クリスマス プレゼント | BANANAFISH DREAM

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趣味の漫画BANANAFISH二次小説を中心に日々更新中♩

アッシュは高級ブランド品店が入っている大きなショッピングモールに入った。
「クリス」を演じるため、高級デパートで買い物をする必要があった。

(ふだんは自分の為だけど、誰かに何かを贈るためにここに来たことはないな。。。)

英二にふさわしいものがあるか、店内を見て回る。

(いろいろあるけど。。。どれがいいかな?)

アッシュはアクセサリー売り場に立ち寄ってみた。

(このシルバーなんて似合いそうだけどな。。。)
(いや、待てよ。あいつがアクセサリーをつけるところを見た事がないぞ)

店員「お客様、恋人へのプレゼントでしょうか?」

ASH「こ、恋人!? い、いえ。ちがいます!ちょっと見ていただけです!」

(そうだな、ふつう男が男にアクセサリーなんて贈らないよな)

慌ててアッシュは売り場から離れた。



アッシュはさらにキッチングッズコーナー、オモチャ売り場にさえも立ち寄ってみた。

(エプロンとフライパンのセット?? いや、、、なんか違うだろ!)

(最新ゲーム機??うーん、ゲームに夢中になりすぎる気がするから却下だ。。。)


買い物に時間をかけるのは好きではないが、なぜか歩き回っても疲労感はあまり感じない。
煩わしいと思っていた店員との会話もそれほど苦ではなかった。

プレゼントを渡した後、英二がどんな顔をするのかを想像するとむしろ楽しくなってきた。

(こんな気持ちになったのは初めてだ。。。)

***

アッシュはある店に飾ってあった質の良さそうなセーターを手に取った。

(あいつ寒がりだし。。。これなんて温かそうだけど)

英二が自分の贈ったセーターを着ている姿を想像すると、なんだかくすぐったい気持ちになった。


店員「お客様、そのセーター、良くお似合いですよ」

ASH「あ、これは僕用ではないんです」

店員「あら、お父様かご兄弟に?」

ASH「世話になっている友人に何かプレゼントを贈ろうと。。。」

店員「素敵ですね、きっと喜びますよ。」

ASH「でも正直なところ、何を贈っていいか分からなくて。
  色やデザインもたくさんあるので迷ってします」

店員「わかります。でもとても楽しそうに見ていらっしゃいましたわ。
 本当に大事な方へのプレゼントなんですね」

ASH「えっ、(嬉しそう。。。?)ま、まぁ。。。
  いつも良くしてもらってばっかりなんですが
  感謝の気持ちをうまく言えなくて。
  こういう機会に何かしたいんですよね」

店員「ふふ、おっしゃること分かります。
   私でよければご相談にのりますよ」

ASH 「助かります。彼は僕よりも年上なんですけど、ものすごく童顔なんです。
   でも本人はそれを気にしていて。
   プレゼントを選びづらいんです」
   
店員「では、こういうものはどうでしょう。
   どうぞこちらへ。。。」

***

玄関ドアを開けるなり、パンパン!と音がなり、ヒラヒラと色とりどりの紙が散ってきた。
英二は大きなクラッカーを抱えていた。

英二「アッシュ、おかえり!驚いただろ?
 メリークリスマス!!!」

ASH 「た、ただいま。。。あまり俺を驚かすなよ」

英二「へへ、銃だと思った?」

ASH 「まさか。それなら先に撃ってるよ」

英二「怖いなからもう」

ASH 「お前の方が怖いよ。俺にそんなもの撃ってくるなんて」

英二「はは、君を驚かせたかっただけだよ。さ、中に入って。
 みんなもう来てるよ。」

ASH 「あ?みんな?」

英二「忘れてたのかい? たまり場でのパーティーをする前に、
 今日はうちでささやかなクリスマスパーティーをするって言っただろ?」

ASH 「すっかり忘れてた。。。(英二へのプレゼント選びで)」

英二「日本ではチキンやストロベリーショートケーキを食べるんだよ。
 ま、色々作ってあるからさ。乾杯しよう」

リビングにはクリスマスツリーが飾られていた。
仲間たちは英二が用意したプレゼントをすでに受け取ったようでその表情は皆にこやかだった。


「「「ボス!! 待っていましたよ。英二、乾杯しようぜ!!」」」

英二「そうだね。アッシュ、手伝ってくれるかい?」

ASH 「あぁ。。。おまえ、ひとりで準備したのか?
 言ってくれれば手伝ったのに。。。」

英二「いや、僕がみんなにクリスマスを楽しんでもらいたかっただけだから。
 それに準備するのって、結構楽しいよ。
 皆が喜べばいいなーって考えながら料理すると、美味しいものができるだろ?」

ASH 「。。。なんかそれ、分かる気がする」

英二「?? どういう意味??」

ASH 「。。。ほら。これ、やる」

英二「。。。え? これって、、、僕へのプレゼント?
 わぁ!!!!すっごく嬉しいよ!!!」

ASH 「でも、おまえが気に入るかどうかは分からないけどな」

英二「君が僕の為に選んでくれたんだって思うと
 それだけで嬉しいよ」


ASH 「なんか、それ。。。分かる気がする」

英二「えっ?」


ASH 「なんでもないよ」


英二「待って、アッシュ。僕も君へのプレゼントがあるんだ」

ASH 「俺に?」

英二「たいしたものじゃないよ。君は毎年これよりもすっごく高価なプレゼントをもらっているんだろ?」


ASH 「俺にとっては。。。これが一番のプレゼントだな」

英二「え?どうして?まだ開けてもないのに。。。。」

ASH 「お前が。。。おれに教えてくれたからだよ」

(大切な人の為にプレゼントを選ぶ事がこれほど嬉しいものだって。。。
 汚れきっている自分ですら、なぜか清らかな気持ちになれたからな。。。)


英二「ふーん、じゃ、一緒に開けっこしよう」

「「せーの!!」」


二人は笑顔でプレゼントを同時に開けた。

(終)


何をお互いにあげたのかは二人だけの秘密だそうですよ★

ハッピークリスマス!!
もし二次創作マニアが三次元で人生謳歌マダムを目指したら♪BANANAFISH DREAM