英二が伊部の出張(←パーティー目当て)に同行することになった。
<一日目>
英「じゃ、行ってくるよ。毎日連絡するから!」
ア「あぁ、気をつけろよ。何か困ったことがあれば
いつでも帰ってこい」
英「はは、ありがとう。心配してくれて。。」
英二は迎えに来た伊部、シンと共にアパートを出た。
*** その日の午後 ***
---- Ring Ring!! ----
リビングにいた子分のコングとボーンズが電話の音に気づく。どちらが電話にでるかお互いに視線を合わせた瞬間、アッシュが先に電話を取った。
ア「はい。。。」
子分たちは、ふだん電話に出ないアッシュが自らすばやく受話器をとったことにたいそう驚いた。
ボ(あれ? ボス。。。)
コ(いつもは『さっさと出ろよ』と俺たちに言うのに)
アッシュは英二からの電話かと期待していたのだが、それはセールスの電話だった。儲け話があると話しだした相手に対して、アッシュは苛立ち声を荒らげた。
ア「 儲け話だぁ? オレは自分で稼げるからいらねーよ!!」
舌打ちして電話を切るアッシュを呆然と子分たちは見ていた。
ア「なんだよ。。。おまえら」
子「い、いえ!!なんでもありません!!」
*** 10分後 ***
---- Ring Ring!! ----
再び電話が鳴るが、今度はアッシュは出ようとしなかった。ジロッと子分をみて、無言で『取れよ』と訴えた。ボーンズは慌てて電話をとった。
ボ「誰だ??。。。あぁ、待っててくれ。ボス、英二の。。。」
ボーンズが説明しようとした瞬間、アッシュはボーンズの手から受話器を奪い取った。
ア「オレだーーーどうだ、代わりないか?」
受話器から英二の声を期待していたが、それはマックスだった。
マ「おう、アッシュ。オレは代わりないよ」
ア「。。。。チッ、おっさんかよ」
マ「おい!!なんだよそれ!!ははーん、お前。。。
英二からの電話だと思ったな!」
ア「うるせぇ。。。何の用事だ?」
マ「英二がお前のことを心配してだなぁ。。。
寂しい思いをしているんじゃないかって。
時間のある時に電話してやってくれってと
言われたんだよ」
ア「バカいえ。。。英二のやつ、オレをガキ扱い
しやがって。オレは問題ない。
むしろ煩く色々言われないからせいせいしている」
マ「ふうん。。。ま、寂しくなったらオレが
いつでも遊びに行ってやるよ。はは!」
ア「おっさんに来てもらっても嬉しくねぇよ。。。
もう切るぜ」
そう言って、アッシュは一方的に電話を切ってしまった。
マ「あ、、、切りやがった!
可愛くねー!! 英二と大違いだ!!
オレはあんな息子はいらねぇよ!
マイケルは英二みたいに素直な息子に
育てるんだ!!」
マックスは受話器に向かってぶつぶつと文句を言っていた。
ア「チッ、英二のやつ。。。。」
(でも、オレの事を心配してくれていたんだな)
子供扱いされて腹立たしく思いながらも、自分を気に欠けてくれている彼の存在を嬉しく思うのであった。
そして口笛を吹きながら書斎へと移動した。
恐る恐る彼の様子をみていた子分たちは急に機嫌がよくなったボスの背中を不思議そうに見守っていた。
ボ、コ「「あれ。。。? さっきまで怒ってたのに。。。」」
(続)
強がるアッシュが可愛いな~と思うのですが、皆さんならアッシュはどんな反応すると思いますか??