「恋愛」ジャンルに生き残り…と思っていたのに…

恋愛小説始めたとたん「学び・教育ジャンルに決定しました」って…

書けと?

まあ、このシリーズで一昔前の恋愛事情でも学んでください。

手書きのタイムマシン 4.社交辞令から。

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お弁当事件から、クラスの女の子たちに構われやすくなった気がする。

気遣いの薄い幕が取り払われたようだ。

歳の差があると、いじられても余裕があるからラリーが続きやすい。

今、うちのクラスは、学園祭に向けて盛り上がり中であった。

 

自治会の方は当然大忙しだ。各種団体の支援・助言、監視・取り締まり、調整と大学側との折衝など。

下っ端は走り回る。うちの学部は勉強も手を抜けないので大変なのであった。

授業の時間割も同じだから、自然と外池貴子と一緒にいる時間が長くなる。

 

学園祭当日。

「大澤さん、いっしょにまわろ!」

「ごめん、13時まで当番…」

クラスメートたちが誘ってくれるのだが、自治委員は、交代で巡回と本部遊軍当番を命じられていた。

1回生は特に空き時間など作ってもらえない。

 

外池と二人で遊軍として本部に詰める時間があった。

「大澤君、はい、ジュースよ… みんなと見て回りたかった?」

「ああ。来年は少しは回れるのかな」

「2回生はもっと忙しいみたいじゃない?」

「ヒマな経済学部の連中にもっと頑張ってほしいよ全く」

「今のは記録しときます。弱みを握ったわ♪」

「げ。取り消します」

「あらそう?」

「俺を子ども扱いしてない?」

「歳上になんか見えない」

もともと生意気っていうか、目上でも立てないやつだと思っていたが。

 

部屋の中が静かだ。ひっきりなしに呼び出される時間帯もあったのだが、今は仕事がない。

「もしかしてさ、俺をクラスに溶け込むように気を遣っていたりした?」

「ええ、そうよ。世話が焼けるわね」

「サンキュな。すごく助かってる」

「なによ… お礼なんて筋違いよ、監視も含んでるのよ」

「え?」

「クラスメートが、大人の狼の毒牙に掛からないように!」

なんてこった。しかし、それは全く問題ないぞ。俺にその気はない。

「まあ、そんな心配いらないみたいだけどね…」

…やはり「あれ」を聞いてたんじゃないか?

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この物語はフィクションです。