ぱりさいびとです。序盤ゆっくりです。
主要人物たちのポートレート描き始めました。
いいねコメント(抗議も可)お待ちしております。
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外池さんからの、何となくの好意は感じている。
どういう感情にあてはまるものかはわからない。
もし恋愛感情に類するものだったら困るなと思う。
今は誰の好意にも応える気にはならないからだ。
いつまで引きずるかわからないが、サラリーマンのころ付き合った女性との別れ方が苦い思いとなっているのだ。
彼女への微妙な感じには、そういう自分の気持ちが作用している。
珍しく男子がそれぞれの用事で出払っている。なんとなく、お弁当を女子の一グループと同席することになった。
ないことに外池もいない。
「大澤さん、仕事って、まえ何してたの?」
「んー…商社マンさ」
「えー、すっごーい」
「っていうか、どこ? どんな?」
…話をぽつぽつとしながら、彼女のことを思い出していた。
『私はあなたのなんだったの?』
よみがえる言葉。小さな声なのに耳にしっかりと突き刺さっている。
自分の世界に落ちていきそうなとき、話題が変わった。
「外池さんって…」
はっとする。
「うん…すごいよねー」
「いつも自信に満ちててさ」
「思う思う、うらやましーよねー」
「男子から見てどうなんですか?」
危険信号。
「いいと…思うよ」
「あー、いいんだ…」
「そうなの?」
「いや、そういう意味じゃなくてね…」
「じゃあじゃあ、アリ?」
「ななななにが!?」
「ちょっときつくない?」
「てか、大澤さんも『くん』づけだもんね!」
キャー… 一斉に声があがる。
「ありえなーい!」
「でも大人っぽくていいかなあ」
「大澤さん大人だもんねー」
「そういうの、だめなんだよ!」
ちょっと声が大きくなった。驚かせてしまったかな。
話が途切れた。
そこへ誰か入ってきた――外池だ。
しばらく静かなままだ。そのままこの話題は立ち消えになりそうだ。
(聞いていたんじゃないだろうか?)
「静かじゃない、大澤君がいるからみんなおしとやかなの?」
「えー、まっさかあ!」
彼女の態度は不自然には思われなかった。
どうなんだろう?
聞かれていたら…どうなんだろう?
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この物語はフィクションです。