前書きが常態になってしまいました。

人物ポートレートイラスト描いてると、服が問題。

通販ページを参考にしたりして資料集めてます。

手書きのタイムマシン 11.最高難度から。

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留守番電話のランプが明滅している。

再生ボタンを押すと、中江真美の元気な声が聞こえてきた。

なんか「お願い」があるみたいなので、また俺から掛けることになる。

俺から切らなきゃいけない。残念だ。

 

こないだの続きの話かと思ったら、明るい声でこう告げた。

「夏休み、旧都に行こうかと思うんです!」

「お。なにしに?」

「ん、友達何人か連れて、祇園祭に行きたい!」

ああ、日程も決まっているのか。

「そんで、さわにいに、会いたい!」

「俺は観光地のパンダか!」

「セットだからいいんじゃないですか!」

じゃあせめて言う順番を変えろ…

 

「友達ってみんな女の子?」

「いいえ、男の子もいますよ?」

あっそう。うっかりがっかりし、ちょっとほっとする。やっぱり修行が足りない。

「彼氏は?」

「多分来ると思う… けどどうかな」

「彼は学校には行ってるの?」

「4月は行ってたみたいだけど、また行かなくなったみたいで…」

ちょっとね、どうしたらいいかわかんない。少し弱音も聞かれた。

不用意な質問だった。

ちょっと狼狽しているうちに、彼女の方から元気な声が飛んできた。

「で、相談! 旅費を節約したいんだけど、さわにいんち、何人泊まれますぅ?」

はぁっ!?

 

「ほら、10畳と小さなキッチンスペースって豪語してたじゃん。2~3人はOKじゃないですかぁ?」

自慢じゃないが、普段は本が散らばってて歩くのに少し苦労する。

いや、正直に言うと、本や雑誌や服や座布団やキーボードやゲーム機だ。なんならペットボトルも。

片付ければ入れるかな…

「何人だって?」

「ん~4人!私入れて」

「さっきより増えてるじゃないか!」

しかし、もう俺はワクワクしてしまっている。結論はわかっているのだ。

OKさね。

「やっ

 たあああぁ!

 ありがとう!」

 

俺は人がいいのだろうか。

それとも学生はこのくらい無茶でちょうどいいのだろうか?

そんなことより、夏までにこの部屋を片付けないといけないのであった。

本棚を買わないとな… 中古でいいかな? 先輩にもらえたりしないかな?

ニト●のない時代であった。学生にとって家具を買うことは一大決断であった。

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この物語はフィクションです。