世界が認める美形女優の石原さとみさんが主演する、「アフリカへの旅」という番組を見ました。
内戦の続いた国で映画のロケをやったそうです。

反政府軍に拉致されて少年兵として育てられた若者を更生する施設を訪ねていました。
20代後半の石原さんと同世代の元少女兵もいました。
15歳で連れ去られ、兵士として戦うと同時に、少年兵たちの慰安の相手もしたそうです。
3人の子供を生みましたが、戦争で死んだり、生き別れたりしたらしいです。
これ以上ないくらいの不幸せな人生です。
更生施設に来ても、笑ったことがない、と言っていました。

でも、厚生施設の若者たちが踊る場面が最後にあって、彼女はためらいながらも踊りの輪に入りました。
踊っているうちに彼女の顔に笑いが浮かびました。
やらせ、なのかもしれませんが、見ている方もうれしくなりました。

そういえば、以前、南米に住む未開の原住民を取り上げた番組があって、その中で2歳くらいの子供が病気で死ぬ場面がありました。
みんなが悲しんでいる中、男たちがとてもユーモラスなダンスを踊り始めました。
全く空気を読まないパフォーマンスでしたが、それを見た女たちは、涙をぬぐって笑い出しました。

昔は、乳幼児の死亡率がたいへん高かったそうで、子供を亡くした親は悲嘆にくれたと思います。
子供に限らず、身近な人が病気や事故で死ぬことも多かったでしょう。
今以上に、不幸が社会に満ち溢れていたと思います。
その悲しみを克服するために、人は踊ったのではないか、と思っています。
泣きながら踊るってできませんからね。

笑いは人を幸せな気分にします。
漫才やコント、落語など笑わせるための芸はいろいろあります。
でも、踊ること、ダンスは最も簡単な方法じゃないかな、と思います。
リズムを体で刻んでいると、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが分泌されるそうです。
世界中でうつ病が増えているのは、現代人がリズムから遠ざかっているから、と聞いたことがあります。
日本で自殺者が多いのもそのせいかもしれません。

「幸せなら手をたたこう。」という歌がありますが、「不幸せなら踊ろう。」です。


https://www.youtube.com/watch?v=-5VwPG79tc4

今年も今日で終わりです。
良いお年をお迎えください。