先日、京都水族館に行きました。

 最近プレオープンしたばかりの水族館で、館内は子供連れのお客さんで混雑しています。どのゾーンに行っても子供の嬌声が聞こえてきたのですが、その声がまったく気にならないほど、館内の展示がすばらしいのです。

 丸みのある大きな水槽に、赤や黄色、オレンジ――。

 派手な鱗をまとった魚が、所狭しと泳いでいます。魚そのものだけではなく、きらきらと光る水面を目にすると、癒されます。パノラマ状になっているゾーンもあり、見上げると、どん底から浮かび上がれるような錯覚に陥るのです。

 秀逸な水族館には、人生と共鳴する部分があります。ある種の「物語」を意識し、自分の過去と現在と未来が、ぼんやりとした感じでリンクしてくるのです。

 僕は仕事の取材で訪れました。一人で行ったのですが、一人で行ってよかったと思いました。本来の目的を忘れてしまうほど、夢中になったのです。

 現代は、うつ病の患者が600万人いる、と言われる時代です。この水族館のような「浸れる時間」が必要で、ストレス続きだと、いつ心が病んでもおかしくありません。

 ご紹介した水族館以外にも、田舎の森、夕暮れどきのバスのロータリー、真夜中のサービスエリア……。

 こういった癒し空間に出向くことを、僕は「空間セラピー」と呼んでいます。

 人と交わるのではなく、空間と交わる。誰かと話すのではなく、もう一人の自分と話す。

 これは言うなれば、「心の防空壕」です。自分に合った癒し空間を見つけ出し、何かイヤなことがあれば、その防空壕に入って自分をリラックスさせるのです。

 そこで今回は、「心の防空壕をつくるべきではないか?」の考察③です。

 以下に、僕をリラックスさせてくれる防空壕をご紹介します。

①ビルの屋上
 屋上にいると落ち着く、という人は多いでしょう。僕も大好きで、地元だけではなく、仕事場近くにも「行きつけ」があります。東京や名古屋にも行きつけの屋上があるぐらいで、そこにいるだけで心が静まり返ってくるのです。

 天候が悪くても、それはそれで落ち着きます。「青い空」や「白い雲」は必須アイテムではありません。高い場所にいるという事実が気分を高揚させ、出もしないのに、体を広げてあくびをしたくなるのです。

 ビルの屋上に来たら、不思議と腰を下ろしたくありません。座ったほうが楽なのに、やけに立っていたくなります。「お天道さん、これが僕なんですよ!」と、妙に青臭いことを叫びたがる自分がいるのです。

 僕の行きつけには、必ず、物干し台があります。バスタオル、シャツ、シーツ。風が運んでくる洗剤の匂いが鼻に届き、それが心の落ち着きに拍車をかけるんですね。

 自分のような一人客が、ほかにもいます。このビルと関係ないと思しきサラリーマンが缶コーヒーを飲んでおり、自分から話しかけたくなります。「どうですか、最近?」とばかりに、普段では考えられない積極的な自分が顔を出すのです。

 屋上に向かうエレベーターの中では、いつも気が重いです。日頃の憂さがこもっているかのようにどんよりとしているのですが、地上に下りるときに乗るエレベーターの中では、気が晴れています。空気が澄んでいるようで、何か悩みごとがあっても、「なんとかなりそうだな!」と前向きになっているのです。

②真夜中のソファー 
 自分の部屋で過ごす時間が一番好き、という人は多いはず。僕も部屋大好き人間です。人と交わらずに済むので、心が擦り切れることはありません。

 ですがそれは、気持ちが落ち着くだけです。「今」が心地いいだけで、「未来」にリンクしていません。

 そこでオススメしたいのが、真夜中のソファーです。

 何かイヤなことがあったら、ソファーにおもいっきり倒れ込みます。勢いをつけて倒れ込んでも、ソファーが衝撃を吸収してくれます。ストレスを全部吸い取ってくれるかのようなのです。

 やわらかいクッションに身を預けて癒されるのが、「今」です。これを「未来」につなげるために、真夜中に、電気を消した状態で倒れ込みます。そうすることで闇が心を沈ませ、心が「考えるモード」になります。リラックスした状態で自分について考えることで、「未来=悩みに対する答え」につながるのです。

 この状態で30分でも考えていたら、体も心も癒されます。良くも悪くも、なんらかの「答え」が自分なりに見つかっており、その気持ちでテレビを見たら、見え方が違ってきます。飲み物の味も違ってきますし、心が源流となって、あらゆる行動にいい影響を及ぼしてくるのです。

 僕はこれを「ブラインドソファー」と呼んでいます。部屋にこもっているだけでは、答えは出ません。真夜中のソファーに体を預けて、前向きになりましょう。

③ペットショップ
 ペットほど、心を癒してくれるものはありません。僕も犬が好きで、夜中のデスクワークに疲れたときは、いつも外に出て愛犬を眺めます。無垢な寝顔がとても愛らしく、見ているだけで気持ちが落ち着いてくるのです。

 ペットは、言葉を持ちません。ストレスというのは、突き詰めればすべて、誰かが発した言葉が影響しています。会話ができないという難点が、人間にとってはむしろプラスに働くのです。

 ペットを飼っていない人は、ペットショップに足を運んでください。

 犬、猫、うさぎ――。ストレス知らずのかわいい存在が、大きなお目目で迎えてくれます。抱き上げることが可能なお店なら、存分に、ペットの体温を噛み締めてください。生き物の体温は、生なる証です。互いの存在証明を相手の体温で確認するようで、妙に前向きな気持ちになれるのです。

 ペットショップにいるお客さんは、その多くが見にきているだけの人です。言うなれば「仲間」で、特に一人で来ている人は、どこか心に傷を負っている人が多いです。「戦友」に思えて、オバハンだろうとオッサンだろうと、「お茶でもどうですか」と誘いたくなる自分がいるのです。

 ペットショップの店員さんも、人間味のある人が多いです。優しい空間に身を預け続けることによって、人間的に成長しているのでしょう。「この犬、かわいいですね」「かわいいでしょ」と、ちょっとした会話を交わすだけで、なんだか胸がぽかぽかとしてくるのです。

 よく、「ペット好きに悪いヤツはいない」といいますが、僕は「ペット好きに強いヤツはいない」と思っています。

 「自分以外にも、つらい人がいるんだな。自分は一人じゃないんだな」

 接点はなくとも、同じ空間に入って弱さを共有することで、仲間意識は芽生えます。ストレス続きの人は、ぜひ、ペットショップに足を運んでみてください。

④深夜営業している、ゴルフの打ちっぱなしの外
 ゴルフの打ちっぱなしは、ストレスを発散してくれます。僕も付き合いで何度か行ったことがありますが、何かに強い衝撃を与えるという行為が、憂さを晴らしてくれます。ボールを打つときのスコーーーンという擬音がそのまま体内に入ってくる感じがして、一発ごとにストレスが一つずつ消えていくかのようなのです。

 僕の近所に、深夜営業をしている打ちっぱなしがあります。僕は中に入ってボールを打つのではなく、いつも外にあるバスの停留所のベンチに座るのですが、そこから眺める中の風景に、メチャクチャ癒されるのです。

 ボールを打つ音、明るい照明、芝生の匂い――。

 どれも五感を刺激してきます。とりわけ施設の照明は、異常なまでに明るいです。闇とは対照的に光にあふれており、闇にいる側にとっては「粋」に感じられます。暗い場所にいるからこそ、その明るさがダイレクトに届くのです。

 「こんなに暗いのに、こんなに明るいんだ、ここだけは」

 こう考えて、ワクワクしてきます。中に入ろうと思えば入れるのに、あえて入らない自分がどこかジプシー的に感じられて胸が躍り、自分を見つめなおすには持ってこいの場所なのです。

 僕はここに来る途中で、毎回、自販機でコーンスープを買います。これがすごく温かくて、体の芯までぬくもります。コーンの粒を奥歯で噛みながら、「いつか、この光のある場所に出たいな」とばかりに、まるで詩人のような気持ちになっているのです。

 光というのは、直接浴びなくても、解釈の違いで心を照らすことができます。空間の中だけではなく、外側にも心の防空壕はあるので、みなさんも探してみてください。

⑤雨の日の図書館
 本に囲まれていると落ち着く、という人は多いでしょう。僕も本屋さんが好きで、頻繁に足を運びます。

 その感覚は、図書館も同じです。古びた本は、「時代」という色彩を帯びています。過去から連綿と空間を形作る構成員である、書籍。この重厚さがレトロ感覚に拍車をかけ、気持ちがほっとします。

 図書館は、ゴルフの打ちっぱなしとは違って、暗いです。小さな図書館だと、館内に蛍光灯を使用しているところが多く、うす暗いです。ただこの暗さが心地よく、本を読むのにちょうどいい感じなのです。沈んだ気持ちと共鳴して、中身が必要以上に頭に入ってくるんですね。

 なかでも、雨の日に行くのがオススメです。人が少なく、公民館クラスのこじんまりとした図書館だと、老人が多いです。「本+雨+老人」という組み合わせが都会にいることを忘れさせ、異空間に迷い込んだような錯覚に陥るのです。

 僕は図書館に行くと、頻繁に自習室に足を運びます。雨が降っていると、ガラス越しに、木に打ちつける雨が視界に入ってきます。学生時代を思い出し、「過去」と「今」とがリンクして、「この先、なんかいいことありそうだな」と、自分の未来に対して漠然とした希望が湧いてくるのです。

 不思議なもので、ブックオフではリラックスできません。古い本が置いてあるのでは同じなのに気持ちが落ち着かず、これは要するに、「時代」が感じられないからでしょう。「過去」という重みが少なく、「今」につながってきません。雨が降ってたらむしろ鬱陶しいだけで、それほど図書館というのは神聖な場所なのです。

⑥ホテルのロビー
 ホテルというのは、部屋の利用客でなくても中に入れます。中にあるお店は高いのですが、その高さに見合っただけのシックな雰囲気があり、「くつろぐ」という意味において、ホテルのパフォーマンスは非常に高いです。

 なかでも、喫茶店。

 ワンランク上の喫茶店は、何もかもが違います。味、イス、照明、音楽。お客さんも静かなので、考え込む場所としては最適です。小銭でスターバックスで考え込むのと、札束一枚を使ってホテルの喫茶店で考え込むのとでは、人生ベースで見たときに、得られる答えがまるで違います。長い目で見たら、ここでの投資は損にならないと思うのです。

 お店に入らなくても、ロビー(ラウンジ)なら無料です。ネットが使えるパソコンを無料で開放しているところもあり、ここがメチャクチャくつろげます。ソファーもあればテレビもあるので、コンビニでお茶でも買って来れば、ほとんど無料で時間が潰せるのです。

 ソファーに体を預けながら、行き交う人を見るのが楽しいです。慌ただしい利用客とは対照的に、こちらはのんびりとしています。優越感に浸れてうきうきし、ホテルのソファーはどこも高級なヤツです。ふかふかもふかふか、「これ、無料で使ってていいの?」と罪悪感を感じるほどで、特した気分も相まってテンションが上がってくるんですね。

 ホテルには、多種多様な人間が集まります。肌が白いのもいれば、黒いのもいます。子供もいれば、杖をついた老人もいます。「人生のターミナル」みたいな気がして、自らの半生を振り返らずにはいられません。あらゆる方向から気持ちが揺さぶられ、考えさせられるのです。

⑦総合病院の中の喫茶店
 いい意味でも悪い意味でも、病院ほど大きな感情が渦巻いている場所はありません。一喜一憂、魑魅魍魎。それらをすべて含んでいるのが、病院という空間なのです。

 病院には、「死」があって、「生」があります。「負ける者」もいれば、「勝つ者」もいます。「あきらめる者」もいれば、「戦い続ける者」もいます。「拒否する者」もいれば、「受け入れる者」もいます。「時間を大事にする者」もいれば、「時間を無駄にする者」もいます。「孤独」があれば、「輪」もあります。「孤独」が「孤立」になっている者もいれば、「孤立」を「死」に変える者もいます。様々な人が、「目の前に起きた事実を受け止めざるをえない」という共通認識のもと、勝ったり負けたりしているのです。

 医療ミスを起こす医者、そのミスを隠す医者。遺産に目がくらんで患者に死んでほしいと願う家族もいれば、自らの臓器を投げ打ってでも助けようとする家族もいます。ものすごいパワーが空間にあふれ返っており、おそらく全部あるんですよ、ここ。この世のあらゆる喜怒哀楽が、この白い箱の中に詰まっているのです。

 僕はどうしようもない悩みができたら、地元の総合病院に行きます。まず屋上に足を運び、各階に移動して様々な人々とすれ違い、そこで得た人生観を、最後に一階にある喫茶店に入って咀嚼し、自らの血肉とするのです。

 病院の外の喫茶店ではなく、中の喫茶店。その空間の中だからこそ考え込むことができ、いつもメロンソーダを飲んだあとにバニラのアイスクリームを食べるのですが、なんか妙な味がするんですよ毎回。日によって感じる味が違うのが自分でもわかり、病院という場所は、相当深いのです。

 ただ不思議といつも、前向きな回答を手にしています。なぜなら、そこにいる大多数の人が強いからです。

 なんだかんだで強いんですよ、病院の中にいる人。以前、車イスの背もたれを倒して移動している患者を見たのですが、ピンと伸ばした骨折している右足に、ギプスの上からカバンをぶら提げています。「便利でっしゃろ、これ!」とばかりに、当たり前のようにそんなふざけたことをしているのです。

 その人は、「これが人間なんだ!」と言わんばかりです。そのパワーを頂戴すると、自分まで元気になってくるんですね。

 病院というのは、病気を治す空間ではありません。「クオリティライフ」という言葉にもあるとおり、患者の人生を治す場所、と言えます。そしてその患者は僕らのような心に悩みを抱えた一般の人間も同じで、この強い空間を利用しない手はないのです。


 そして、最後。この防空壕は、僕のヘビーローテーションです。

⑧夜の公園
 仕事柄、僕は帰宅時間が遅いです。終電に乗ることなどザラなのですが、終電の車内が、たまらなくせつないのです。

 幸せそうな人を見て劣等感を感じたり、その日にあったことを振り返ってブルーになったりと、感情の振り子が揺れ動きます。いいことがあった日ならそんな気持ちにはならないものの、そうとはかぎりません。往々にしてイヤな日のほうが多く、帰宅するまでに気持ちがリセットできないんですね。

 鏡に映る自分の顔は、その日の精神状態によって見え方が変わります。電車のドアに映る自分の顔を見て、「えっ、俺ってこんな汚い顔してたんだ……」とか、「私って、こんな醜い顔だったんだ……」などと、マイナスの感情が心を侵食し、自我を崩壊させてくるのです。

 人が死にたくなるのは、お金がないからでも、恋人に振られたからでも、病気が治らないからでもありません。未来が見えなくなったからです。未来への漠然とした不安に自我が崩壊し、精神がカオスに陥り、前が見えなくなるのです。

 一日を終えるときに、なんらかの結論を出したいものです。その結論を前向きなものとするべく、僕は終電を降りたあと、いつも駅の近くの公園に寄ります。そこで缶コーヒーを飲みながら、その日にあったことを見直すのです。

 夜の公園は、ひっそりとしています。そこには、自分が子供だったころに遊んだ「過去」があり、社会人である「今」があり、明日という「未来」があります。それらをひっくるめて脳を感化させ、プラスの方向に考えるのです。

 家に帰ってからだと、このリセットがなかなかできません。「家に帰るまでが仕事」と解釈し、仕事中に気持ちを戻したいです。夜の公園で、自分のいいところも悪いところも含めて頭を整理し、次のような価値観を持てたら、あなたは「治って」います。

 イヤなことがあったけど、冷蔵庫にプリンが入ってるからいいや!

 あの人はウソつきだけど、自分もよくウソをつくからいいや!

 あの人のことは許せないけど、なんかもう考えるのが面倒くさいから許してあげよう!

 人に優しくしようと思ったら、自分の心に、ある程度の余裕がいります。東北の震災のときも、被災者への支援に対して突発的に熱くなっても、少し時間がたって自分の身に大きな悩みが降りかかれば、途端にどうでもよくなります。人間とはそういう弱い生き物なので、常に心に余裕をもてるように、メンタルをコントロールする術を身につけるのもまた、仕事の一部なのです。

 資本主義に身を委ねる以上、優しい社会などありえません。強い社会が求められ、そこで生き抜こうと思えば、自分なりの心の置き場を構築していく必要があります。心が弱い人は特にそうで、自分に合った心の防空壕を見つけて、つらいことがあったらそこに避難しましょう。

 人間、最後に助けてくれるのは、もう一人の強い自分だと思います。


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