スタートダッシュ頑張った。

これからちょっと間隔が開きそうです。すみません。

公私多忙のためですけどね。

でも、いいねやコメントが後押ししてくれるかも知れません。

手書きのタイムマシン 6.懺悔不全から。

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なにをいいだすんだ?

「彼女を傷つけたのは、あなたが勝手だったからじゃないよ」

慰めようとしているのではないようだ。

「つまりね、彼女を一人前と思っていなかったんだよ」

ん? ああ、それは否めない。

「その彼女に、あなたの人生を『失敗』って位置づけられたらどうしようって心配したんだよね」

 

落雷。衝撃。俺は目を見開いたままだった。

「自分が見くびられてたってことが分かっちゃったんだよ。彼女だって、あなたの言いなりについてきてたわけじゃないのに。あなたを自分で考えて選んだつもりだったのに」

 

俺は、本当に、彼女をオトナだと思っていなかった。認めていなかった。

その相手に批判されることに耐えられなかったのか。

彼女はそれを見抜いて、怒っていたのか。

何て小さいんだ、俺。

一瞬前まで、俺が彼女を振ったんだって思ってたのに、俺が見切られて振られたんだ。

「格好悪いことしたくないっていうの、格好悪いよ?」

そうか。俺、格好悪いことをしてきた。

どんなに格好をつけても。人を人として認めないことは、人としてとてつもなく醜い。

 

「ねえ、大澤君…格好悪いよ。うん、格好悪い。そんな格好悪い話を…してくれて…ありがとう」

はっと気づく。俺は相当ひどい顔をしていたようだ。

ちょっと顔を上げる。

この半年間、自分に向かい合えなかった。そして目を背けているのが苦しかった。

でも、格好悪くなりたくない呪縛から、今、脱したのがわかった。

 

「格好悪い自分を認められるのは、格好いいよ。うん、信頼できる」

「なんで上から目線なんだよ…」

やっと声を絞り出す。

「あらごめんなさい、お坊ちゃん…いや、一皮むけたよね」

「くそ、だからってなにも始まんねーぞ」

「誰もあなたと始まりたくなんかないよ!」

ぺしゃんこにつぶれた。

捨て台詞を付け加えやがった。

「もうちょっと反省してから出直しなさい」

 

神様…本当に、俺は、こいつが苦手です!

でももしかしたら、壁は意外に低くなったのかもと思ってしまった。癪だ。

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この物語はフィクションです。