さよならリフレ | 聞きっぱなし言いっぱなし食べっぱなし

さよならリフレ

札幌から帰ってきました。
縁あって北海道での演奏が近年多いワタクシ、友達も増え、行きつけの飲み屋も増え、当然ながら音楽仲間も増え、挙句の果てにワタクシの奥さんも道産子である。「縁」以外の何物でもないであろうワタクシの北帰行とも言うべき巡業は毎度毎度楽しいもので、いつも東京に戻る時に「あ~もっと滞在したなぁ」と思ったり、短期間でいいから住んでみたいなぁなどと考えるのである。

除雪車のドライバーにはじまり、ニシン漁師、鹿や熊の解体師、アイヌ祈祷師、ロシア船との洋上取引、政府専用機の整備・・・ご当地ならではの「あるのかないのかよくわからない仕事」を妄想族気取りでフワフワ想うとすぐ1日は過ぎてしまう。

そんなくらいこの地を愛している理由は勿論たくさんあるが、外せない理由のひとつである「ニコーリフレ」で事件が起きてしまった。

激アツなサウナ内でスタッフがサウナストーンにアロマ水を注ぎ猛暑状態にして更にバスタオルで熱波を送り続ける「ロウリュ」というフィンランド由来のマナーが名物のニコーリフレ、ロウリュ自体はいろんな場所で実施されているのだが、ココの執拗なまでのロウリュに対する執念にいつも感服しながら浴びていたのだった。
ツアーでは基本ホテルか友達の家に滞在するのが普通だが、札幌ではしょっちゅうリフレに滞在するのです。
それなりにイイ値段するのだが、ロウリュファン達でいつもごった返していて予約も常にビジー状態。

ロウリュ開始時刻になると赤いTシャツのスタッフが自己紹介を始める。これを数十人の客たちは盛大な拍手で迎え、ロウリュは始まる。熱波を多く送ることのできる人気スタッフになると終了時には「イエイ!」とか歓声も入るほどの盛り上がりで、店も客もとにかくロウリュへの愛情は半端無いのである、ワタクシもその一人。

それが今回、従業員に呼びとめられてしまった。
「お客さん、ウチ、それ駄目なんですよ~、ロッカー番号控えさせてください」

ソレとは、刺青のこと。いつかこんな日がやってくるかもと感じてはいたが、突然の警告に「ああ、来たか・・」
死刑が確定してから執行されるまでの期間だったわけだ、今までは。

それにしても原因はコレ。

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古くは26歳の時に日系ハワイ人に呼ばれてアメリカ西海岸のシアトルで1週間ロックバンドでベースを弾くという仕事をした時に、土産を持つのが面倒なので体に土産を持たせたのがプーさんの刺青。右腕の外側に小さなワンポイントである。今までも全国各地の公衆浴場やサウナ施設などで従業員に声をかけられることはあったが、いつも従業員の顔は笑いを必死で押さえながら「一応規則ですので、テープを貼らせてもらっていいですか?」といったもので、中には完全に吹き出してしまって「かわいいですね」というものもあった。

それが今回だけはそうはいかなかった。
無論悲しい、しかし規則は規則であるから悪いのはワタクシである、今までありがとうとしか言いようがない。

しかし、ニコーリフレは規則をきっちりしているから館内の風紀は良く、清潔、だからワタクシは好きだったのだ。だから仕方が無いのである。一つを認めたら十を認めざるを得ないのが世の中なのだから。

身支度を整えて退館するときに「では会員証をお願いします」と言われた時、一瞬ドキっとしたが大人しく返して雨の札幌に繰り出した。

ココ10年くらいで一番ブルースフィーリングを体感した出来事でした。が、落ち込むことなく、むしろこんな経験こそ貴重じゃないか!と奮い立たせてそれは演奏に反映されたことでしょうww。

kino cafeでの「初夏のごちそう」と題したコンサートで板谷君の邪魔をして3連弾をする様
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札幌では合間にウクレレ教室も開催してきました。リフレを追い出された直後とは思えない明るい笑顔、我ながら図太い人間だなぁと感心しています。

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初めての会場、チョロン札幌店の2階スペースでの教室 は、初めてウクレレを弾く方から、普段ここで教鞭をとっておられる札幌のウクレレプレイヤー「キクチマコト」さんのお弟子さんなど、多岐にわたっていたのですがみんなで楽しく厳しくwウクレレを演奏しました。ミニライブの後半では遊びに来てくれたけいちゃん(aka こうちゃん)もラッパを吹いてくれました。
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最終日の平岸K's barで行ったライブでは、札幌の女性シンガー&ノコギリ奏者のカポウさんが遊びに来てくれて、当然シットインしていただきました。ダイナミックかつ繊細な歌声に感激しすぎて、いつも彼女が歌った後には何を演奏したらいいかわからなくなりますww。
ちなみに彼女のアルバム「33」 にもワタクシ全面的にウクレレで参加しております。

終演後の記念撮影
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打ち上げは「十万馬力」にて。平岸ではラベルがオリジナルですね・・・・・・・・・・・・・・・・・
帽子の似合わないワタクシにも似合うようにいつも作ってくれる小樽のまきちゃんに今回は夏用の帽子を作っていただきました、ありがとう~。
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もうこの時にはリフレショックは完全に忘れています。

ニコーリフレが無くても本当の札幌の魅力は人間です、来れば来るほどそう実感します。あったかくてドライ、個人を尊重してくれますね~、音楽を頭ではなく体で感じ取ってくれます。ワタクシだいぶ相性が良いようですよ。

また秋には伺います札幌。でも皆さん今後ともニコーリフレ をよろしくおねがいしますヘヘッww