今日の1枚は、「仮面ライダーディケイド」サウンドトラックです。


平成ライダー10作目。

10年という年月は、「クウガ」や「アギト」、「龍騎」といった作品たちを過去のものとし、

子どもたちの心からはだんだんと忘れ去られていきました。

ウルトラシリーズや昭和ライダーのような連続性のない作品である以上

それは仕方のないことだった、とも言えますが

「コンテンツ」としての寿命を延ばしていくために、

ライダーが共演するデータカードゲームを作り、

そのカードゲームを体現するライダーを生み出しました。

カードのバーコードをデザインにあしらった、

マゼンタの体に黒のラインが入った異形のヒーローであり

データカードを使うことで他のライダーに変身する、というギミック、

そして、過去のライダーの(もともとの世界とは違うリ・イマジネーションされた)世界を

渡り歩く物語、というロードムービー的な作品であったわけです。


そしてサウンドトラックは、その「異邦人」感を表現するため

2人の作曲家・・・平成ライダーシリーズの音楽を手掛けてきた鳴瀬シュウヘイと

戦隊とアニメ作品、昼ドラ(「牡丹と薔薇」も!)を手掛けてきた中川幸太郎という

人選を行い、各ライダーの世界になじまない「異邦人」を

スパニッシュギターを導入したラテンミュージックで表現しております。

それはどこか西部劇的・・・それも本格派でないマカロニウェスタンを彷彿とさせ

そこもまたこの番組を象徴しているようにも聴こえます。


続く「W 」でもこの二人の劇伴制作が作品世界を豊かにし、

「新しい平成ライダーの始まり」を印象付けましたが

「これまでの平成ライダー」に異分子を放り込み、

その世界の「本質」を浮き彫りにするという作品であった「ディケイド」。

そのサントラもまた、異質でありながら聴きごたえのある作品となっております。

GACKTの主題歌 とともに、楽しんでいただきたい1枚です。



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