翌日―― アパートにボーンズとコングがやってきた。
「あれ、英二ひとりか? ボスはどうした?」
「う…うん。ちょっと出かけたよ。どこへ行ったのかは分からないけど。まぁ入ってよ」
英二は二人をリビングではなくキッチンに案内した。
「飲み物とお菓子を用意するから、ここに座って」
ボーンズとコングは不思議そうな顔をしたが、特に何も言わず、キッチンの椅子に腰かけた。
(今のうちにアッシュを移動させなきゃ――)
慌ててリビングに戻り、ドールハウスにいるアッシュに声をかける。
「アッシュ、大変だ! ボーンズとコングがやってきたよ! 君は寝室でいた方がいい」
そう言ってドールハウスごと寝室に運ぼうとした。だがタイミング悪く、トイレから戻ってきたボーンズと
バッタリ廊下で会ってしまった。
(ヤバイ!)
英二はドールハウスを背中に隠して、
「やぁ、ボーンズ。戻るところだったのかい?」
複雑な笑みを浮かべて寝室へ行こうとした。
目ざとくドールハウスを見つけたボーンズは、
「英二、何を持っているんだ?」
と聞いてきた。
「何でもナイよ」
「うそだろ? 何か隠したじゃないか」
「そんなたいしたものじゃないから……」
「怪しいぞ……」
そんな会話を聞きつけたコングがいつの間にか廊下にやってきていた。
「何だよこれ?」
コングが英二の手からひょいとドールハウスをうばった。
「あっ!(アッシュが見つかっちゃう!)」
思わず英二は目をつむる。
「……」
「……」
二人は目を丸くしてドールハウスを見ていた。
「まさかこんな趣味がお前にあったとは……かなり少女趣味だな……」
「英二……お前、オタクだったんだな……このことはボスに黙っておくから安心しな……」
二人は英二が「人形好き」と勘違いしたようだ。
「ちがーう!」
必死に否定する。
「だって、お前……これって着せ替え人形だろう?」
アッシュは必死に人形のフリをしていた。
洗濯をすると言って英二に私服を奪われたので、仕方なく着せ替え人形のボーイフレンドの服――しかもタキシードを着ていた。
(くそ――、よりによって英二が写真を撮りたいといって選んだ服がタキシードだったとは……。こいつらにバレないようにしなきゃな……)
「それにしてもリアルな人形だな。まるでボスみたいだ」
「英二、ボスに似ているからこの人形を買ったんだろう?」
コングが人形のふりをしているボスを指で触ろうとした。
「あ! ダメ!」
英二はとっさにアッシュを奪った。
「ほらな……やっぱり!」
「もう分かったから……ボスに見つからないように、隠しておけよ」
二人は笑いながらキッチンへ戻った。英二は力尽きてその場にヘナヘナと座り込んだ。
<続>次回最終です
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アッシュドールと遊びたいな♪という私の妄想からダラダラと創作していましたが、ドールアッシュにやりたいことはやったので、そろそろ終わりにしよう……。次回最終です、謎めいたドール話の真相がようやく明らかになります。
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…… らぶばなの 『もうちょっとおしゃべり』 ……
いま次の長編小説に取り掛かっています!これがまた……ハラハラドキドキもので、すっごくオススメなんですよ!(笑)
自分で言うかって感じでしょうが、すごく力をいれて時間をかけて創作していますし、自分が面白いと思ったものでないと長編小説はUPできないのです。短編・中編小説はもう少し気楽に創作しています(笑)。
まだ途中までしか出来ていないのですが、らぶばなが今 長編小説を書いているんだよ、そしてすっごくオススメなんだよ ってお伝えしたかったのです(笑)
壮大な話になりすぎて「本当に終わるのだろうか……」と不安にもなりましたが、大体のストーリーは完成しました。今は細かいところを書いています。早くUPしたいなぁ……。
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