これからの日本人に必要なのは、協調性ではなく、社交性だ、と脚本家の平田オリザ氏は言っています。
劇作家の山崎正和氏も同じことを言っています。
私もこれに同意します。
日本のムラ社会においては、何よりもみんなと同調することが求められました。
メンバーは固定されており、できるだけ人間関係に波風を立てないように
人々は周囲の顔色をうかがって行動する必要がありました。

しかし、人々の出入りが激しくなり、メンバーが固定されなくなると、
今度は、見知らぬ人と心を通じ合わせ、お互いの利益になるような行動をとる必要が出てきます。
このときに必須になるのが、社交性です。

したがってこれからの日本人はこの社交性をなんとしてでも身につけなければなりません。

日本の金融業界のビジネスマンは、外国に支店を開いても、日本人としか、相手にしようとしないらしいです。
外国に進出した日系企業だけしか取引の相手に選ばないわけです。

他方、日本に進出した外国の金融機関は、日本人と積極的にビジネスを展開します。
こういう現象は日本人の社交下手を如実に物語っています。

日本の自動車や電気製品が外国であまり売れていない理由の一つもこのあたりに
あるのではないでしょうか。

明治の元勲たちが、鹿鳴館を建て、ダンスを通じて、日本人に社交性を学んでもらおうとした意図がわかるような気がします。