匂い10倍？！

　と言いたいぐらい味がわかる、と言うより見えるのだしっかりと。
タバコをやめてたった10日。
これ程までにタバコは味覚の邪魔をしていたのかと実感している。

　いつも平気で飲んでいるラム酒の味が、
「あれ、工業製品臭い・・・ダメだわこれ！」思わず捨ててしまった。
「これは！樽の香りがほのかにしていてとっても良い♪」
料理をしていて、フライパンから立ち上る香りで充分に味まで想像できてしまう。

　それでもまだ、日々タバコが吸いたくなる。
その度に大きな声で
「あ～タバコがすいてぇ～！」
って言って腕立て伏せかスクワットをして誤魔化している。そうそう、お酒を飲むとまたまたタバコが恋しくなる。が、この味覚を捨てる事はもうできない。多分ニコチンタールが徐々に抜けて行くともっともっと味に敏感になれるのではなかろうか？

　もう歳なので、聴覚も味覚も全ての五感の感覚が落ちてくるのは必然。
ならば食い止められる物はないのか？その時唯一出来る事が「タバコ」だったのだ。だから辞めた。ただそれだけ。正月1日の午後、なんとなく
「タバコ吸わないでおいておこうか」
たったそんだけ思い。