英二の背中にはうっ血した跡がいくつもあった。
「え!! 英二、どうしたんだよ、コレ!??」
それらはどうみてもキスマークで、アッシュはめまいがしてきた。一体昨晩、英二の身に何が起きたのだろうか。
(誰だよ、英二の背中にキスマークをつけたヤツは!!ショーターか?シンか?それとも他のヤツか?ぶち殺してやる!)
アッシュは怒りに震え、拳をギュッと握り閉めた。
「アッシュ。。。」
泣きそうになっている英二を見て、アッシュは我に返った。
(いけない、こいつを心配させてはいけない)
「落ち着け、英二。。。大丈夫だ、お前は何も変わっていない。。。」
アッシュは英二の背中にそっと手を置き、まるで自分に言い聞かせるように言った。
英二を落ち着かせようとしたのだが、英二はアッシュが自分の貞操を心配しているだなんて全く考えておらず、トンチンカンな事を言い出した。
「ねぇ、これって、アザだよね? 僕、きっと昨夜は酔っぱって、転んで全身打ったんだよ。。。」
「。。。。。」
(どう考えても違うだろうが!ちっ、でも何か分からない方が英二にとっては良いかもしれないな。。。)
鈍すぎる英二にどう説明すればよいのか分からず、アッシュはため息をついた。
「。。。ごめんよ、迷惑かけて。。。」
シュンとしている英二をアッシュはソファーに座らせた。
「英二、、、落ち着け。冷静になろう」
「そうだね、、、」
アッシュは英二と視線を合わせず、若干聞きづらそうに尋ねた。
「あのさ、、、、おまえ、、、痛むところはあるか?」
「痛み?? アレ、そういえば背中は痛くないなぁ、怪我したわけじゃないのかな?」
「。。。。だから、そうじゃなくて、、、背中以外に痛みはないのか?」
「背中以外? なんでそんなこと聞くの??」
「いや、何でもない、、、」
考え過ぎだと、アッシュは頭を左右に振った。
(続)