一人暮らしの高齢者が増えている、ということで、テレビが特集を組んでいます。

ある高齢男性(妻は先に死去)は、地域の集会に勇気を出して参加しましたが、「知らない人ばかりで気おくれした。」と言って、その後自宅に引きこもりました。

どうも、日本人の高齢者は、友人とか仲間というものは、自分で探し求めるものではなく、自然にできるものとか、周囲が用意してくれるものだ、と思っているふしがあるようです。

たぶん、お見合い文化の影響があるのでしょう。
昔は、自分の配偶者は、周囲が用意してくれましたからね。
努力しなくても多くの男性は、年頃になれば、仕事についてさえいれば、何とか結婚することができました。
親戚、知人が適当な配偶者候補を紹介してくれたからです。
こういう社会環境だと、自ら努力して、他人との交際を広げようとかいう気分にはならないと思います。

2005年に世界価値観調査というものが行われ、その中で日本人の社会的孤立がOECDの中でもひときわ高いことがわかったそうです。
「友人、同僚、その他、スポーツ、文化グループと、全く、あるいは、めったにつきあわない。」と答えた人の割合は、
オランダ 2% 米国 3.1% 英国 5% フランス 8.1% に対し、日本は15.3%でした
日本人は人付き合いが悪く、孤立していることが浮き彫りになる結果になりました。

日本人は長い間、閉鎖的な村社会で暮らしてきたので、交際相手や遊び仲間に苦労することがなかったのでしょう。見知らぬ人と親しくなる社交性よりは、顔見知りの人たちと仲良く生きていく協調性が何よりも重視されました。

人の移動の多い現代社会は、昔とはかなり違います。
自分から積極的に働きかけないと、人とのつながりがなくなってしまうのだと思います。

これからの日本人に必要なのは、協調性よりも社交性だと思います。
見知らぬ人とも、何とか共通点を見つけて親しい関係を築く能力が必要なのでしょう。

その訓練に、社交ダンスなんか悪くないと思うんですけどね。
見知らぬ異性に、「踊ってくれますか?」って尋ねるのは意外に勇気がいります。