パーティーの翌朝、見知らぬ部屋のベッドで目覚めたアッシュは 隣に誰かがすやすやと眠っていることに気がついた。
「英二。。。。!?」
まったく状況が理解できずにアッシュは戸惑った。床には乱雑に脱ぎ捨てた自分と英二の服が散らばっている。
「ここはどこなんだ? それに。。。なぜ英二と同じベッドで寝ているんだ?しかも裸だし。。。」
二日酔いとはまた違う頭痛と、ショックからなのか目眩もしてきた。
おでこに手を当て、しばらくそのままの状態で頭を整理しようとする。
(わけがわからない。。。昨日のパーティーで何が起きたんだ?)
覚えているのはショーターとくだらないことでやりあい、そのあとシンをボコボコにして、結局は仲直りをして乾杯した。
英二のコスチューム姿を楽しみながら 仲間たちと騒いでいたはずだ。
これまでアッシュは酒で酔いつぶれたことなどなかった。パーティーとはいえ、英二を放っておいて自分だけ酔っぱらうことなんて想像すらできなかった。
「。。。仕方がない。英二に聞くしかないか」
きっと英二が自分を介抱してくれたのだろう。
なぜ自分が裸で英二が隣で寝ているのかは不明だが、恐らく自分の面倒をみているうちに英二も眠くなってしまったのだろう、とアッシュは自分に言い聞かせた。そして英二の肩を揺さぶった。
「おい、、、英二。起きろ」
「ん。。。??」
英二はゆっくりと目を開いた。瞼を人差し指でこすりながらアッシュの方を見た。
「すまない英二。起こしちまったな。突然で悪いが教えてほしいことがある」
「アッシュ。。。? あれ、、、ここはどこだ?」
英二も不思議そうに目をこすってゆっくりと目を見開いた。
「俺も分からないが。。。一体何が起きた?」
「僕たちは、、、昨日たしか、、、パーティーに行って、、、それから、、、」
「それから?」
アッシュは身を乗り出して英二に聞いた。英二はアッシュをみてギョッと驚いている。
「。。。おっと! 君、なんで裸なんだよ? いつもはパンツ履いて寝ているくせに」
「俺にも状況が分からないんだよ!俺の服は床に散らばっているんだ!」
アッシュはベッドの近くに落ちていた下着とジーンズを拾おうとしたが、かがんだ時に頭がクラクラした。
「って。。。。」
思わずしゃがみこむと、英二が心配そうに声をかけてきた。
「アッシュ? 二日酔いかい? 昨日そんなに飲んでいたかなぁ??あれー?僕も覚えてないや。。。」
「は?おまえ昨日のことを覚えてないのか?」
英二に聞こうと思ったのに本人は覚えていないようだ。
「うん、、、」
完全に目を覚ました英二はふあぁと欠伸をして、ベッドからたちあがった。
すると自分のシャツやジーンズ、靴下も床に散らばっていることに気づいた。几帳面な彼は普段床に服を脱ぎ散らかしたりはしないので驚いた。
「あ!僕のパンツが床に!。。。あれ?? 僕も裸じゃないか!!一応バスローブは着ているけど、、、パンツ履いてない!」
「俺はともかく、どうしてお前も記憶がないんだよ?お前も飲み過ぎたのか?」
「そうなのかな、体はだるいんだけどね。とにかく覚えていないのさ」
「。。。ったく、わけが分からない」
「とりあえず着替えようかな」
英二は立ち上がった。その時、アッシュは彼の体にあるものに気づいた。
「おまえ、、、こっち向け」
「ん?」
「そのバスローブ、脱いでみろ」
「はぁ?? 裸を披露しろっていうのかい?ははは」
英二は呑気に笑っているが、アッシュの表情は真剣だった。
「いいから脱げよ!」
「ちょ、、、ちょっと??」
突然脱げと言われて英二は戸惑った。
アッシュは無言のままバスローブの襟元をつかんだ。
(続)
皆さま、いつもありがとうございます。
街を歩けばすっかりクリスマスっぽい装飾に変わっていますが、気にせずしかもハロウィンと関係のなさそうな萌え展開のまま突き進んでいこうと思います。引くに引けないというのが本音かも(笑)