スタートダッシュ頑張った。
これからちょっと間隔が開きそうです。すみません。
公私多忙のためですけどね。
でも、いいねやコメントが後押ししてくれるかも知れません。
~~~~~~~~~~~~
なにをいいだすんだ?
「彼女を傷つけたのは、あなたが勝手だったからじゃないよ」
慰めようとしているのではないようだ。
「つまりね、彼女を一人前と思っていなかったんだよ」
ん? ああ、それは否めない。
「その彼女に、あなたの人生を『失敗』って位置づけられたらどうしようって心配したんだよね」
落雷。衝撃。俺は目を見開いたままだった。
「自分が見くびられてたってことが分かっちゃったんだよ。彼女だって、あなたの言いなりについてきてたわけじゃないのに。あなたを自分で考えて選んだつもりだったのに」
俺は、本当に、彼女をオトナだと思っていなかった。認めていなかった。
その相手に批判されることに耐えられなかったのか。
彼女はそれを見抜いて、怒っていたのか。
何て小さいんだ、俺。
一瞬前まで、俺が彼女を振ったんだって思ってたのに、俺が見切られて振られたんだ。
「格好悪いことしたくないっていうの、格好悪いよ?」
そうか。俺、格好悪いことをしてきた。
どんなに格好をつけても。人を人として認めないことは、人としてとてつもなく醜い。
「ねえ、大澤君…格好悪いよ。うん、格好悪い。そんな格好悪い話を…してくれて…ありがとう」
はっと気づく。俺は相当ひどい顔をしていたようだ。
ちょっと顔を上げる。
この半年間、自分に向かい合えなかった。そして目を背けているのが苦しかった。
でも、格好悪くなりたくない呪縛から、今、脱したのがわかった。
「格好悪い自分を認められるのは、格好いいよ。うん、信頼できる」
「なんで上から目線なんだよ…」
やっと声を絞り出す。
「あらごめんなさい、お坊ちゃん…いや、一皮むけたよね」
「くそ、だからってなにも始まんねーぞ」
「誰もあなたと始まりたくなんかないよ!」
ぺしゃんこにつぶれた。
捨て台詞を付け加えやがった。
「もうちょっと反省してから出直しなさい」
神様…本当に、俺は、こいつが苦手です!
でももしかしたら、壁は意外に低くなったのかもと思ってしまった。癪だ。
~~~~~~~~~~~~
この物語はフィクションです。