オーストラリアの原住民であるアボリジニの社会の婚姻制度は特徴的です。
それは「義理の母を授与する。」という慣行があるからです。
少女は10歳になる前に10歳前後の少年に「義理の母」として授与されます。
この少女と少年は義理の母と義理の息子として正しい親族関係にあり、禁忌の関係が生まれます。
つまりこの二人は性交渉をもつことができません。
少年は労働と財(食べ物や様々な物)を少女とその家族に継続的に提供しなければならないという義務を負います。
そしてこの少女が産む女の子を将来の妻として少年が譲り受けます。
少女の娘すべてがこの少年の妻になることができます。
つまり一夫多妻を容認しています。
少女の配偶者は誰なのでしょうか。本の中で説明してありますが、理解できませんでした。
もし、少女に娘が生まれなかったらどうなるのかよくわからないのですが、先進国に住む私たちからみるとかなり変わっています。
最近は若者の間で、欧米社会を真似て一夫一婦の夫婦を作ろうとする「乱れた結婚」も増えていて、伝統的な道徳を守ろうとする年配者たちの頭痛の種になっているらしいです。
私たちはキリスト教の推奨する一夫一婦制が唯一正しい結婚の形態だと思っています。
しかし世界にはいろんな形態の婚姻形式があります。
世界に存在する社会の8割以上が一夫多妻制かそれを容認する社会だそうです。
澤口俊之という脳学者は、一夫多妻制が人間の本来の姿ではないか、と言っています。
日本では年々、結婚する若者が減っています。
一つの原因として、貧富の格差が広がり、男性が女性を扶養できなくなっていることがあげられます。
若者は一部の成功した大金持ちと多数の貧乏人に分かれつつあります。
フリーターやニートと呼ばれる低所得者層はおそらく結婚して家族を養うことは難しいでしょう。
一夫一婦制を維持することは経済的に不可能になるかもしれません。
日本の人口をこれ以上減らさないためには、一部の大金持ちの若者に多数の女性とその子供を扶養して貰ったほうがいいと思います。
経済政策としての一夫多妻制を容認すべきかもしれません。