アッシュと英二のスキンシップ | BANANAFISH DREAM

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 ある日の午後。59丁目のアパートメントにコングとボーンズが遊びに来ていた。アッシュは外出中で、まだ帰ってこない。リビングでスポーツ観戦をしているコングとボーンズの為に、英二は三人分のコーラとスナック菓子を用意してリビングにやってきた。


「ボス、まだ戻らないのかな? 」


 ボーンズが時計を見てつぶやく。


「もうすぐ帰ってくるよ。ほら、コーラでも飲んでなよ。ポテトチップスもあるぜ」


 そう言って、英二はキッチンペーパーを敷いたお皿の上に盛られたポテトチップス と おしぼりをテーブルの上に置く。


「お、サンキュー。俺コレ好きなんだよな――」


 さっそくコングがポテトチップスに手をのばして食べだした。その時、玄関のベルが鳴った――。



「あ、きっとアッシュだよ! 」


 英二は立ち上がり、嬉しそうに急いで玄関に向かう。覗き穴からアッシュの姿をきちんと確認してからドアを開ける。



「おかえり、アッシュ! 今日はコングとボーンズが来ているよ」

 

 満面の笑顔でアッシュを迎える。外の気温は高いのか、アッシュのTシャツは汗でびしょ濡れだった。



「ただいま、英二。あいつら来てたのか……。シャツを着替えてからリビングに行くよ」


 アッシュは体にべっとり貼りつく濡れたTシャツをつかむ。



「うん、分かった――冷たい飲みものを用意しておくよ」


 英二はそう言って、キッチンへ向かった。
 


    ***



「アッシュ―― タオルを持ってきたから、これで汗をふきなよ」


 英二が寝室に入ると、アッシュはすでにTシャツを脱いで上半身裸になっていた。脱いだTシャツを受け取り、代わりに肌触りの良いタオルを渡す。



「サンキュー」



 アッシュは笑顔で受け取り、タオルで体の汗をふいてから、黒のタンクトップを頭からかぶった。



(アッシュって やっぱりスタイルいいよな―― 羨ましい……)
 


 そんな事を考えながらアッシュを見ていた英二は、アッシュのタンクトップに白い糸くずが付いていることに気が付いた。



「アッシュ、タンクトップに糸くずが付いているよ――ほら、そこ」


「どこだ? 英二、とってくれよ」
 


 糸くずは アッシュの背中側――脇腹近くに付いていたのでアッシュは見えなかったようだ。



「うん。ちょっと失礼――」



 英二はアッシュの脇腹に手をのばし、糸くずを取ろうとした。その時、タンクトップと一緒にアッシュの横腹の肉もつかんでしまった。



「うわッ――あはははは! 何するんだ、英二! 」

 


 アッシュが身をよじって、笑いながら叫ぶ。その様子に英二は驚き、目を丸くしている。彼に何が起きたのだろうか――?


「え、何? 」



「何てことするんだよ! 俺を笑い殺す気か?」



 アッシュはすごい剣幕で英二を怒鳴る。


 

(え? ちょっと横腹の肉をつまんだだけだよ? )



「だから、こうやって糸くずをとっただけだよ?」
 


 そう言って英二は確認するように、アッシュの横腹をつまんだ。



「あ――ははははッ、や……やめろっ……やめてくれ、英二! そこ触られるの苦手だ!」



 アッシュはどうやら横腹をさわられるのが苦手らしい。



「あ……ごめん」



 あっけにとられてつい謝ってしまった。



(意外だなぁ――脇腹をくすぐられると弱いんだ)



 英二は意外な弱点をみつけて驚いた。アッシュは脇腹をおさえながら



「あぁ、もう冗談じゃねぇ――」


 とぶつぶつ文句を言う。



「ごめんごめん。まさか君にそんな弱点があるだなんて思わなくて――はははは」
 


 英二に笑われたのが気に食わないアッシュは、


「俺にだって弱点ぐらいあるさ。まぁ……弱点だらけのお兄ちゃんに言われたくないぜ」



「弱点だらけって何だよ――」


「違ったっけ?」



「……」



 ムッとしながらも思い当たるふしが多い英二は言い返せない。得意げな顔でリビングに行こうと背をむけたアッシュに対し、英二はいたずら心を起こした。



「アッシュ……僕はいつも君に迷惑をかけてるから申し訳なく思っているんだ」


 英二はわざと悲しそうな声を出した。アッシュの足音はピタリと止まり、慌てて振り向いた。


「英二、誤解するなよ。俺はお前がいると迷惑とか言っている訳じゃないぞ――」


 アッシュが英二に誤解されないよう優しい口調でなだめる。 


「うん――ごめんね――」


 そう言って英二は真正面からアッシュに抱きついた。


 予想外の行動にアッシュは驚く。



「え……英二? 」



(もしかして俺は 英二を泣かせてしまったのか?)



 英二を抱きしめて良いのか迷うアッシュの声は戸惑っている。



(よし、作戦成功――!)


 英二は 内心ほくそ笑む。



 動揺して固まるアッシュに対し、英二は両手で思い切りアッシュの両脇をくすぐった。



「えーい! どうだ!! 」



「○*□☆△×◎◇――!!!」



 声にならない声で、アッシュはのたうち回る。笑っているのか、怒っているのか分からない声だった。アッシュはパニックになりながらも、たまらず英二の手を脇腹からはがす。そしてすぐに両手で英二の体をつかみ、ベッドに放り投げた。そしてこれ以上攻撃されないように、アッシュは英二の体を上から押さえつけた。
 

「え・い・じ……お前……」



 英二の攻撃にブチ切れたアッシュは山猫に変身した。獲物を狙う様な目線に英二は背中に冷たいものを感じる。



「あ……ははは……怒った? 」



 英二は舌をペロっとだして笑って済まそうとした。



「英二、よくもやってくれたな――」



「え……何のこと??」



 アッシュと目線をそらしてとぼける英二。



「こっちを見ろ……」



「ご……ごめ……」 


 謝ろうとしたが、もう遅い。英二には、アッシュの目がギラギラ光っているように感じた。



「覚悟しろ――」



 アッシュは低い声で英二に迫った。
 


「アッシュ、ゆ……許して―― 」



 最後の望みをたくし、英二は涙目で訴えたが……



「アッシュ、ダメだって……悪かったってば――!!!」



 英二の叫び声が寝室に響いた――。



       ***



リビングでテレビを見ていたボーンズとコングは寝室から誰かの叫び声を聞いた。


「うん? さっき、ボスの叫び声が聞こえなかったか? 」



 ボーンズの問いかけに対し



「そうか? どっちかというと英二の叫び声だったような気がするけどな――」



 コングは首をかしげる。



「まぁ、いつものスキンシップだろうな」



「そうだな。あの二人、仲いいからな。あ、ボーンズ、チャンネル変えるなよ」



 子分たちにとっても二人のじゃれあいはごく当たり前の事であった。



 英二がどんな目にあったのかは神のみぞ知る――。



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らぶばなですニコニコ。久しぶりに短編を創作しました。これは恋愛小説ではないですね(笑)


アッシュが横腹をくすぐられるのが苦手なのか知りませんが、勝手にそうしちゃいました。音譜横腹をくすぐられるのが苦手な人、多いですよね。 ちょっとつまむと大声をあげて笑うから、楽しくてつい調子に乗ってしまう……(^ε^)


原作の7巻で、英二がアッシュの怪我の手当をした時に、わざと乱暴に消毒薬を傷につけてじゃれあうシーンがありました。今回のようにちょっとした仕返し(?)を英二が仕掛けてもおかしくないかな……あせる


皆さまどう思われます? そして英二はどんな目にあったのでしょう? アッシュしか知らない英二の弱点(?)を攻めたのでしょうか(笑) どうぞお好きに想像してください(笑)ラブラブ


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