男友達のこと(30代半ば、既婚、子ども一人)。

奥さんはめちゃくちゃ美人さん。
3歳の娘はかわいい盛りで、「娘がいるから頑張れる」と、デレデレです。

専門知識を身につけて、数年前に独立開業。
持ち前のセンスの良さで、成功を収めています。

—— と、ここだけ聞くと、
「いーないーなー、幸せだなー」と、無責任に羨んでしまうのですが、

私は知っている。

彼が、見た目にはわからないけれど、難病を抱えていることを。
奥さんの家族が、重度の精神疾患で入退院を繰り返していることを。

話は変わって、今度は女友達の話(40代、独身)。

バリバリのキャリアウーマン。
才能にあふれ、たぶん、年収は私の3倍くらいもらっているであろう。

ワーカーホリック気味だけど、
そうやって突っ走れるくらい、その仕事が好き。

好きなことを仕事にできて、しかも、経済的にも恵まれている。

「いーなーいーなー」です。

でも、私は知っている。

彼女の母親が「とても大変な人」であることを。
病的であることを。

彼女と私が一緒に旅行していても、食事をしていても、
構わずジャンジャン電話がかかってきて、キーキーわめく彼女のお母さん。

そんな母親から逃げるかのように、
彼女が仕事に打ち込んできたことを。

仕事は、母親のように自分を失望させないから…。

以前も、似たテーマで書きました→

みんな、涼しい顔して、なーんも問題ないような顔して、楽しそうな顔して、
社会生活を送っているけれど、

パーソナルな背景を知れば知るほど、

他人の表面的な部分だけを見て、羨ましがったり、軽蔑したりすることが、
いかに傲慢で無知なことか、と、思い知らされる。

みんな、いろいろあるのね(もちろん私も)。

——と、まぁ、ここでデキた人は、

そうだ、正負の法則なのだ、とか、

みんな同じように苦しみを抱えているのだから、
結局はプラスマイナスゼロ、羨む必要はない、とか、

ワンネス!とか、

そういうことを腑に落とすのでありましょうが、

悲しいかな凡人の私は、
上記のような、知人友人の胸が詰まるような具体例を知ってもなお、

性懲りもなく、会う人、会う人、
表面的な部分を見て、勝手に羨んだり、軽蔑したり、するのである。

自分でも「やれやれ」ですが、
ま、とりあえず、現時点ではよしとする。

少しずつね。