ラグビーとゴルフのこと〜走り方のカッコ悪い男になるな〜 | 神戸加納町「BAR志賀」と昼の顔(中毒性日記Blog版)

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10月も中頃になると寒い夜である。店で現役ラグビー選手と熱い話をすれば、もう気持ちは寒さなど忘れるトーンになる。今はブームだが、それが文化になって各処で語られるストーリーになって、痛いこと、身体を張ることを厭わないラグビーというものが広がればいい。今の社会に必要だと思う。

あるお客さんと話していると「志賀さんは、ほぼカートに乗りませんよね」と言われる。誰も、僕がヘルメットかぶりジムカーナやスラローム競技に出ていることを想像しないだろう。そう、ゴルフの話である。谷や池越えの長い橋を渡らないといけないとか、高低差のある山岳コースだとかで仕方なくカートに乗ることはあるが、大抵僕は乗らない。元々、夏に熱痙攣の経験もあるし、ラグビーの後遺症で右膝や足首の靭帯もやっている。職業病下肢静脈瘤の傾向もあって、ある程度動かしておきたい。そんな理由だ。

そしてもう一つは、自分がどれだけ走れるか、
その姿は情けなくないかなど確認するためでもある。

年をとればとるほど、男は足が細くなる。上半身はなんとなく鍛えやすいが、下半身はみんなやらない。そうなると、いくら昔スポーツをやっていたとは言っても、大腿部(つまりモモ)は弱くなる。体で最も大きな筋肉なのに大腿四頭筋を鍛えない。必然的に足は上がりにくくなる。意外に語られないが、腿を上げるのには腹筋も必要で、ますますやらないトレーニングの部類になる。そして、イメージとは裏腹な格好の悪い走り方になる。断言していい。女性で言うところの「年齢は首に出る」級に、男は走り方に出る。

ラグビーワールドカップのニュースでご覧になった方も多くいらっしゃるだろう。今回の日本代表は「走り方」が美しかったように思う。出来うる限り身体はゴールラインに正対する。無論体幹は必要だが、足を止めないように腿を上げることで、常に前に出ようとする。戦えないチームは、得てしてゴールラインとは違う方向に身体が動く。組織論で言えば、全員がゴールを目指していない、ベクトルが向いていないように映るのだ。

そもそも軽いランニングはしても、全力で走るなんてことはほぼない。大学の頃は100m12秒フラットが最高だったと思う。今は何秒で走れるのか。とは言え、51歳が三宮で走れば頭がおかしくなったと思われる。今更、どこかのクラブチームでラグビーを、なんて気持ちも起こらない。その昔、神戸製鋼の現役と灘浜のグラウンドで練習に参加したことがある。選手が驚いていたくらい動けたが、15分で肉離れの苦い経験がトラウマだ。

僕はみすぼらしい努力も、痛々しい見栄も持ち合わせていない。
しかし小走りでも、格好悪いと言われるのは怖いから少しの抗いはある。
適度に持続できる範囲のトレーニングは続けたい。

全速力は、加納町の店や昼のデザインの仕事で表現しようと決めている。