【 Wリクエスト創作 】もしも英二が女の子だったら 第四話:すれ違い | BANANAFISH DREAM

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もしバナナフィッシュがハッピーエンドで終わるなら~365日あなたを幸せにする小説■BANANAFISH DREAM

   

 子分達がアパートに来るたびに、アッシュはやきもきしていた。エイジに対して妙な事をしないか厳しくチェックし、エイジに対しても子分たちの前では露出度の高い服装を禁止し、一人での外出は厳禁だった。



(まるで俺はエイジを軟禁しているようだ……)



 煙草の煙を眺めながらアッシュはぼんやりと考えていた。自分の束縛がエイジを苦しめているのではないかと悩んでいた。そして自己嫌悪に陥ることもしばしばだった。



 エイジはアッシュからの一方的な服装のチェックや外出禁止令を忠実に守っていたが、やはりたまには外に出たいと思っていた。



(そうだ…… 一人で外出するのが駄目なら、アッシュと一緒に外出すればいいわね)



 エイジはアッシュにお願いすることにした。



「アッシュ、お願いがあるの……」



 上目づかいにアッシュを見つめる。



(なんだ……ドキドキするじゃん……)



 急に至近距離で見つめられて、アッシュは緊張する。



「一緒にデートしよう――いいかな? 」



「仕方ない奴だな……どこへ行くんだよ? 」



 あっさりとアッシュはOKした。



(やった、上手くいった!)



「あのね……」




           ***





(c) .foto project



 仲間達が集まるたまり場のバーカウンターで、アッシュは酒を飲んでいた。



(どこがデートなんだよ―― 騙されたぜ……)



 エイジはテーブルで、ストリートキッズの女の子達と楽しそうに話している。



「――そうなの? いいなぁ! 」



「エイジも 今度、あの店に行こうよ――」



 デートと言うのは建前で、エイジは外で気分転換がしたかったのだ。



(あんなにワイワイと楽しそうなエイジの笑顔を見るのは久しぶりかもな)



 アッシュはそんな事を考えながら、遠目にエイジを見つめる。自分でも束縛しすぎだと分かっていたので、今日は多少のことは我慢しようと思っていた。そこに新入りの子分が現れてエイジに話しかけた。



「やぁ、楽しそうだね。俺はトムって言うんだ。君の名前を教えてよ 」



「え、私のこと? エイジ・オクムラよ……」



 新入りの子分はボスの女をナンパし始めた。



(ヤバいぞ――)



 アッシュの眉間に皺が寄るのをいち早く見たアレックスは子分に注意する。



「おい、新入り――こっちへ来い」



「何だい、アレックス? 」



「死にたくなかったら、今すぐこの場を去れ。」



「え? 」



 不思議そうな顔をする子分に、アレックスが小声でささやく。


「いいかお前……エイジはボスの女だ」



 新入りは真っ青になった。



「すみません! ボス! 」



 彼はそう叫んでバーから出て行った。その様子を見てアッシュはため息をついた。




「……ったく! だからエイジを連れてきたくなかったんだよ……」



 思わず出てしまったアッシュの本音をエイジが聞いてしまった。



「連れてきたくなかったって……アッシュは私と一緒に外出したくないの?」



 エイジが思わず突っかかる。



「そんなことは言ってないだろう? 現にここに一緒に来たじゃないか!」



「我慢して一緒に来たの? アッシュ、嬉しそうな顔していないもの、ずっと……。そんな顔をされちゃ 私、楽しくないよ!」



 エイジはそう言って、うつむいた。辛そうな彼女の顔を見てアッシュは戸惑いと苛立ちを感じる。



(俺だってエイジを守ろうと精一杯努力しているのに……そんなこと言うのか!? )


「――うるさいな! 俺が嫌なら、勝手に気分転換しておけよ。アレックス、悪いけど俺は先に帰るからエイジを乗せて送ってくれ……」



 アッシュはエイジを残して一人で帰ってしまった。あれほどエイジを大事にしているアッシュが彼女を一人放っておくとは余程腹が立ったに違いない。



 口げんかをしてしまったエイジは悲しくなって泣き始めた。アレックスはどうフォローしてよいか分からない。



「エイジ、これつかえよ」



 アレックスはハンカチを渡した。



「ありがとう――」


 

 エイジは素直に受け取った。



「落ち着いたら声かけてくれ……アパートまでちゃんと送るから」



「うん――。私、アッシュに嫌われちゃったね……」



「そんなわけないだろう――? もっと自信もてよ。ボス、最近いろいろと悩んでたみたいだから、疲れているんだよ。俺たちがいる手前、ああいう言い方になったんじゃねぇか? いいか、家に帰ったら、もう一度話し合えよ」



「うん、そうする……」



 エイジは自信なさげに頷いた。



<続> ←拍手ボタンです。応援・メッセを下さる皆さまに心から感謝いたします!


おはようございます。昨晩、ビアガーデンビールで暴飲暴食ナイフとフォークをして朝からテンション低めのらぶばなですショック!。こんな私の創作に拍手ボタンでの応援やメッセをくださり、ありがとうございます。


「顔がほころんでしまうストーリー」 「ひとつひとつ楽しみながら読ませていただきます」……そう言ってもらえて嬉しいですニコニコ!きっと皆さまの応援がなければ 私、毎日更新はできません!(←断言) 自分が作った創作に反応してもらえるのが嬉しくて続けているので……(もちろん、Aと英を幸せにしたいラブラブという私の想いがベースにあるのですが)


また、女の子のエイジ薔薇を「新鮮」 「可愛い」といも言って下さる方もいて嬉しいですキャハハ。アレックスがエイジを好きになるのも仕方ないでしょうか(笑) ボスにエイジに手を出すなと言われているので、アレックスは二人を見守ることにします(粘らずに、今回は退場です) ボスのフォローもできる、えらいナンバー2です。


喧嘩をしてしまった2人、どうなるのでしょうか? 次回は最終回です!どうぞお楽しみに……。


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