あかんべえ 上・下

   宮部みゆきの時代物小説。
子供を主人公にしてるから、
宮部節が、炸裂するする。

料理屋『ふね屋』の一人娘『おりん』。
ふね屋に店を開いてすぐに、おりんは病に伏した。
その時に不思議な夢を見る。

生死を迷った病から、生還したおりんには
物の怪を・ふね屋に巣くう5人のおばけさんが
見える様になってしまった!

ちょっと、12歳の女子(おなご)が
そこまで考えが回るか…?って
突っ込みたくなる場面もあったけど。

高熱で三途の川の一歩手前で
『この世』へ戻って来た『おりん』だから
子供らしさの中に、大人びた考えや
頭の回転の良さは、いたし方無い。って事で。

お化けさんが、たくさん出てくるけど、
魅力的なお化けさんばかりで、読んでてとっても楽しい。

こんなお化けさんなら、私も見える人になりたいわ。

見事に事柄が、全ての登場人物に結びつき
絡んだ糸が次々に解けて行く下巻は、
ノンストップで読み終えたくなる。

そして読み終えて、おりんと一緒に、寂しさが募った。
魅力的なこの小説の全てのお化けさんは、
すっかり成仏してしまったから。けど
まだ『おりん』を主人公にした、時代物が書けそうな…。
『おりん』の再度の登場に、期待をいたしましょう。

やっぱり宮部みゆきは面白い!
もっともっと書いて欲しいな。

宮部みゆき様。
ゲームはほどほどにして、
面白い小説書いて下さいね!