たった今、ネットで劇評家扇田昭彦さんが亡くなったことを 知りました。



ミュージカル誌5.6月号にもオーバードホールミュージカル「ショウボート」への愛情あふれる劇評が掲載されたばかり。


あまりにも突然のことに、言葉もありません。



かつて舞台中継を放送していたNHK教育テレビの芸術劇場。作品の解説や役者さんへのインタビュー。

豊富な知識を持ちながら決してひけらかすことなく、演者に、そして舞台への敬意があり。。穏やかで品のある語り口が心地よく、扇田さんが出られる回はいつも楽しみでした。


長年劇評を書かれていた「ミュージカル誌」。


時として「大人の事情」にくみせざるをえなかったのかなと思う劇評もある中で、扇田さんの言葉はいつも誠実で心から信頼できるものでした。


なんといっても忘れることができないのはオーバードホール初演「ハロー・ドーリー!」での劇評。

剣さんのドーリーを「柔らかいカリスマ」と評してくださった言葉は今でも心に残っています。


「ハロー・ドーリー!」東京公演の実現は扇田さんが東京芸術劇場に働きかけてくださったことがとても大きかったと聞いています。


心からいいと思えるものに情熱を持って動いてくださる方だったと・・。


演劇、ミュージカルへの造詣の深さ、作品、演じる人、舞台への限りない愛情。


ミュージカルの世界にとっても演劇の世界にとっても、本当に大切な必要な方でした。

もちろんこれからももっともっと・・。


残念で残念で残念でたまりません。


以前、世田谷パブリックシアターにご子息が演出された舞台を観にいらしていたときに、たまたまた隣席でお話することがありました。

柔らかいあのお声が今も耳に残っています。


心からご冥福をお祈りします。


愛情あふれる数々の劇評を、ありがとうございました。